菜なれ花なれ 第6話を見る。
二話連続で太陽小町の薄暗い部分にどっしり踏み込んだから、今週は温泉で気楽にハシャぐぜ! という、みなかみ町舞台のどローカルなお話。
スタウトレコード復活も軌道に乗って、ようやっとポンポンズの活動本格化…てタイミングなんだが、あくまでお軽い雰囲気のまま、仲良しチームが目一杯温泉郷を楽しんでいた。
冒頭、仲はいいんだけどもお互い好き勝手別の方向向きながら、なんとなく方向が定まって勢いよく流されていく感じが大変に良く、無印バンドリアニメ第6話を思い出したりした。
ゆにこ先生はああいう、ベクトル揃ってないけど心地よい間合いと呼吸をスケッチするの、マジで巧い。
話としては新生ポンポンズのテストケースというか、地域密着型チアチームが何をするのか、みなかみ町を探検しながら積み上げていく感じ。
プロポーズ寸前のバンジー青年とか、よろめくお婆ちゃんとか、降りれなくなったネコとか、メチャクチャ地道にチアしていた。
いわゆる”チア”とくくれる歌舞音曲だけでなく、フツーに手を差し伸べて困り事を解決する所も含めているのが、この話らしい定義の広さで好きである。
競技チアとの並び立ち方といい、あんま狭いところにメインテーマを押し込めたくないんだろうなぁ、と感じる。
まぁそのせいで、結構野放図な手触りにもなっているんだが…僕はそここそが良いと思う。
今回は旅行エピということで、恵深の車椅子をかなたが当たり前に押して、当たり前に一緒に温泉楽しんでる様子が沢山見れて良かった。
チアやりたいのにやれない彼女の難しさは、ともすればタブーになっちゃうもんだと思うけど、温かなお湯に壁を溶かされる形でそこら辺の事情に踏み込み、「気を使って遠ざけるのも、またチゲーな…」としみじみ、仲間たちが良い距離感を探る手助けに旅がなっていたの、凄く良かった。
ワクワク心躍る非日常に助けられて、いい感じに乗り越えられる壁ってのは確かにあって、それを超えればこそ深まる絆も、またある。
今回はそういう、ポンポンズが一歩深いところにお互いを入れていく歩みが見れた。
普段あんなワーワーキャーキャーうるさいのに、「ポンポンズ続けたかった」というピュアな気持ちを告げるのはマジ照れする杏那とか、それを受けて自然体でいられる居場所のありがたみを語る詩音ちゃんとか。
ジワーッと素顔が見えていい関係になっていく足取りがエピソードに写し取られてて、温泉のゆったりした空気と上手くマッチしていたと思う。
まぁCパートで、”ジワーッと”どころではない爆弾が、堂々投げ込まれたりもしたがなッ!
アレがなきゃ「ユルいけどイイ話だったね!」で綺麗に収まっていたものを…嵐の気配があれば風を吹かさずにいられない、綾奈ゆにこの”業(サガ)”を感じる。(最高)
今週も小父内さんは極めてフリーダムなパルクール妖精であったが、他の連中も負けず劣らずのチア妖怪であり、特に理由もなく己の人生を堪能し、他人の人生を元気づける子たちだと良く解った。
ヘンテコな連中がお互いの引力で引っ張られ合い、良いまとまり加減で誠実なヘンテコやってる姿は、僕にはとても好ましい。
デコボコながら波長が合ってるポンポンズの、尖った個性を沢山見れたのは良かったし、その尖り加減がいい具合にハマってて、肩の力が抜けてきた空気感も素晴らしい。
温泉旅行ってセッティングは、チーム結成とスタウトレコード救済を終えて、繋がりが緩く強くなってきてる彼女たちを書くのに、良い土台だった。
詩音ちゃんが家業である病院の様子をかなりよく見てて、そこにポンポンズの活動が染みてる手応えとか、”患者”である恵深の頑張りとかを受け取ってる描写、”家”とこのアニメがもつ独特の距離感が出てるなー、と感じる。
杏那エピをスタウトレコードという”家の外にある家”救済の物語にしたことで、血縁地縁に縛られた場所だけが”家”ではないと描いたこと含め、10代の少女たちがどこを宿り木に育っているのか、なんだかんだちゃんと書こうとしてる話だと感じる。
あるいはこの家庭サイズのローカル感と、群馬の土の匂いが上手く噛み合って、良いハーモニーを出しているのか。
ともあれ鷹ノ咲チア部とも合流して、湯を仲立ちにこっちとの絆も深まっていくわけだが、分かりやすいツンデレの外装しておいて、そういう部分じゃないキャラ性がどっかにぶっ飛んでる、華パイセンが相変わらず面白かった。
実在の旅館を舞台にしたエピソードで※テロップ乱発する野放図も含めて、スタンダードな青春萌え絵巻に見えてどっかぶっ壊れてる、このアニメの”らしさ”を象徴するようなキャラだと思う。
他メンの人となり…特に徹底して他人をナメない野苺部長の人徳が、恵深との交流から見えたのは大変良かった。
鷹ノ咲チア部を悪役にせず、別の道を進むチアの仲間だと描くやり方、使い方…やっぱ好きだな俺は。
チーム内部とも外部とも、温泉の湯気に温められて距離が縮まっていく回。
なんだが、そこからジャンプで距離を取ってるスーパーシャイガール・小父内さんの語らぬ内心を、色々慮りたくなるイン力が彼女にあるのは、やっぱ強いと思う。
小父内さんは生き方が可愛いので、むっつり何にも言わないで逃げてっちゃう裏側を、勝手に探って補完したくなっちゃうんだよなぁ…。
こういう前のめりを作れてるのは、作品の内側に見てるものを引き込んで振り回す強力な足場になっていくので、個人の魅力をうまく敷衍して使っている感じがある。
この勝手に振り回されて楽しい感じも、擬人化されたネコと付き合ってる手触りがあって好きだ。
んでその人型ネコチャンが、憧れた高嶺の花の指で絡められ水面に揺れるCパートですよ!
何なのあれ…怖いよォ!
マジレスするとフツーに名前呼びをお願いしたってことだと思うんだが、真夜中温泉に漂うムードと月下の水鏡という舞台装置を最大限に活かし、”清潔なインモラル”ともいうべき絶妙な空気を、省略故に生み出した技芸に飲み込まれてしまった。
小父内さんの秘めたる純情を、ダイレクトにミニキャラに喋らせる力技も交えて印象付けていたゆえに、ここでの関係性の変化はかなりズブリと腹に入る。
待ってたんだよ…こういう関係性の相転移を…。
付き合い長いのに、お互い知らない部分がまだまだある…けど、極めて魂の距離が近いという、杏那と穏花独特の間合い。
当たり前のように全身全霊の献身を手渡しつつ、湿り気も後ろめたさもないかなたと恵深の距離感。
(1+1)×3、合計六人の少女たちがそれぞれ違った繋がり方をしていて、そのどれもが興味深くチャーミングだってのは、とても良いことだ。
それを再確認も出来る、水上温泉ゆったり旅でした。
各カプの独自性と”味”がここに来て濃く感じられるの、作品独自のじっくりした足取りが聞いてきた感じもあって、大変いい感じです。
今回深めた親睦を足場に、もっと自由に高く翔ぶだろうポンポンズの物語を、僕もしっかり見届けたいと思いました。
次回も楽しみッ!