プロセカイベスト”この祭りに夕闇色も”を読む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
朝比奈まふゆ、渋谷の祭りに青春を駆ける! という感じの、二周年記念大型エピソード。
全ユニット参加の横幅広いお話だが、縁を広げていく今までの周年エピより、まふゆの内面に深く入り込んでいく縦の動きが強い。
今回はニーゴ以外の各ユニットが、シブフェスのステージに自分から名乗り出たアマチュアとして、ワンダショだけは依頼を受けたプロとして挑む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
職業としてのステージ表現に、どのユニットが一番近いか、現在位置を可視化するエピソードでもあった。
四ユニットが挑む”現実”と、ニーゴの主戦場は違う。
ハンドルネームで顔を出さず、電子の世界に自分たちの作品を投げかける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
そういう戦いをしている夕闇色ユニットも、音楽が人を繋ぐ祭りに参加出来る。
そういう意味合いを持ったサブタイトルかと思う。
そして夕闇色は、まふゆの色でもある。
各ユニットここまでの歩みを叩きつけるように、楽しそうに全力で自分達のステージに挑んでいて、なかなか眩しかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
同時に”祭り”という開けた場の力を借りて、色んな人達の交流が起こるのも楽しい。
今まで接点なかった連中に、強めの化学反応が起こるのも周年エピの強みか。
ますます包囲網を狭める母の檻に、知らず息苦しさを感じつつ反抗の方法を知らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
まふゆは哀しいほどに優等生で、しかし自分では気づかない律動が胸に芽生えつつもある。
ちょっとだけ嘘を付いて、ボランティアを隠れ蓑に友達と楽しい時間を過ごしたい。
そんな”悪い子”な自分に、踏み出しもする。
まふゆは舞台に立つ人たちが夢に燃え、仲間とともに眩しく走っている様子を、遠く見つめる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
人当たりの良い外面を(お母さんの望むまま)被って、良くわからない感情が渦を巻く現状に困惑しつつ、それをなかなか表に出せない。
しかし、確かに強く揺れている。
夢、優しさ、感謝、救いと癒やし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
まふゆを人格ズタズタの人形の虚無から、ちょっとは自分の顔が見える人間にするための光は、今回だんだん形が見えてくる。
誰もいない世界で、なにもないまま消えようと思っていた子は、自分の中で蘇る熱に困惑し、その名前をつけれない。
でも色んな人がそんな幼い当惑をちゃんと見守っていて、どうにか笑顔になってほしいと気をもみ、お節介をする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
ニーゴにフェスの話を持ち込んだ瑞希が、ありえんほどまふゆの特質に気を配り、何が彼女に良いのか考えて手渡してるの、”人格”としか言いようがねぇ。
”本当の笑顔”に敏感なセンサーを持ってるえむちゃんも、朝比奈センパイが心から笑えるよう頑張る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
あの時フェニランのステージで、気負いすぎて硬くなるほどまふゆの事想っていたの、後出しで補足してくるのズルかった。
”ある”なぁ、まふえむ…。
そこに今回、類という新たなファクターが加わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
まふゆと並ぶほど頭がいい彼は、賢いが故の虚無をかつて抱えて、ギリギリ孤独に落ちる所を今の仲間に引っ張り上げられ、体ごとぶつかってもらって、視野を大きく広げた。
どれだけ賢くても、勝手に他人の内面を図ってはいけない。
そう己を戒めるくらい、世界と人間の計り知れなさ、それ故の面白さを自分に引き寄せている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
それは孤独だと思っていた自分の夢が、実は他人の存在を不可欠に求め、だからこそ想像以上に膨らんでいくものだと、思い知ったからだ。
一緒に高みを目指してくれる仲間は、今僕の隣りにいる。
そんな実感が類から孤独な怯えを剥ぎ取って、貪欲で誠実な青年を生み出した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
そんな経験があるから、えむちゃんがめっちゃ気にかけてる笑顔のマリオネットが、どんな人なのかよく見る。
自分と似て賢く、虚無的で、その闇色に夢の輝きを残してるのだと、まふゆ本人より的確に見抜く。
どんなに賢くても、自分のことは一番見えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
類はそれを既によく知っていて、まふゆはそれが良くわからない。
良くわからないから不安だし、バブバブ彷徨うし、誰かに助けも求める。
そしてここまで必死に、死にたい消えたい気持ちを戦いながら進んだ道は、迷いを受け止める掌を用意している。
類くんが自分の実感を込めて、まふゆに届くよう祈りながら”夢”について語る場面は、賢すぎて無器用な二人の未成熟と、幼いままではいられない身じろぎが強く感じられ、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
賢く醒めたままの類だったら、自分のハラワタ晒すような言葉を、初対面の人間にはかけなかったと思う。
でも類くんは、完璧に見えるまふゆの中に自分とあまりにも似た弱さと迷いを的確に見つけて、放っておけなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
自分自身、色んな人に鏡になってもらって、時に全力でぶつかって初めて、自分の夢の形が見えたのだから、今度は自分が光を向ける。
そういう、お互い様を見過ごせない青年なのだ。
そんな二人の邂逅を、クールで怜悧に思える暁人がガンガンにアシストしていたのも染みた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
ぶっきらぼうに見えてめちゃくちゃ優しいので、自分と同じくらい本気でやってると解る相手には敬意を抱くし、救いの手も差し出す。
そういう暖かな部分が今回濃くて、凄く良かった。
類くんと向き合う時、スゲーバチバチしてるのが良いんだよな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
