イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

UniteUp! -Uni:Birth-:第1話『もっとアイドルしないと』感想ツイートまとめ

 UniteUp! -Uni:Birth- 第1話を見る。

 二年前に一期が放送された、多次元音楽プロジェクトのアニメ版二期第一話。
 ぶっちゃけアニメでしか接点がないので、かなり久しぶりの再開となり「どういう話だったっけ…?」つうのがボヤケた感じで始まったが、ナイーブな画作りとガッチリ硬い話運びを咀嚼して、「ああこういう感じだった!」と思い出せる第1話だった。
 夢売り稼業の物語とは思えない、どこか遠さと静謐のある落ち着いた感じが懐かしくもあり、ユニット対抗戦という軸を入れた今後が楽しみでもある
 キャラの顔見世と一回目の掘り下げが終わった二期、何を書くのか、全然読めないのが面白い。

 僕はもともと牛嶋新一郎監督の画作りが好きなので、それをガッツリ食べられるこのアニメは、ありがたい作品だった。
 可愛い男の子がアイドル業界で成り上がっていく、アニオタの快楽原則に素直に寄り添う…というには、ちょっと神経質で静かにすぎる話運びは、ぶっちゃけ波長が合わないタイミングも結構あったけど、独特で好みの味がした。
 「ぜってー45秒じゃないだろ…」というツッコミが自然湧いてきてしまう、理念先行で体温が上がりきらない今回のオチも、なんかこのアニメらしくて可愛かった。
 最初と最後が繋がってる構図とかめっちゃ好きだけど、リレーに必要な切迫感全部ぶっ飛ぶピンチの作り方、ほんとスゴイわ…。

 

 

 

 

 

画像は”UniteUp! -Uni:Birth-”第1話より引用

 というわけで、誰かを背負って諦めない主人公の気質を、遠くに引いた美しい構図でバキバキ削り出していく、二期第1話である。
 明良くんはイメージカラーの通りの真っ直ぐな熱血少年なのに、彼の譲れぬ内面に潜っていく話がこうも繊細で遠い…ある種の冷たさすらある画面で綴られていくの、スゲーヘンテコで面白いなと思う。
 アイドルに青春捧げる連中を、絵画的なフレームに客観的に収めながら切り取っていくこの手つきが、定型な表現に流れていない心地よい異物感で、このアニメらしいなと思い出す。
 俺、このナイーブな書き方好きだなぁやっぱ…。

 話としては最初と最後で描くべきものは完結(あるいは連結)していて、どんな困難が襲いかかってきても、非効率的で正しくなくても、誰かを背負って戦うことを諦めたくない明良くんの思いを、改めて描くエピソードである。
 この熱血純情少年が見据えていないシビアでリアルなユニット格差を、どうにか乗り越えて夢の大舞台を勝ち取れるか…アイドル成り上がり伝説を駆け抜けていくかが、どうやら二期の焦点になっていきそうだ。
 そこには挫折も試練も待っていて、しかし前を向いて誰かを背負い全てを掴み事ができるという暗喩に、最初の一話を使った形…とも言えるか。
 なので抽象度の高い話運びと画作りは、適切だったなと感じもする。

 

 生き馬の目を抜くアイドル業界に、笑顔を作って走っていく当事者にしては、どっかぼんやり理想主義すぎる明良くん。
 そんな彼が明るい夢へと進み出していくシーンにしては、玄関のレイアウトは緊張感ありすぎだし、そこに宿る光は意味深に美しすぎる。
 この美麗な映像言語に張り合うくらい、少年たちのナイーブな内面に潜り込んで、楽しいだけじゃ終わらない重たさをゴリゴリ削り出していく作風でもあるので、ヘンテコながらマッチしていると僕は感じるわけだが。
 しかしもうちょい体温高く分かりやすいほうが、世間的にウケんじゃねぇかな…みたいな、余計な考えも頭をよぎる。
 どーなんだ、そこんところ実際。

 寝言はさておき、画面に宿るシリアスな湿り気は、”現実”なるものを見つめる季節に差し掛かっている少年の現状を上手く切り取る。
 俺は明らかヤリスギ感ある熱量でマブダチを支えてきた小デブがマジ好きなので、かっちゃんが第1話から顔見世してくれたのは嬉しかった。
 もはや彼の手を離れてアイドルの大空へ巣立った明良くんだが、かっちゃん無くしてKIKUNOYUなし。
 そんな彼も将来を見据え妥協を覚える年頃で、ガキっぽい夢をずっと抱えたまんまなおこちゃまは、ファンタジックな光の中に置き去りにされ続けている。
 その浮遊した特別さが、明良くんの”アイドル”としての個性でもある。
 なので新たなスタートでぶちかます作品の柱として、一話使ってしっかり描くぜッ!!

