プロセカイベスト”好きを描いて♪ レインボーキャンバス”を読む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月9日
職場体験で、幼稚園児に絵を教えることになった穂波。
独特の画風に悩む中、絵名との縁が繋がり…というお話。
教えるということ、表現することにドッシリ向き合った、大変良いイベストだった。
迷える絵名の現在地も、よく見える。
冒頭、雪平先生が相変わらずの調子でザックリ行く言葉に、絵名は傷つきつつ拒絶しない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月9日
その言葉の奥にどんな世界を見てて、自分がそこに近づくためにはどうしたら良いか、落ち着いて考えている。
挫折体験にズタズタにされ、心が乱れていたユニスト最初期では、絶対できなかった対応だろう。
さんざん傷つき自己を否定し、承認欲求の危ない罠にも落ちかけた上で、運命の出会いを果たして、今の絵名がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月9日
仲間に恥じない絵を仕上げるために、一度は背中を向けた絵画教室に向き合い、自分の至らなさを噛み締めつつ、他人の気持ちに目線を向けながら進んできた。
絵名は物わかりが悪くエゴが強い人なので、現在の境涯に至るまでは長く荒れた道だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月9日
だからこそ今回”先輩”として、穂波とえむを教え導く姿に、安心と納得がある。
色々失敗してきて、笑われる辛さを知っているからこそ、絵名は色んな人に的確な教え方が出来る。
それは優しい気持ちだけでなく、的確な技術と審美眼、相手が書きたいものを解る画家の眼を、絵名がもっているから出来ることだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月9日
がむしゃらに上手くなりたいと、フラフラ身体をぶつけながら進んできた絵名の画道。
その一歩一歩が、いい先輩、いい先生である足場になっている。
他人の立場と気持ちをわかろうとする優しさ、辛い混乱に道を付けれる技術。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月9日
これは絵名がニーゴの戦友たちと出会い、ファミレスで喋ったり、一緒に作品を作ったり、死の淵に必死で手を伸ばしたりする中で鍛え上げた、彼女の財産だ。
ニーゴの仲間が大事だから、優しく上手くなりたかった。
その必死な足掻きは、ニーゴの外側に身を乗り出したとき、とても豊かで強いものとして他人を助ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月9日
そんな”先輩”っぷりが、なんだかとても嬉しく泣けた。
ユニットの内側からは見えにくいものが、グッと彫りを深めるので、交流エピはありがたい。
穂波と縁が深まるハブとして、奏が仕事してたのも好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月9日
救済願望に背中を押され、内に内にこもりがちだった奏だが、多くない接点を大事に、色んなものを思い出しながら、誰かと誰かを繋げる事が出来るようになってきている。
歌があっても、なくてもだ。
クリエイティブを伴わない、素裸の宵崎奏が穂波と絵名をつなげ、今回の出会いが生まれたことは、歌だけが彼女の存在意義ではないのだと僕に教えてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月9日
無論、”ニーゴの奏”は強く大切な存在で、でもそうでなくても、奏はそこにいる。
誰かと繋がっていて、誰かを繋げられる。
それを確認できた。
ワリと万能選手な穂波がぶっ飛び画伯だったのは意外だったが、当人にはシリアスな傷である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月9日
笑顔の天使に思える子だって、嘲笑われて傷つかないわけではない。
このお話がずっと描いてきたことだし、聖母扱いされがちな穂波のそういうナイーブさを、前に出してきたのはありがたい。
後に個性の発露で乗り越えられていく、記号を組み合わせて描く『相手に伝わる絵』。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月9日
ともすれば価値の低いものとして扱われそうだが、定形表現をトレースすることで絵を通じた意思疎通が可能になり、穂波の自己肯定感が上がっていく様子をしっかり描いていた。
そこで終わってしまうのも正しくはないが、穂波の苦しさが『解ってもらえない』ことにある以上、絵名が教えた記号による絵画コミュニケーションは有用だし、有効でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月9日
自分には絵が描けるし、伝わる。
そういう実感を手渡されたことで、穂波は笑いながら描けるようになる。
絵が上手くなる以上に、そういう実感を穂波に与えたこと、結果絵が好きになれたことが、東雲先生何よりの功徳なのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月9日
そうして教えること、生徒に真摯に向き合うことで、絵名も答えの出なかった問題に導きを得て、自分を磨き直していく。
立場を変えて、相手の内側に入っていく努力。
わからない、出来ない立場に寄り添う中で、自分の中の難しさを解体し、真実を見つけていく体験。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月9日
”教える”という、一見権力勾配がハッキリして動かないように思える体験は、実は凄く相補的で、教えることは教えられることでもある。
そのためには、生徒に前のめりに、自分を預ける必要がある。
東雲先輩が穂波たちに親切に、真剣に教える体験がどこにあるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月9日
自分の辛さや、奏と穂波を重ねて共感する描写が多数あったことで、その源泉もよく見える。
『自分のすべてを、他人のために差し出せる人』で奏を想うの、マジでえななんK信者過ぎて面白いね…。”侵入”ってんじゃん宵崎奏がッ!!
