アイドリッシュセブン Third BEAT!を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
鮮烈なデビューを飾ったŹOOĻと、TRIGGER周辺に巻き起こるスキャンダル。
了が張り巡らせた悪意の蜘蛛の巣は、十重二十重に偶像達を絡め取る。
観客が、アイドルが、傀儡糸に操られた先で見るのは夢色した闇か、重苦しい脚光か。
そんな感じの一年ぶりだな待たせたな! 偶像殺油地獄後半戦堂々スタート!! である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
了さんのろくでなし力と、ŹOOĻくんそれぞれの輪郭を丁寧に彫って助走を終え、さて周りを巻き込んで本格的に地獄に真っ逆さま。
それがこっからのお話であると、堂々YAKUZAが拉致監禁キメて告げてきた。良いねぇ…。
このお話下劣で愚鈍な人間存在を書きつつ、そんな泥をはねのけて高く飛ぶ理想を常時信じている話なので、現実なるものの引力に負けて地べたを這いずる行為は、勝着になりえない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
どんだけ苦しくても、強く優しく気高くいられる存在…非人間的ながら血の通った偶像が強いのだ。
なので人間の下劣さを利用し、積極的に自分も堕ちてる了さんと、彼に引剥られて奈落に落ちてくŹOOĻくん達の未来は、明るくみえて暗いと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
夢破れ現実に傷つけられ、自分も”現実的”になろうと汚れて。
自分がそうされたように、他人を踏みつけにした対価は高くつくだろう。
そう考えると、露骨な”タメ”であるスキャンダル攻撃フェイズも余裕で食える…わけでもなく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
ディストートの効いた音響、華やかさの奥にドス黒い闇を強調してくる演出が、生理的不安を上手く煽って、こちらを揺すぶり苛立たせる。
こんな事、される子たちじゃない。
今まで見てくりゃ、自然そう思う。
しかし彼らが銭稼いでる世間様には、若くて綺麗で輝いてる星が泥に塗れるさまを見て、浮世の憂さを晴らす…晴らさざるを得ない弱い人間で満ちている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
そういう連中に餌を与えるのも芸能の仕事と、了さんなら開き直る所だろうけども。
英雄の堕落は、いつだって庶民の娯楽である。
そんな根源的不快感と、生っぽい世間の手触りが本格的に牙を剥き、ŹOOĻがあっという間に売れてTRIGGERがあっという間に堕ちていく、乱高下のエピソードである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
この世間の泥、人間のどうしようもなさを描いた先で、偶像は何を選ぶのか。
そこが、今後一番の楽しみであるね。
了さんはメディアの使い方が上手く、手駒をのし上がらせ敵を押しのける武器として、カメラを活用する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
衝撃のゲリラライブから即座に導線を引いて、スムーズにファン活動に移れるよう、勝てる環境を用意しておく。
(画像は”アイドリッシュセブン Third BEAT!”第14話から引用) pic.twitter.com/fmQ8JwRsqK
そんな経営者としてのまっとうな手腕だけでなく、スキャンダルを捏造し、大衆が求める毒を撒いて結果を引き寄せもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
ŹOOĻが一面を飾る新聞が”上”で、龍ノ介のスクープが表紙の週刊誌が”下”。
現状を上手く切り取るカットである。
TRIGGERは否応なく、こういう場所に押し込まれている。
早乙女親父も結構なゲスであったが、魂の芯に譲れぬ一線を残している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
自分をハメる罠と知りつつ(だから、助成スタッフで隣を固める配慮も見せる)、”人命”が乗るなら進むしかない。
そういう決断を果たした結果、貪欲な機械の眼で足場を食いちぎられても行く。
後にミスター下岡の番組でも強調される、ファン/視聴者/消費者の様々な視線。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
TRIGGERを信じ、その人間性を身近に感じて応援する人達もいれば、ゲスな醜聞を娯楽と酒のつまみに楽しむ人もいる。
そういう人たち全員から金を巻き上げ、成立している芸能界…あるいはより広く”世間”。
カメラ・アイの冷ややかな描き方は、その凶暴な視線に常にアイドルたちが晒されている現実を示す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
了さんの悪意は無論個人的な欲望に満ちているが、同時に泥に塗れた広い世間の、否定し得ない一部分に後押しされて成立もしている。
世の中、確かにそんなもん…なのか?
