デリシャスパーティ♡プリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
物わかりよく賢いここねに、ふと訪れた家族の時間。
子も親も、どこかぎこちなく言葉を探す時間の中で、お互いの気持を探していた。
何気ない一言が呪いとなり、寂しさが当たり前になっていた日々。
思い出のボールドーナツは、家族の時間を再び動かすのか!?
そんな感じの切り込め優等生の秘めたる患部! 華麗なる芙羽家解体新書! デパプリ第23話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
登場から結構長く引っ張ってきた、ここねちゃんの暗い影。
両親不在の寂しい食卓に踏み込む話とあって、かなり警戒して見始めたが、蓋を開けると子の寂しさと親の不器用を彫り込む、手応えのある話だった
ここねちゃんはとても賢く周囲が見えていて、だからこそ考えすぎてなかなか動けない子として描かれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
これは自分の目の前三センチしか見えず、だからこそノーブレーキな勢いがあるらんちゃんと、面白い対照である。
僕らは物わかり良く、大人の都合にとって『いい子』を、点数高く評価しがちだが
元気が良すぎて困った『バカ』だからこそ、自分なりの手応えで真実を学べることを、第21話は上手く描いた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
ここねちゃんも高嶺の花と持ち上げられる寂しさ、賢いからこその足踏みが丁寧に切り取られていて、各々の資質と性格によって長所と短所は背中合わせに繋がり、それこそが”個性”と描かれてきた
その根源には家庭があることを、幾度か描かれた孤独な食卓は示唆してきたが、今回のエピソードはそれを回収するお話だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
一人きりのここねちゃんがあんまり寂しそうだから『両親悪者になるかなー』も思っていたが、描かれてみると完璧な『良い大人』でも、子を踏みにじる『悪い大人』でもなかった。
忙しさにかまけ、ワガママ言わず一人で生きていくことに適応したここねちゃんは、人格の成熟度が平均よりも高い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
それを『大人びている』と、ポジティブな意味を宿す言葉でまとめてしまうと、寂しさに気づけないほどに寂しさと友達になってしまった、彼女の悲しさが置き去りにされる気がする。
気持ちを伝えず、大人が無言で望んでいるものを先回りして叶え、大事な人が困らないようにする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
そんな都合のいい賢さに飲み込まれた結果、芙羽家はかなり身動きが取れず、お互いの気持ちが伝わらない家になってしまった。
お互いが大事なのに、このギクシャク不自然な感じは妙にリアルだ。
久々に囲む家族の食卓、父はお寿司、ここねは手作りのシチュー、母は仕事で食べたもので満腹と、バラバラのものを食べることになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
最後に皆同じ、ここねが大好きなオープンサンドを一緒に食べる情景と、この解体された食卓は対比をなしている。
あのズタズタな食卓が、芙羽家の現状だったわけだ。
物語開始時のここねちゃんだったら、バラバラで繋がらない状況が当たり前だと慣れきり、痛みを感じなかったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
しかしお友達が出来て、一緒に作り食べ笑う楽しさを知った今、ここねちゃんは蓋をしていた心の疼きに、ちゃんと向き合う姿勢ができてきている。
穏やかな川のほとり、お友達に悩みを打ち明けている場面は、ここねちゃんがここまで手に入れたもの、ゆい達が与えられたものが眩しく輝いてきて、少し泣いてしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
あそこでダチに悩みを預け、自分が知っている以外の家族を、それに反射した望みを確かめられる”今”は、得難い財産だろう。
時を同じくしてお母さんも、あきほさんとマリちゃんに悩みを打ち明け、アドバイスをもらう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
自分一人では動かせない、いつの間にか固まってしまった重たい荷物を、預けれる相手がいる。
それが芙羽家を望まず縛り付ける、呪いを解く鍵になっていく。
ともすれば、機能不全家庭と断罪されそうな芙羽家を、子供も大人も一つの形と受け止め、その構成員が本当は何をしたいか、引き出す事を大事にしていたのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
デパは古き良き家庭像を、作品の価値判断軸として太く置いているので、そこからはみ出したあり方を切り捨ててしまいかねない。
