ぼっち・ざ・ろっく! を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
自意識満載ギター奇人後藤ひとり、地元金沢八景に青春を鞘走るッ! という感じの、ぼざろ第6話。
かなりガチ目なアル中ベーシストとの出会いが、下北と”結束バンド”を離れた所でぼっちの可能性を開花させる、結構大事な結節点。
思い込みで敵を作っていたぼっちが、人生経験豊富な先輩にに導かれて、目を片方だけ開けてギターと自分と世界を見れるようになった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
結果だけまとめるとキラキラ青春バンドアニメの王道なんだが、話の真ん中にいるのが輪郭溶けたアメーバ美少女と、四六時中鬼殺しゴクゴクマンだからな…。
ハチャメチャながら彼女らしい人生の転がり方をしてて、今回得たものを”STARRY”に持ち帰った時何が起こるか、結構楽しみでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
酒乱と対人恐怖症、CP沢山獲得してる系女子の奇行の合間合間に、後藤ひとりの現状を素直に見つめて心配する仲間も描かれているの、フェアな筆だった。
というわけで芸事の女神・弁財天が見守る中、ぼっちは今日も自意識と格闘していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
前回シリアス多めでお送りした反動か、きらら美少女を無脊椎動物に堕とす筆はいつも以上に元気で、色んな崩れ方したぼっちを堪能。
やっぱコレだねッ!
(画像は”ぼっち・ざ・ろっく!”第6話より引用) pic.twitter.com/k1r2uxRoJ9
いや実際、実写取り込みに初期CG風味、色んな表現手段をアバンギャルドに駆使して、四方八方から後藤ひとりの壊れ方を楽しく、的確に届けようとする表現の工夫は、このお話の刺さり方に強く貢献してると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
ゲラゲラ笑いながら『あ、この子マジヤバいんだな…』と理解るのは偉い。
このヤバさは肥大化した自意識が、客観的な世界(に含まれる、客観視された自分)への扉を塞いでしまって、他人も自分も思い込みで勝手に塗りたくっている事が根っこにある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
惨めな気持ちで自分を傷つける世界を閉ざして、他者への恐怖を増幅させて、ビビって逃げて震えて走る。
それでも完全な逃避ではなく、ギターを使った自己実現と、それをテコにして他人と世界にモテる夢を抱えているのは、自己愛がまだ死にきっていない証拠でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
ここら辺、家族との触れ合いがギリギリの救いなんだろうな…。
本当の私は、もっとモテて良いはず!
そういう確信が、後藤ひとりにはある
しかし現実のひとりはクラスの腫れ物扱い、モテる以前に自分も他人も繋がり方すら解んねぇブルブル小動物である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
この理想と実態のギャップがひとりを更に傷つけ、思い込みの檻に閉じこもって自己愛を守るループを生み出しているわけだが…そこに酒クセェ息吐きながら、珍妙女が大乱入ッ!!
酒気に浮かされた長広舌垂れ流しながら、あんまりにもスムーズに”鬼殺し”プスーする初登場が、『あ、かなり良くないタイプの依存症患者だ。アルコールをコミュニケーション補助装置、美味しい食材ではなく、向精神薬理として消費してるタイプ』と教える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
(画像は”ぼっち・ざ・ろっく!”第6話より引用) pic.twitter.com/x5zmM87nMx
ここのナチュラルなタメのなさが、『陽の高い内から』『パブリックな場所で』『初対面の未成年の前で』アルコールを飲み干すという、全てにおいて一発赤点な酒クズっぷりを教える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
マジで真っ昼間から構えることなくガブガブくん過ぎて、『オメーが行くのはライブハウスじゃなく断酒会!』って感じ。
しかし音楽に関しては奇妙な熱量を宿し、(当然)自分に背を向けたぼっちの手を取り、奇縁を繋ごうと追いすがる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
散々ヤバ力見せつけられた後、『でもそうして稼いだCPは、全部音楽に突っ込んでるんです!』と見せてくるキリリ顔のギャップ…この見せ方は、前回のぼっちと同じか。
今回のお話、クリーンな状態のきくりが一度も登場しない(!)ので、彼女の積極性がどんだけ、血液を満たす精神高揚薬理によるものかは分からんけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