それを問いただすには、行く所まで行くしかない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
だから了さんには、綺麗でいる強さがなかった当たり前の凡人代表として、たっぷり暴れて沢山ヒドイことをして欲しい。
それが激しく嘘がないほど、嵐に潰されず立ち上がる人達の輝き、真実らしさは強くなるからだ。
徹底して世間の低みを泳ぐ了さんに対し、高く飛びすぎて人間の当たり前がわかんないのが、九条鷹匡である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
人間一人ぶっ潰してあの態度、そらー亥清くんも歪むわ…。
天と義父の関係は、ひどく捻れて危ういものとして描かれる。
(画像は”アイドリッシュセブン Third BEAT!”第14話から引用) pic.twitter.com/RGT1AymwoP
TVモニターに反射された虚像、手すりに遮断された関係性。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
天に指摘されるまで、鷹匡は自分の所業が鬼畜のそれだと気づかないし、指摘されても気にするのは『私を否定するのか?』である。
善悪の判断基準がない…というか、人倫から大きくズレている、背の高い子供。
怖い男である。
遺言状がテーブルに乗ってる異様な状況に、天は驚きつつ愕然とはしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
そういう、自分の存在を無意識にぞんざいに扱っての脅迫には、結構慣れっこなのだと思う。
養子として弟子として、鷹匡に導かれる立場にあるはずの天は、鷹匡の危うさを抱きしめるために、自分の手のひらを使う立場にいる。
いつ死んじゃうか分かんないし、他人を無邪気に壊してもしまう鷹匡を守るためには、天は彼の”親”でいなければいけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
愛し守り、導く立場に自分を置く間は、天兄は傷つきやすい子供であることを許されない。
ファンの前でも完璧な”九条天”を演じ、家庭でも捻くれた”親”の立場に立ち…
崇高なプライドと優れた資質で守り切るにしても、厳しすぎる状況だろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
これに加えてスキャンダル攻勢までのしかかるんだから、天兄も大変だ。
才能しか愛せない鷹匡の歪みは、才能の塊だったゼロが消えたことで、より強くなった。
その代理として全体重乗せられてる天兄の負荷、まぁ凄いね…。
幸福なる過去において、鷹匡はゼロを魂ある人間として扱えていたのか、それともその才能しか愛してなかったのか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
ここは結構気になる。
他人を尊重できれば、それをテコにして自分もより善い場所へ押し上げられるし、そういう敬愛に満ちた関係はここまでの物語で、幾度も描かれた。
虚無の魔術師にもそういう、人間が生きていくために絶対必要な杖が活きてた時間が、あったのかなかったのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
鷹匡個人の救済より、それに巻き込まれて色んなモノ捨ててる天兄の未来のために、暗黒の始原は見たい。
…けど、ゼロ語る時ってアイナナ終わる時だろうから、ずっと先だろうなぁ。
こちらは未来に炸裂する爆弾として、”現実”に埋め込まれた了の悪意はすぐさま破裂していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
ミスター下岡の”仕事”が巻き起こす波紋と、それが試す嘘つきのプロフェッション。
そうする以外に生き残る道はないから、道化の顔で笑顔を作る
(画像は”アイドリッシュセブン Third BEAT!”第14話から引用) pic.twitter.com/BGTFKIBo5Y
下岡さんも複雑怪奇な業界力学の果てに、八乙女親父のスキャンダルを擦る爆弾を落とした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
三月がことさら戯けた仕草で楽を背中にかばい、獣の目を電波には乗せないファインプレー。
その造られた…下岡さん自身が鍛えたプロの技を受けて、一瞬見せるホッとした表情。
道化師のマスケラの奥、人間の目
これをオモテに晒さないことで、軽く明るく楽しく消費できる”バラエティ”は成立している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