だからこそ家族の時間がなかなか取れず、理想的なコミュニケーションが成立してない芙羽家を『間違ってる』とは扱わず、一家個別の問題を相談の中で解体して、本当に望むものを差し出せるよう、勇気とヒントを手渡すのが大事だろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
そう描く場面がちゃんとあったのは、とても良かった。
お母さんは思い出のボールドーナツを食べながら、叔母の言葉が賢い娘に突き刺さり、呪いになってしまった瞬間を思い出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
『何やっとんじゃクソババー!』と言いたくもなる場面だが、しかし悪気もなく、何気なく言葉にしたのだと思う。
そういうモノが、人生に突き刺さってしまう瞬間は確かにある。
子供の心…特に周囲をよく見て、自分がどうするべきか慎重に考えている賢い子供のそれは、生乾きのコンクリートのように、思わぬ形で凹みが出来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
そんな場所に土足で上がらないよう、慎重に振るまう大人の責務を思い知らされるようで、なかなか怖い場面でもあった。
俺も言っちゃってんだろうなぁ…
どこまでがワガママで、どこまでが正統な思いの発露なのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
好きとか楽しいとか、その反対に辛いとか嫌だとか、溢れる感情を顕にする是非を判断するのは、とても難しい。
思うがまま突き進むことが、必ずしも答えにならないという意味では、やっぱ第21話と呼応するエピな気がする。
しかし母は自分たちの距離感がズレた瞬間を思い返し、気づけばとても”大人びて”しまった娘を前に、呪いを解こうと歩み寄る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
それは自分の心を押し殺して、周囲を賢く見渡すことに特化しすぎたここねちゃんが、時計を巻き戻し素直な子供に戻ることを、自分に許せる魔法になっていく。
そんなある種の謝罪は、我が子が世の分別が分かった一個人として、しっかり育ったと認識すればこそ、差し出せるものだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
自分は大人として親として、なにより長い人生を共に過ごす存在として、気づけば成熟を果たした…からこそ寂しく悲しい娘に、ちゃんと向き合い進み直す必要がある。
そう考えて襟を正し、新しく親子として、人間同士として歩み寄れるのは、立派なことである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
ここねちゃんも自分の中にある愛情をまず最初に見て、置き去りにされてきた寂しさ、気持ちを表に出せなかった辛さに支配されず、笑いながらその手を取れたのは、とても偉い。
全てが終わった後、お父さんが遅れ馳せで駆けつけて、娘が欲しいと言ってたリップを手渡す場面。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
あそこでここねちゃんは、『もう持っている』とは言わない。
そんな事実よりも、父が自分の”好き”に目を向けて、想いを形にしてくれた真実のほうが大事に思えて身体。
ここねちゃんが思いを押し殺し、一歩引いたところから状況を見てしまう賢さは、どうにも動かない寂しさの源だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
でもそれがあるからこそ、半歩間違えるとメチャクチャ拗れそうな家族の再出発に、自分が望むべき未来を掴むため、一番いい選択を果たせた。
それが、芙羽ここねの人格なのだ。
今回ここねちゃんは、よく笑う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
それはお話が始まった時は凍りついていたもので、父母が遠巻きに手をこまねいている間に、お友達を作り色んなことに悩み、ご飯を沢山一緒に食べて動かし直した、彼女のもう一つの強さである。
気持ちを伝えることは、ワガママじゃない。
今回描かれる答えは、ここねちゃんが既に歩いてきた青春の中で既に掴み取られていたものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
ゆい達と一緒に過ごす中で、そうであっても良いのだと実感し、噛み砕いて心の栄養にしてきたものなのだ。
寂しさと友達になってた女の子に、そういうモノを差し出せた人たちは、俺は本当に偉いと思う。
今回芙羽家の大人たちは、何もかも完璧にこなせる”大人”ではなく、愛すればこそ動けなくなる当たり前の不自由に支配された、普通の人として描かれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
そんな人達を、”大人びた”ここねちゃんが許してあげる構図とも取れる話だ。
