シャドーハウス 2nd Seasonを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月11日
絶大な能力と、老練な知略。
ケイトとジョンは、対峙したマリーローズに追い詰められていく。
窮地を打ち破り、未来へ続く道を切り開くための鍵は、敵が諦め置き去りにしたものにこそある。
友よ、我が半身よ。
懐旧ではなく希望のために、その一歩を…。
そんな感じのVSローブ様決着！ シャドーハウス二期第10話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月11日
相手の裏をかきあう知略戦と、奇妙なワクワクが同居する感覚は”お披露目”にも似てて、マリーローズ達に否応なく漂う心中気配を除けば、血湧き肉躍る楽しさが確かにあった。
子供だけの秘密に、ギリギリの大冒険。
陰惨な館に立ち向かう話に不思議と”遊び”の空気が残っているのは、作品から重苦しさを抜く大事なポイントなのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月11日
しかしマリーローズ達に、そういう子供の気楽さはない。
思い詰め策を巡らし、仲間を道具に貶めて得れるのは”私たちの終わり”を決める権利だけ。
ケイト達があくまで未来に進む一歩として、亡霊騒動に向き合っているのに対し、ローズマリー達は色々間違えまくった果て、唯一自由にできる”終わり”だけを求めて、決着に挑んでいる感じが強い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月11日
そういう姿勢だからこそ希望の象徴に打倒される役どころで、館の現実は否応なく、そこに子供を追い込む。
マリーローズの策略がケイトを追い込むほど、思いの外短気で感情的なケイト様の地金が浮き彫りになって、大変嬉しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月11日
あの子がぷんすか瞬間湯沸かし器なところを見せると、妙に安心するんだよな…普段は弱者救済の責務を、ずっしり抱え込んで生きてるからかな？
『星付きに助けを求める』という選択肢を蹴り、少ないヒントで真意を受け取ってもらえる絆に賭けて、ケイトは勝つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月11日
麗しい友情への信頼ではなく、『アイツラ濡れ衣着せてムカつくしッ！』という、個人的で感情的な決断が、結果として正解に結びついているのは好きだ。
人間、そういうモン…でもあろう
同時にケイトは半身たるエミリコ、同期の友人であるジョンをちゃんと信じて、一人で戦わなくて良い環境を作り上げてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月11日
作中でも述べられているように、バービー達とそういう関係を作れていたら、ローズマリーは負けなかったかもしれない。
あるいは、亡霊騒動自体が起きていないか。
ローズマリーの世代はやはり、何かを決定的に間違えて、後戻りできないもう一人のケイト…主人公の歪な鏡として、作中に存在する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月11日
今回の作戦成功の立役者、パンへの偏愛はケイト由来ではない。
彼女の大事なエミリコが、大事にしているものをかすがいにして、生き人形とシャドーは繋がる。
そういうヘンテコで愛しい連帯が多分、ローズマリー達にもあって、しかしそれは機能不全にぶっ壊れてしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月11日
結果孤独などん詰りに追い込まれて、自分達とは異なる未来に向かう主人公に希望を託しつつ、己の過ちを精算するかのように敗れ去っていく。
浅く、荒く、甘い。
マリーローズと向き合う中、ケイトとジョンはその若さを曝け出すが、騙し合いに慣れた敵を乗り越えていく奇策も、幼き純粋さ、真っ直ぐな絆から生まれてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月11日
そしてエミリコとショーンの到来を許したのも、彼らを殺せないマリーローズの甘さだ。
敵対しながら、なにか響き合うものが残る。
その事実を信じて、エミリコはパンを六等分してみんなで食べようとする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月11日
だが手を取り合う時間は終わっていて、マリーローズは自裁するかのように、館が用意した暗い秩序に食われていく。
罪人である自分を引き渡すことが、ケイトの点数稼ぎに繋がるように、己を終わらせる。
叛逆者、逸脱者を生かして改悛を待つような機構は、館のシステムにはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月11日
より善い社会を目指す健全さも、過ちを認めた上で前進する希望も、捻り潰して今ある秩序を維持するのが、シャドーハウスのやり方だ。
マリーローズは、これ以上存在を許されないだろう。可塑性に欠ける社会だな…。
探偵役であるケイトも、犯人役であるマリーローズも、それを承知でここまで突き進んで、行き着くべき決着へたどり着いた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月11日
次回どんな事が起きるかは、なんとなく想像できるし、実際見てみないと受け入れられない感じもある。
出口なき館にそれでも、自分達の愛と自由を求めた、二人の叛逆の果て。
それはケイトとエミリコがたどり着いてはいけない場所だし、二人きりだと必ず追い込まれるどん詰まりなのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月11日
狭い個性と自己愛が生み出す頑なな硬直をぶち壊して、思いもしなかった突破口を開ける。
仲間の価値は、集団として多様な状況に対応する柔軟性にこそある。
それを真実掴むためには、打算や教条で冷たく終わるのではなく、もっと柔らかな…命がけの知略線のさなかに、”ぱーん”とパンをもぐもぐ食べるような、生き生きした魂の繋がりが必要になってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月11日
エミリコはケイトに、それを届けてくれる存在だ。今回も可愛かったなぁ…。
エミリコが天真爛漫なだけで終わらず、かなり用意周到で賢い…ケイト的な存在になってる描写も、”仲間の価値”を語っていたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月11日
心で繋がった相手のようになりたいと願い、実際に自分を変えていける。
そんな喜ばしい変化は、亡霊には訪れなかった。
二人きり両手を繋いで、狭い隘路へ落ちていった
その結末が、次回描かれるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月11日
勝者たるケイトの未来が眩く、可能性に満ちているほど、間違えてしまった者たちに待つ闇は深く思える。
それでも、二人で堕ちていけるのなら幸福か。
それもまた、次回刻まれるべき傷なのだろう。
出口なき館で、彼女たちはどこを終わりと定めるのか。
次回も楽しみ