酩酊が下げたコミュニケーションのハードルと、世界への不安感は、思いの方生真面目でいい方向に転がっていく。
どアル中との奇妙な金沢八景二人旅を追いつつ、お話は時折、下北沢の三人を切り取る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
ぼっちが勝手に生み出し、呪われている脳内のイメージから離れたところに”結束バンド”の仲間はいて、後藤ひとりがどんな人間か、かなり冷静に暖かく受け入れてる。
(画像は”ぼっち・ざ・ろっく!”第6話より引用) pic.twitter.com/ReqfkVnXPp
『ノルマ達成できなかったら見捨てられるんだ…あの三人はそういう人間なんだッ!』と、勝手に無礼カマす後藤ひとりを、三人は『面白い!』と受け取り心配している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
勝手に生み出したネガティブな評価にすら、届いていないコミュニケーションの不全を、惜しいと思いつつ本人の代わりに見据えている。
きらら菩薩・伊地知虹夏がぶち開けた風穴を通って、三人は生身の後藤ひとりがどんな人間か既に知っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
ひとり自身、”結束バンド”の一員として喜多ちゃんの先生として、妄想じゃない生身の自分を伝える行いを、既に果たしているのに、その事実を客観視出来てない。
喜多ちゃんがいかにもバンドマンっぽく、手持ち無沙汰をワンフレーズで埋めてる様子がサラッと描かれて、ぼっちが何を手渡して育てたのか、ある種の答え合わせが行われているのは面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
あの爪弾きは、生身の後藤ひとりが他人と触れ合わなきゃ、形になってない。
ぼっちの自意識は他人を勝手にジャッジして、世界を怯え遠ざけると同時に、自分自身が何をしているのかも塞いでしまっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
喜多ちゃんはぼっち先生が自分とギターを仲良しにしてくれた恩を、真っ直ぐ見つめてるから、後藤ひとりが好きで大事だ。
同じ目線で、後藤ひとりは後藤ひとりを見れてない。
それは薄暗い押し入れの中で発酵させた、なかなか変わってくれない歪さ故であり、この壊れ方とどう付き合っていくか、ギターを相棒に青春闘争を挑む話でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
ぼっちと同質で、アルコール入ったせいで更に壊れた、きくりの在り方。
(画像は”ぼっち・ざ・ろっく!”第6話より引用) pic.twitter.com/VndyHvXqp2
形のない不安を酩酊でごまかす、間違いなく人間廃業ルートなお酒との付き合い方はしかし、ロックンローラーを世界に向かって押し出す、強いエンジンにはなっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
だから急にえっちな空気出すと、ゴミカス人間とのギャップが凄くて困るんですってッ!
つか後藤…なぜ赤らむ!?
きくりがピックじゃなくて”撥”使ってるの、彼女のエキセントリックなキャラクター性に良く噛み合ってるし、強キャラ力も醸し出されて大変良いと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
これがハッタリではなく、音一つで人生切り開けてしまうある種の自信があるから、ぼっちが尻込みする所で前に進む。
まぁ、八割酔ってるからだが…
ぼっち自身、自分とアルコールの相性が最悪に良いことを、目の前の反面教師から自覚し、ストロングな虚無流し込んで何もかもぶっ壊れちまう未来をリアルに想像できたのは、『バッドエンド一つ潰せてよかったね…』って感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
ホントなー…合法薬理としてアルコールを選ぶと、ああいう潰れ方するよ人生
きくりの実力は閉ざした瞳を超えて問答無用に届き、音楽にだけは嘘をつけない自意識爆裂人間は、片目だけ開けて世界を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
浴衣の名も知れぬお姉さん…アンタ”そこ”にいてくれたのかい…。
かくして金沢八景にも、明かりが二つ灯る。
(画像は”ぼっち・ざ・ろっく!”第6話より引用) pic.twitter.com/vApZ7D1zNo
ここメチャクチャシビアな場面でもあって、ずっと一緒に弾いてきた”結束バンド”の実力じゃ、この化学反応は生まれなかった、ということじゃない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
それが『敵を間違えるな』と、今一番ぼっちに必要な言葉を事前に貰っていたから刺さったのか、実力の差が生み出したものなのか…その両方か。
そこは判然としきらないけど、ぼっちを覆う妄念の檻をぶっ壊したのは、バンドの仲間じゃなくきくりなんだよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