ここねちゃんの成熟は、既に両親が完璧な存在ではないと知っている
それは子を養い守り、親を敬い慕う一方通行な関係性から、三人の人間がそれぞれ進み出す、平等で公平な変化なのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
そうやってバラバラで未熟であることを知っても、芙羽家は家族であり、お互いを大事に思い合っているから、確かに繋がれる。
そうして繋がるのは、ワガママなんかじゃない。
人が何かを求める時、必ずその行為はエゴと博愛の狭間に迷う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
悪気なく何かがズレて、それが決定的に家族に影を伸ばして、歪なまま奇妙に安定してしまう。
そんな結構複雑で、でもけして絶望的ではない在り方を、柔らかな視線で見守りながら描くエピソードだったと思います。とても良かった。
『ワガママはやめて、いい子になってね』というのは、子供に向けた絶対の正解にも思える言葉だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
でもそれが縛り付けてしまうモノが確かにあって、生まれる傷は少女一人の心を凍らせるくらいに危うい。
じゃあ何が答えで、どうすれば良いのか。
それを掴むためには、大事なことがいくつかある。
自分一人では動かせない心の重荷を、預けれる誰かと繋がること。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
眼の前にいる相手と、向かい合う自分を素直に見つめる賢さを持つこと。
見えてきたものに素直に、大切な愛に向けて率直に歩みだすこと。
どれも当たり前に見えて、とても難しいことだと…でも、人にはそれが出来ると描かれてた。
今回のお話にフツーにありそうなややこしさとしょうもなさ、難しさがしっかりあって、でも『世の中そんなもんだよ』と思考停止せず、ここねちゃんが既に掴み取っていたもの、家族が大事にしたかったものを信じて、より善い方向へ転がしていったのが、凄く”プリキュア”で良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
こういうジンワリいい話を描く上で、食にまつわる記憶(幼い思い出であり、新たに一緒に進み出す記念でもあるボールドーナツの味)が印象的に使われ、ナル公が土足で踏みにじることでヘイトアーツがバキバキ効いてるの、やっぱいいなー、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
家族再生の”機”踏むの、ぜってぇ許せねぇだろ…。
血の繋がったギクシャク家族の再生劇の裏で、ゴーダッツ様が構成員への思いやりで忠誠を買って、超イヤな感じの疑似家族展開しているの、面白い対比だったな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
表面上上手く行ってないけど、根っこでは思いが通じ合ってる”お家”の、グロテスクな陰画のようなファミリー企業の顔、キモくて良かった。
ナル公があんなにも食の思い出を憎み、ゴーダッツ様を慕う裏側とかも、そろそろ見たいけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
敵役をどんだけ”人間”として描くかは、各シリーズごとの個性と哲学が濃く出る所で、下手すっと一番難しい部分でもあるからな…。
過去作で好きなのはノットレイダーとエリシオです。(唐突な嗜好パナシ)
というわけで芙羽ここねの凍りついた心臓を、優しく切り開きもう一度動かし直すエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
親だって間違えるし、それを正すことも出来ると描けたのは、”大人びた”ここねちゃんだからこそかな、と思う。
自分の寂しさに囚われず、愛を大事に差し出された手を取れたのは、彼女が賢いからじゃない
いつでも楽しく笑っていたい、大事なものを大切にしたい、凄く優しい子だから、今回のより善き結末にたどり着けたわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
そういう存在として芙羽ここねを描き、ゆい達に彼女の優しさ楽しさを取り戻させたの、俺は凄く良いことだと思いました。
次回も楽しみ。
追記 ともすれば道徳の教科書と揶揄されそうな倫理的メッセージを照れず、楽しく、見ごたえある物語としてしっかり提示するのは、かなり大変だし手間もかかるけど、ちゃんとやんなきゃいけない大事な責務でもあるわけでね。
あ、”大人びた”ここねちゃんのキャラに合わせて結構難しい話になりつつも、『ワガママ言わないことが”いい子”じゃないし、気持ちはちゃんと伝えようね!』つう、シンプルなメッセージがメイン視聴者に分かりやすい形で提示されていたの、すげー良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月14日
そこはマジで大事よ。プリキュアだし。