絵名は自己防衛的に世界を狭くして、ジタバタエゴと身悶えしていた時代を経て、絵にも他人にも自分にも余裕を持って接することが出来るようになった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月9日
魂の血で描いた自分の絵を、他人がどう評価するのか。
その身を切られるような辛さを、少し遠ざけて見つめることが出来るようになってきた。
この客観が、他人を自分に引き寄せて考える余裕になり、自分の中に育まれた体験や知識、心意気や世界観を手渡すスペースにもなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月9日
一言でいえば、ニーゴでの体験を経て東雲絵名は、対人関係の適切距離を獲得しつつあるわけだ。
そうでなければ、善く教えることは難しいだろう。
今回教える立場になったことで、冷たく厳しく思える雪平先生の立場に、絵名は自分を引き寄せられるようになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月9日
導き伝えることの難しさと面白さ、一方的に思えた関係が豊かに繋がり合っていること。
実感としてそれを学んで、絵名の世界は広がり、絵はもっと良く、自由になっていく。
そうなることで、絵名はもっと自分を色んな人に分かってもらえるようになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月9日
どうすれば自分の見ているものを刻み、伝え、受け入れてもらえるか。
確かな技術を武器に、豊かな個性と感性を塗り込めながら、自分の作品をメッセージボトルとして、セカイという海に手渡すことができるようになる。
それが絵名個人で完結しない、他人と豊かに繋がり、”絵”という彼女が大好きで大事にしたいものの良さをより広く芽吹かせていく行いなのだということが、今回よく描かれていたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月9日
それぞれ形の違う”好き”を可視化し、共有し、みんなで楽しく笑い会える時間を作る。
そういう可能性が絵画と自分にあることを、絵名も穂波もえむも学んだから、今回の出会いは”次”に繋がっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月9日
絵を描くことは楽しくて、とても素敵だ。
”好き”だ。
あんだけ絵で辛い体験をした子が今、そう思えていることはある種の奇跡だと思う。善いことだ。
えむちゃんのエキセントリックな表層と、その奥にある必死な優しさを、東雲先輩が分かろうと努力し実際解ってる描写、凄く良かったな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月9日
キリキリ余裕がない段階だと、初見ではじき出しちゃうタイプの子だったと思うんだけども、そういう存在も噛み締めて自分の中に取り入れる余裕が絵名に生まれてる
この人格的成長は、ニーゴに揺蕩う爆弾…瑞希の秘密をどう受け止めるかにも、強くつながっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月9日
瑞希がいてくれたからこんなに強く優しく、好きなものを好きに描けるようになった絵名が、今度はニーゴの渉外担当、自分を押し殺し生きてる器用な仲間の重荷を、いくつか引き受けることになるのだろう
それは他人の人生だから、重たく痛い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月9日
でもそれを引き受けられないほうが、今の絵名には辛いだろう。
そしてその重さを背負ってなお、歯を食いしばって背筋を伸ばし、正しいことを告げれる強さが今の東雲先輩にあることを、今回のイベストはよく示してくれた。
ナイス面倒見…桃井みたいでやんした…
今回ほなえむに接する時の穏やかな態度が、序盤取り繕っていた外面の良さではなく、出会う人との縁を不用意に切らないよう考えた結果なのが、俺は嬉しかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月9日
ガワだけ整えて、都合の良い結果をもぎ取る。
そういう浅ましい生き方は、もう遠いところにあんだよなー…。
プロセカ一のホッコリ太陽、ほなえむがキャッキャしてたのも大変良かったですね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月9日
レオニだと凸凹人間たちを後ろから支える立場になりがちなので、先輩に弱みを預けて色々悩む姿見れたの、ほんと良かったな。
いろんな環境で、いろんな顔を見せれる。
それが人間にとって、結構大事なんだろう。
というわけで、大変良いお話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月9日
教えることの難しさ、それに本気で向き合うことで得れる糧。
今の絵名は、そういうものに向き合える足腰をしっかり持っているのだと教えてくれるエピソードでした。
この優しい強さ、鋭い賢さを抱えて絵名とニーゴがどこに行くのかも、大変楽しみです。