三年間のギター修行で鍛えられたぼっちの耳は、否応なく本物を聞き分けてしまうし、同じく筋金入りのヤバい自意識には、本物以外届かない。
きくりのベースは、お眼鏡にかなったわけだ。
奇妙な出会いに開かされた目は、ぼっちが壊したいと願ってた檻でもあって、だから少女は目を開ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
眼の前にいる人々の笑顔、音を生み出す自分の手元をちゃんと見据えて、現実世界でもギターヒーローになる。
(画像は”ぼっち・ざ・ろっく!”第6話より引用) pic.twitter.com/40LRAA2VyG
やっぱ名もなき浴衣のお姉さんたちがあんまりにも”人間”過ぎて、こういう人との出会いも妄想に怯えてたぼっちは取り過ごしてきたんだな…と思わされた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
構えない人情、まことありがたい…。
でもそれは無条件な優しさというより、必死に弾こうとするぼっちの姿勢、それが生み出す音が生んだ宝物で。
それにはしっかり、値がつくのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
店長といいきくりといい、ぼっちが生み出す音の真価は年上が惚れ込んでて、バンドメンバーはやや上から”人間・後藤ひとり”を心配してる構図、歪でいいんだよな…。
無自覚にナメてたお世話相手が、ギターの怪物だとわかった時あの子、どんな顔するんだろう。
そこは話が始まったときからずっと気になってるポイントで、今回きくりと出会ったことで生まれた変化が、ぼっちを光の方へ押し出しても行くだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
スタート地点である弁財天前に戻ってきたけど、世界は太陽の下よりもっと輝いているまとめ方、綺麗に『行きて帰りし物語』してて好きだな。
この満点笑顔と空に咲く花火は、『ノルマをこなせた』という物質的達成よりも、『目を開けて弾いて、可能性に手を伸ばせた』という精神的充足が生み出しているものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
自意識の泥でのたくりまくる腐れ珍獣の足掻きが、面白くも強烈に描かれているからこそ、自己実現への一歩は切実に眩しい。
ぼっちはネガティブながら欲張りなエゴイストで、『こうなりたい、こうあるべき自分』ってのが強烈に根を張ってる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
これを引っ剥がして『今、こうである自分』を率直に認められないから、なりたい自分に進み出すことも出来なかったわけだが、バンドを始め人生が転がりだし、檻に風穴が空いてきてる。
それが必ずしも下北沢と”結束バンド”から生まれるのではなく、破天荒なベーシストが手を引いてくれた先で可能性に出会うこともあるのだと、世界観の横幅を広げる回でもありました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
そういう回でも、友達を心配し遠くで気にかけてくれてる仲間、ちゃんと書いてるの…フェアで良かったな。
個人的には本物の”音”じゃないと心が動き出さないぼっちの気質が見えて、今後の火種になりそうなのが良い感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
真実の後藤ひとりを知り学ぶには、優しい仲間が同じレベルまで這い上がる必要、結構なシビアさであるんだろうな…。
その硬くて苦い質感をアニメが切り取ってくれると、俺好みで嬉しい。
ロックンローラーの破天荒さを、アルコール漬けにビタビタ浸してきらら美少女に整形したきくりの存在感も爆裂で、再登場が今から楽しみです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
いいキャラだ……でもクリニックには行け!
ぼっちが地元で見つけた新しい風が、下北沢にどんな嵐を巻き起こすか。
次回も楽しみです。
追記 珍獣集めた美少女動物園の”芯”に、テーマに選んだものとキャラクターの呼応、それが生み出す青春の息吹がちゃんとあるのは、偉いし強いと感じてる。
ぼざろ追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
ぼっちが過剰自意識の魂妄想に勝手に囚われ人間なの、ロックが『思い込みをカチわる』音楽なの考えると、絶妙な主人公なんだと思う。
ぼっちが自分のヤバさを制御して”人間”になってく道のりは、ロックの本質に自分と世界を近づけていく歩みでもあって。
そうして無様にのたくり着く善くなっていて、生まれる音楽は世界に響いて、ギターを弾く後藤ひとりを認め、嘘でない存在にしてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月12日
そういう強い風を生み出す存在として、ロックンロールを描いてるのは、凄く良いなと思う。
カチ割れ自意識、とびだせ青春!
…令和の”青春デンデケデケデケ”なのね