何もかもが洒落で、一瞬だけ楽しくて、その憂さ晴らしがあるから長く重い人生に耐えられるような、心地よい嘘。
それを壊さぬように作り上げることに、司会業はプライドを持つ。
洒落が洒落になる形を守るための、瞬発力と演技力、広い視野。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
MCとしての成長は、こんな寂しい場面で描かれるべきものではなかろう。
しかしこういう形で発露してしまうのが、アイナナというお話でもある。
から騒ぎが激しいほど、その奥に滲む人の顔は痛みに満ちて、舞台はどこか寂しい。
そんな妙味がよく滲んで、とても好きなシーンである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
三月の助け舟に調子を取り戻して、楽も戯けた顔作って”バラエティ”守るの、寂しくも気高いな、と思う。
こういう人間のギリギリで構築されてる嘘を、蕩尽することで成り立つ商売の、泥まみれの尊厳。
そこを土足で踏みにじれるから、月雲了という男は怖い。そして、哀れでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
左遷食らってなお誇り高く、Re:valeとのこれまでとこれからに頭を下げる、背中のデケェプロデューサーさん。
最高の仲間を、悪く言って守る地位はない。
(画像は”アイドリッシュセブン Third BEAT!”第14話から引用) pic.twitter.com/EBVQDQ9fxD
”嘘”を売ることで家族と弟子を護った下岡さんと、”本当”を守ることで飛ばされるプロデューサーを同じ話に置くことで、了が何を踏みつけにしているか良く分かる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
そらーRe:valeもブチギレ寸前だよ! って感じだが、了さんとŹOOĻには(まだ)この熱が届かない。
高くた冷えた場所で、悪意を研ぐ。
若い感性を他人に踏みつけにされて、『俺も踏む側に回ったらぁ!』とŹOOĻに入った子らは、復讐の甘さに酔っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
露骨犯罪な追い落とし計画を聞いても、立ち止まるどころか呼び出しに加担し、自分の魂を汚していく。
そのツケは、多分高く付く。とんでもなく。
冒頭、ファンの子が狗丸くんが”NO_MADのトウマ”であると気づいてる描写があるの、残酷だなぁと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
当人は終わり果ててそれでも復讐せずにはいられない過去と思っているのは、内情もアーティストの個人的感情も知らない”ファン”にとっては、まだ生きてる。
それを救いと前に進めるモノもいるし、気づかず後ろ足で砂をかけてしまうモノもいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
色んな人が、この綺麗で汚い場所にはいるのだ。
常に上と前を向いて、真っ当な勝負を繰り広げてきたアイドルたちの足元広がる、貪欲な泥。
了さんはそれを利して、拉致監禁の暴挙に挑む。始まったばっかだぞ!
『開始(はじ)まったからこそ、全壊フルスロットルじゃんよ!』と、アニナナらしいパンチを食らうスタートとなりました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
これまでも不法侵入暴行未遂、色々あったアイナナですが、直球にYAKUZA出てきて、なんか面白くなっちゃった…。
こっから救出のヒートアクションが暴れるのか…
はたまた了さんの奸計が、TRIGGERを完全に地に落とすのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
初手から見逃せない展開になってきて、大変いい感じです。
ŹOOĻくんの鮮烈デビュー、実力でもぎ取った部分とメディア戦略による虚像が半々ってところだから、これを本物に出来るかは当人の闘い…
なんだけども、了さんの悪意に抵抗せず流され、泥すすってでも成功という復讐を果たす姿勢には、アイドルの女神様は微笑まないだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
この子らがどこまで浮かび上がって、どう地べたに叩きつけられて、どう這い上がるか。
動き出したアニナナは初手から本気、次回も楽しみ!!