シャドーハウス 2nd Seasonを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月30日
”こどもたちの棟”を震撼させる亡霊騒動に、有効打を見いだせない”星付き”達。
ケイトはバーバラとの対峙を乗り切り、真実を探るべく行動を始める。
すす病治療の過酷な現実、微かなヒントと希望。
まるで無邪気な探検のように、友と進んだ先に待つのは…。
そんな感じの煤色探偵ケイト様本格始動! な、二期第5話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月30日
前回の大立ち回りがひとまず収まり、さて事件の裏に何があるのか。
バービー達が真実を探りきれない現状に、ケイトの知恵と激情が風穴を開ける! …のか、探検は続く…というお話。
無邪気な探検感が戻ってきて、ちょっとホッコリ。
僕はこのお話の児童文学な感じが好きなので、裏のないジョンと優秀なショーンを従えて、ケイトとエミリコが難問解決のため館を歩き回っている状況は、非常に良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月30日
追うべき謎が整理されて提示されるので、無邪気な歩みにミステリの味わいが混じり、いいコクも出ている。
同じくらいヴィクトリアン・ゴシックな風味も楽しんでいるので、どう見ても拷問なすす病治療の”ぽさ”も最悪で最高だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月30日
瀉血といい、あの時代の医療行為マジで人体に優しくない。
啓蒙の光が近代を照らしつつ、まだまだ中世の無明がそこかしこに残る時代の、野蛮なる治療。
バリバリ公害被害者である子どもたちが、10秒でぶっ壊れる過酷な環境に押し込められ、強制的に飲まされ吐かされ繰り返す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月30日
やっぱり館の現状は圧倒的にロクでもなく、全てをひっくり返すにはケイトの力は足りなすぎる。
亡霊騒動解決は、世界を革命するための権力確保の、大事な一歩目でもある。
名探偵ケイトが舞台に上がるのは、こども棟を管理する”星付き”が無敵の支配者ではなく、限界に悩む人間であると描かれたからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月30日
事件の真相を隠蔽し、保身を図りつつ解決を図る。
生意気なガキの力を借りなければ、厄介事を乗り越えれられない、当たり前の苦労人たち。
二期はその顔が丁寧に彫り込まれ、親しみを感じれて大変いい感じである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月30日
冒頭の”星付き”会議の時、バーバラが主の表情を追うより、自分の感情を表に出してる様子が印象的だった。
感情の外部装置である生き人形は、主と共にいるときは、無貌の鏡でなければならない。
勝手に喋ることを許されないから、エミリコは腹話術を習得し、主と違う存在だからこそ湧き上がる、心配を表に出すなどもってのほか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月30日
だがバービーは、力不足を嘆きつつ必死に頑張る友だちの嘆きに呼応して、歯を食いしばり目を伏せる。
バーバラの”体面”は動じぬ鉄面皮を要求してるのに、だ。
今回は生き人形と影が同時に動く、館の公的空間が多く切り取られていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月30日
他人を表情を窃盗することで、ギリギリ人間として機能する歪な当たり前。
そおのゴシックな味わいが、そこからはみ出て自分だけの気持ちを顔に出す、一部の生き人形を際立たせもする。バービーは情の女(ひと)…ッ!
