イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

RINGING FATE:第3話『大熊師匠の秘密』感想ツイートまとめ

 戦いの果て全てを捧げるとしても、たった一つの願いのために。
 生前の因果と冥府の苛烈が亡者を苛むコロッセオの物語、さよなら大熊師匠…RINGING FATE第3話である。
 アクエリオンMoEもそーだけど、好きになれそうだったキャラ死ぬの早すぎるアニメ今期多くねッッ!!?

 というわけでメメント状態で青相手に最後の勝負を挑む師匠が、あまりにも実写過ぎる生前回想を思いっきりブチ込みながら、最後の炎を燃やして、己の物語を駆け抜けていった。
 あまりにも凄まじすぎるスピード感にビビりつつも、可愛い外見の奥にあるシビアで生っぽい手応えを受け取るには、かなりいい素材だったかなと思う。

 

 リ・ハオリン監督の前作”時光代理人”でも(特に一期において)顕著だった、中国ローカルの生々しい手触り。
 当たり前の生活に満ちた小さな幸せと、それを運命のローラーで轢き潰す理不尽のエグさ、病苦と借財が何もかも押し流していく生々しさ。
 実写回想に刻まれた師匠の過去には、冥界転生しようがかわいいプニケモになろうが消えない、人生の泥と微かな輝きが確かに宿っており、全てを失ってなお師匠が挑んだ戦いの有り様が、そういうモノで作品が動くルールを教えてくれた。
 もっと因業リセットされてる話かと思ったら、バリバリに過去生に縛られた亡者の話だったな…。
 この重たさ、土臭さが独特でいいつう話でもある。

 前回大変いい具合に構築した要ちゃんとの師弟関係は敗北でリセットされ、師匠は周囲の心配をよそに破滅が約束された戦いに挑み、娘に全てを捧げて輪廻に落ちる。
 闘技場でのバトルというフィルターを通して少し見えにくくなっているが、やってることは娘を生き残らせるための覚悟の自殺であり、一種の保険金詐欺みたいな壮絶さがあった。
 こんだけ捧げても青は最速で父のことを忘れているわけで、師匠が最後までしがみついた思い出は一方通行の自己満足、自分の体を生贄に娘を修羅に育てる業まみれの生き様だ。
 主役が白紙の記憶から作り出した関係性が、マジ届いてなさすぎてスゴイ。

 

 この師匠壮絶な末期を受けて、一瞬の触れ合いとはいえ思いをつないだ要ちゃんが、”空”での娘として実子である青と、どういう向き合い方していくのか。
 相当重たい因縁が生まれてしまってもいて、前回壮絶な覚悟を見せたプニプニ小娘の未来は、ドンドコ重たくなっていく。
 命を代償に転生ブッ込んだら、いい塩梅にリセットされてチートまで貰えてしまうJAPANの物語類型を、余裕でぶっ飛ばすシビアさが解っても来て、三話目にして作品との向き合い方を教えてもらった感じがある。

 流石リ・ハオリン作品…油断も隙もねぇな!
 今後はどんな理不尽が襲ってきても受け身が取れるよう、覚悟して見ることにします!

 

 

 

 

 

 

画像は”RINGING FATE”第3話より引用

 薄れゆく記憶の中、譲れぬたった一つをメモ帳に刻み込んで愚直に己を捧げる有り様とか、最後の戦いを前にフルアーマー大熊師匠で我が子を”完成”させにいくところとか、全てを忘れてなお刻まれた必殺の絶技とか、かっけーところも沢山あるのだが。
 根本的にはボクシングしか出来ねーダメダメ親父が、死んでなお残る後悔を手前勝手に燃やし、壮絶な自滅を遂げていく悲惨な話で、マジ重たい。
 やっぱ青にとってはとうに忘れた無縁の贈り物、生前の恨みを引き継いで父の思いはどこにも届かず、非情に打ち砕かれるつうのが、大変辛いね…。