 

 志望校を妥協し未来への道を開く、極めて現実的なかっちゃんの選択が、明良くんにはどっか寂しい。
 何かを諦めて何かを掴むのが世間の習いだったとしても、自分だけは何もかも諦めず、全てを救って守りたいという、一度諦めかけたからこそ手放したくはない、ガキンチョの野望。
 その幼さをユニットの仲間も守りたいと願っていて、しかし現実は厳しい…という構図を可視化するべく、ユニット対決が用意されている感じもある。
 あくまで身内が用意したレディメイドの試練で、コントロール不可能な完全な理不尽じゃないところに、このアニメらしい制御の感覚を感じたりもするけどね。
 ここら辺の内実見えてくるのは、来週以降かな?

 デビューに至るまでの凸凹道を駆け抜け、初心だからこそ輝く超新星ユニットとしての絆も生まれてきて、ある程度の安定感を得たこの二期。
 全部を揺るがしひっくり返すようなハードコアな現実はまだ襲いかかってきてないし、この先も戦うことになるかは分からないながら、そうなったら一番頼れる武器になるだろう主人公の気概を、まず書こうとする第一話でした。
 俺は明良くんのとにかく真っ直ぐなヒロイズム、幼く純粋な世界認識と夢がかなり好きなので、それが元気だと解ったのは凄く良かったな。
 それが一度メキメキにへし折れ、誰かのエールでなんとか取り戻した、絆創膏付きの夢だってところも好きだ。

 

 何もかも諦めないと体で示すリレーでの奮戦が、どう考えても世界で一番のKIKUNOYUクレイジーなのにクールな態度を保とうとするかっちゃんの挑戦の、背中を押していくオチが良かった。
 俺はこのアニメ、愛が極まりすぎて頭のおかしい小デブが、純情美少年へのラブレターを素知らぬ顔で叩きつける物語だと思ってるフシがあるので、一番最初に二人の絆…ある種の恩返し書いてくれたのは嬉しかったんだよな。
 一見キレイに分かりやすい距離感に収まっているようでいて、よくよく見てみると何もかもがおかしく、美しく捻れている。
 そういうところが、やっぱ好きなんだ。

 こういう作品善さ(と僕が感じる部分)を、ヴィジュアル方面でガンガンに加速させていくナイーブな画作りもたっぷり堪能できて、大変良かった。
 パキパキ覽やすい3Dライブと、神経質でキマり過ぎてる日常の描線はぶっちゃけ完全には馴染んでない異物感を宿しているのだが、それがPROTOSTARが客の前で化ける瞬間を切り取ってる感じになってて、妙に面白い。
 一期での物語を経て一応”アイドル”になった彼らが、観客が求める顔を作れるようになってきてる証明として、あの良く仕上がって…だから微かに嘘っぽいステージは、妙なハマり方で作品にしっかり突き刺さっている。
 そう感じた。

 あるいは、思い出した…か。
 作品の善さだと自分が思っている部分が、相変わらず…以上に、既にある程度物語の地盤が踏み固められたからこそのやりたい放題で元気だと確かめられたの、嬉しい再会だったな。
 今後も男子アイドル群像劇の王道を突っ走るフリをしながら、どっか異様な映像詩学でナイーブな内省を叩きつけ続ける、ヘンテコアニメを頑張ってくれ!!
 俺はそれこそが好きなんだ!!

 

 自分の好みで作品の印象を染めすぎてるきらいは強いけども、やっぱこの奇妙でズレてて、だからこそしっくり来る感覚が妙に楽しくて。
 そういう”UniteUp!”と自分の距離感を、しっかり取り戻せる第一話だったと思います。

 明良くんにフォーカスしつつ、アイドルサバイバルレースつう、二期を貫通する柱を早い段階で明示してくれたこともありがたい。
 ガチっていく気配ムンムンだけど、sMiLeaはみんな仲良しだからなぁ…。
 事務所内部の勝負論一個で走り切るには、色々難しさもありそうなスタートですが、このアニメだけの煮込み方でそことも向き合ってくれるだろうと、思える二期第1話でした。
 次回も楽しみ!