シャドウは”わたし”とか”おれ”といった、抽象的一人称を使わない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月30日
必ず客観的な名前で己を呼ぶのは、内側から湧き上がるアイデンティティを持ち得ない、歪な存在である証明な気もする。
人が生まれつき当たり前に持つものを、持ち得ない奇妙な影。
しかし自分の唯一の顔として与えられた生き人形と触れ合い、彼らを鏡として情を学ぶ中で、見えないながら”顔”ができていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月30日
いびつなシステムの副産物かもしれないが、そこに宿った熱と思いに嘘はない。
どれだけ掟が押しつぶそうとしても、互いを思う気持ちは消えてくれない。
…あるいはそれを殺し得たものだけが、あの館で顔のある”大人”になれるのかもしれないが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月30日
一期での情報と合わせて、館が用意してるイニシエーションは相当におぞましく、クリストファーの自死もそこに関わってんじゃねぇかな…とか読んでるが、どうだろうなぁ。
さておき、保身も込みでどん詰まりを打破すべく、”星付き”はケイトに疑いを向ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月30日
すす出しまくりの激情と、冴えわたる知恵。
二つの個性を武器に変えて、ケイトは実質的な委任状をバーバラから獲得して、騒動を探る自由を掴み取る。
ケイト様、かーなり瞬間湯沸かし器だよね。
屋上上がるのにヒーヒー息切らせてる描写も含め、今回はケイト様に足りないもの、出来ないことが結構書かれていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月30日
これは色んな意味で大事で、欠落があるからこそ他者と補いながら進む物語が駆動するし、完全無欠の存在は、キャラとして面白みがない。
体力なくて激情家だからこそ、ケイトは興味深い
主が思索をまとめ上げるタイミングを見計らったり、体面を壊さぬよう特殊技術を取得したり、エミリコの優秀さも、ケイトの至らなさを補う形でしっかり描かれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月30日
無垢な天使に見えて、エミリコたんマジ切れ者だからなぁ…そのギャップが、またかわいい。
先週わんわんしてたのにね…。
湧き上がる感情を良い方向に使う能力って、ケイトよりエミリコの方が優秀なのよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月30日
泣くべき時に涙を流し、戦うときは怯えを引っ込める。
はわはわか弱いようで、感情の制御能力が相当に高く、しかし計算高く心を使うことはない。
嘘偽りのない真心を真っ直ぐ届けて、他人を動かす強さもある。
今回ケイトがすすモリモリ出しながら、”星付き”を気持ちで圧倒して捜査免状を掴めたのは、彼女一番の友達から、心の制御法を学び取ってた成果なのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月30日
そんな風に、違うからこそ相手を尊重し学び取れる間柄は、やっぱり見てて尊い。
館はそういうのこそ、真っ先に殺しにくるがなッ!
そんな極悪システムの一環としての、すす掃除懲罰の現状も書かれたわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月30日
マージでロクでもねぇ…双子死ぬんじゃないか、アレ。
しかしあの過酷な労働がないと、すすを基盤に回ってる館(と外の島)の経済が回んないのも事実で…いやロクでもねぇな。
子供開放して館潰れろッ! ジジイしねッ!
亡霊騒動は意図して何者かに引き起こされた”事件”であり、双子の悲惨な現状はその犠牲とも言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月30日
誰が何を望んで引き起こしたにせよ、非人道的な館の犠牲者である双子を、死地に追い込む権利はない…はずだ。
後に真相がわかった時、ここにどう報いるか(報いれないか)は気になる。
そこに踏み込むためにも、ケイトは真実を探らねばならない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月30日
優秀なエミリコたんを相棒に、天真爛漫なジョンを道連れに進む旅路は、切迫した状況にもかからず…あるいはだからこそ、無邪気で微笑ましかった。
こういう呑気な道中ばっか、どうにか訪れてくれないもんかねぇ…。
あらゆる相手を疑わなければいけないケイトにとって、バカ過ぎて疑う必要がないジョンの存在は、結構救いなんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月30日
イライラぷんすかさせられっぱなしではあるけど、そうやって感情を顕に出来る、自分の顔を作らなくていい相手がいるってのは、”人間”には大事なことでしょ。
まぁ結構シャレにならない厄介事も、ゴリゴリ引き寄せるけどさ…なーんで研究棟の壁が引っ剥がされてんだよッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月30日
あの一連の流れ、『そうはならんやろ…』っていう大破壊っぷり&幸運回避も良かったけど、エミリコが迷わず己の体を盾に、ケイト様をカバーしてたのが良い。躊躇わんなー、こういう瞬間に
さて、曲者ぞろいの研究棟の扉を、とんでもない勢いで叩くことになったケイト一行。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年7月30日
思わぬ出会いは真相究明の助けとなるのか、妨げとなるのか。
変人たちは敵か味方か。
気になるヒキで、次回も楽しみです。
オリバーのトンチキ善人っぷりが既に描かれてるので、過剰に警戒しないで待てるのは”良”ね