 握った拳では世間を上手く泳げなかった父は、唯一自分に教えられるボクシングを青に手渡したわけだが、その技術で自分を殺させる以外の道を彼は思いつかなかったし、冥界コロッセオは許さない。
 今後もうちょいいい感じの抜け道が見つかるかもしれないが、勝手な自己犠牲で献身の意味も知らぬまま、過去を忘れた戦鬼が転生の門へ近づいていく過酷なルールに、師匠が不器用に向き合った結果でもある。
 他にどうにかならんかったのかと思うが、師匠はそういう人であり、要ちゃんとの出会いはそんなどん詰まりを開け得なかった…つう事なのだろう。
 む、無力…あんなに健気で可愛いのに…。

 

 記憶の消えっぷりから見るだに、カンがゼロになった師匠を待つ運命も全く容赦のないものになるだろう。
 師匠自身はそれを覚悟で己を捧げたわけだからまぁ良いけど、捧げられた青が父を思い出すわけでもなく、要ちゃん達は止められないまま眼の前で自滅された傷を抱えて冥府でまだ頑張んなきゃいけないわけで、なかなか無責任な終わらせ方だなぁ…とも思う。
 同時にそういう生き方しか出来なかった男が、自分だけのゴールに辿り着いた感じもあり、異様なコクと苦みの混じった味わいを口いっぱい頬張っている。
 この飲み込みきれない味わいが、多分作品の基本方針…なんだろうなぁ。

 要ちゃんの無邪気な可愛さがもうちょい救いのある結末を連れてきても良さそうなところで、自滅に向かって突き進む師匠にも、いの一番父を忘れた青にも、なんも出来ないまま最悪な冥界システムに良いようにされている流れも、んまースゴイ。
 ホントプニプニ可愛いアニメパートで(ちょっとだけ)誤魔化されているけど、勝ったやつしか救済に近づけず、敗者からは人間の尊厳も他人との絆も奪い去る冥府の容赦の無さは、シビアすぎてヤバい。
 同時にそれこそが冥府って場所であり、死んでなお奪い奪われの業から抜け出せない苛烈さは、ある種の重たい現実味をファンシーな作品に、深く突き刺してくる。

 

 要ちゃんの思いを顧みることもなく、自己満足気味に消えていく師匠は良いとして、残される主人公はこの消失にどんな傷を受け、どんな道を進んでいくのか。
 前回描かれた師匠との日々があったかかっただけに、それが彼の運命に影響を及ぼさなかった無力感とか、結局なんで青に執着したのか周りの人には分かんないまま終わっちゃう理不尽とか、深く刺さりそうだ。
 そしてこの鋭い痛みが、冥府のコロッセオで負けるということが何を意味するのか、鮮明に教えもする。
 どーしよ…解ってはいたが賭けるものがデカすぎて、最高バトル作画で興奮してる場合じゃなくなってきたぞ…。

 どんだけかっけーアクションで飾っても、カンを賭けて戦う者たちが冥府に縛り付けられた囚人であり、待っているのは壮絶な未来だ。
 そういうヒリついた場所で生き残り、未来にたどり着くための闘争は見た目から考えていたより遥かにシビアで、捨てたはずの過去に強く縛られた、業の泥まみれ。
 この生っぽさを考慮したうえで、作品を食っていく必要があるんだろうなぁと思う第3話であった。
 インパクトとショックはデカいが、同時に「なるほどなぁ…」と思える描き方、タイミングだったと思う。
 なるほどなぁ…こういう話か。
 予測とはぶっちゃけかなり違うが、俺は結構好きだよッ!(時光で揺すぶられ鍛えられすぎて、ハオリン受容体が拓いてる人の意見)

 

 

 というわけで、むっつり師匠が抱え込んだ唯一の願いを、燃やし尽くして最後の戦いに挑む話でした。
 実写回想もぶっ放しまくって、師匠自身は満足して輪廻に堕ちていけるとは思うんですが、まだまだ冥府で頑張んなきゃいけない要ちゃん達は、一体この戦いから何を受け取り、どこに進んでいくのか。
 次回以降の描かれ方、青との因縁の深め方が大事になるかなー、という回でした。

 こういうエピソードが来ると、超絶アクションで気楽にスカッと! とはいかないわけで、そういう楽しみ方を塞いだ選択がどう効いてくるかも、また気になるわね…。
 ポップな外見に似合わず、一筋縄では付き合えない難しさと面白さ…次回も楽しみ!