スカした態度が気に食わねぇ、上から目線で見透かそうとすんな。
そういう反発を自然と表に出しつつ、どっかに『アイツはすげぇ』って思いが宿ってる。
そう思える相手がユニット外にいるの、豊かでいいなと思う。
祭りで色んな人の夢に触れ、自分に湧き上がる不定形の熱を意識する中で、だんだんまふゆは素になっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
虚無的で、溌溂となんてしてなくて、夕闇色の本性が隠せなくなってくる。
それが表に出れば、(お母さんが望むような)みんなに好かれる自分では、いられないから。
人当たりの良いペルソナを作って(えむちゃんにはその奥の闇を見透かされビビられ)て来た努力が、維持できなくなってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
その震えが、僕には凄く良かった。
本性と外面の乖離、自分がどんな存在なのか分からなくなる分断こそが、まふゆを虚無に落としてきた。
暗くてなんにもない、だから消えたい自分を隠さなくていい場所を、ネットの中に見つけられた結果、まふゆはギリギリを生きてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
人当たりの良い外面付けなくても、素顔のまふゆを好きになった人たちと、曲作ったり桜見に行ったりした結果、ちょっとずつ傀儡の糸が切れてきた。
それは母からの離脱を意味し、奴隷の立場である意味安定していた立場と心を、大きく揺らす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
でももう人形ではいられないまふゆがここから先に進む上で、夕闇色の自分をニーゴ以外の人間に、一瞬でも見せられた意味は大きいと思う。
”自分”を隠さなくていいし、隠してはいられない。
そうなってしまうくらい、朝比奈まふゆの魂は息を吹き返しているのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
そうなるまで揺さぶったのは類くんの言葉とステージだし、この祭りにまふゆを連れ出した、沢山の友達の助けであり。
ズタズタになりながら必死に生きてきた、まふゆ自身の闘いでもある。
何もないと嘯きつつ、気づけば色んな縁が結びついてうまれた、朝比奈まふゆの”今”。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
それをしっかり描くエピソードであった。
色んな出会いを思い出し、そのかけがえないありがたさを描きつつも、最終的に奏との連弾に全てが集約するあたり、圧倒的につえーな”ここ”は…。
まふゆが笑ったり、したいことを表に出した時、ニーゴの仲間たちが本当に嬉しそうに、優しく微笑むのが好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
色々ぶっ壊れた部分があるからこそ、真夜中の電脳空間に集った傷追い人は、ぶっ壊れているからこそそれが治り、本当に望んでいたものが蘇る瞬間が嬉しい。
道程は長い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
まふゆの壊れ方は凄い長い時間をかけ、身近だからこそ逃げれない圧力によって魂のネジ一つ、心のリベット一個ずつぶっ壊された結果だ。
それでも魂は何か、己が生きている瞬間、生きてて嬉しいと思える”今”を、傷だらけで求めてしまう。
その必死さが生み出す詩と叫びをよく知ってるから、ニーゴの仲間たちはまふゆが笑うと、本当に嬉しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
それはどっかの誰かが定めた『正しい生き方』ってのに従ってるからではなく、本当に大事な友だちが、ちょっとずつぶっ壊れた部分を治して、それで自分もちょっと治るからだ。
誰もいない、なにもないと思っていたセカイには、純粋無垢な子どもとか、皮肉屋の破壊者とか、優しき観察者とか、色んな魂が集っていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
セカイで一足先に確かめてきた、虚無に消え果てたようでなーんも死に絶えてない、豊かで貪欲な朝比奈まふゆの魂を、まふゆ自身認識しつつある。
それは知らない(ってことにしないと、望みを殺される日々に耐えられないほど辛い)感覚であり、ずっと間近にあり、でも殺してきた想いだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
見知らぬものだから見つめると不安になるし、自分の根っこから生えてきたものだから、どれだけなかったコトにしようとしても、消えてはくれない。
そういうややこしくて大事なものと向き合い、進みだした先には、メチャクチャキツい戦いが待ってる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
朝比奈母の愛という檻、その陰湿と執拗を描く筆は脂が乗りまくってて、生っぽく怖い。
『いるわ…こういう人…』と『いて欲しくないわ…こういう人…』の、イヤーな同居ね。
自分の描いた理想で娘を窒息させるのを、罪とも悪とも欠片も思わない人だから、まふゆが見つけた夢には絶対反対するだろうし、もう一度殺しに来ると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
その時生き延びて自分を殺さず、夢を護るためには味方が絶対必要だ。
今回描かれた大事な仲間と、強いまふゆ自身が。
幼く脆く見えつつ、人生に挑む戦士としてのタフさ、連帯という強さは既に、まふゆの中にある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
そういう事を静かに告げてくれるエピソードでもあって、慄きつつも少し、安心した。
あそこでピアノの音を聞き、隣りに座って一緒に奏てくれる人がいるのなら、こっから先の嵐にも勝てる…かも?
そんな風に思えるエピソードだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
周年エピらしく色んなキャラが出てきて、今まで作った縁を思い出しつつ触れ合う様子もたくさん見れて、凄く良かった。
やっぱ絵名センパイにめっちゃ懐いてるえむちゃん、教えてもらった喜びに積極的に飛び込んでる穂波見るの、最高にいいな…。
周囲の都合のいいペルソナを偽造できるくらい、賢く自分も他人も客観視出来る知性って、まふゆと類にしかないと思うんだよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月3日
そんな虚無を知る者同士が響き合ったことが、ここからどんな未来に繋がるのか。
二年目以降のプロセカも、とても楽しくなりそうです。さー朝比奈家って地獄が待ってるぞッ!