イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

RINGING FATE:第4話『隼風は良い人!』感想ツイートまとめ

 永訣の先に、新たな旅立ちを。
 RINGING FATE 第4話を見る。
 
 「すまなかったり・ハオリン…アンタのことを見誤っていた!ッ」と言いたくなる師匠エピソード Side青と、師匠が満足げに抒情死したので新師匠を探す要ちゃんのリスタート、欲張りW構成である。
 冥界のクソさ世知辛さをたっぷり詰め込み、「この街で生きて死ぬってのがどういうことか、今から教えてやるぜッ!」と描いた物語に、微かに宿る希望の光。
 上げて下げて上げる感情のジェットコースター捌きが大変見事で、主役ほぼ絡んでないのにAパートの満足度は異常に高い。
 まー師匠が全てを賭けた戦いが、少しでも報われてよかったよ…。

 借金苦に病苦、器用に生きられない無骨さ。
 生々しい現実味に情とリリシズムを混ぜて、醸し出される独自の味わいはやはりパワフルで、「このアニメ、こういう感じでやります!」という例示として、大変良かった。
 美しき木像となって果てる師匠の遺体含めて、冥界コロッセオの残酷さもしっかり示せて、青を悪者にしてイヤな因縁引きずるでなく終わる読後感も素晴らしい。
 だからこそキッチリ話数に収めて欲しかった…てのも、日本深夜アニメの常識に縛られた感覚であり、Bパートからいきなり新章始まる展開こそが”正解”…なのか?
 展開にもテンポにも作画にも、馴染みがない部分があるからこそ面白いアニメだと思っているので、今後もこういう不思議さ大事して欲しいね。

 

 

 

画像は”RINGING FATE”第4話より引用

 というわけでシビアな絶望から一挙反転、覚悟の献身で閉ざされた世界に微かな希望をこじ開ける、大熊師匠最後の戦いである。
 青サイドからの描写が入り、カンと記憶を取り戻せばこそ残酷で幸せな決着へなだれ込んでいく勢いは、亡霊になったからこそ人間にいちばん大事なものが焼き尽くされていく、師匠の末期に花を添えていた。
 負ければ記憶を奪われるなら、勝てば記憶も戻るかもしれない。
 言われてみりゃ確かになルール提示なんだが、キレイに喪失にばかり眼を奪われていたな…巧みなストーリーテリングの、完全に手のひらの上だね(気持ちいい)。

 青との思い出が蘇ったからといって、師匠が生前譲りの不器用エゴイストであることには変わりがなく、彼の決断に要ちゃんが入り込む余裕はない。
 俺はその主役置いてけぼりの身勝手がかなり好きで、なにか一つを選ぶことしか許されない厳しい冥界で、愛と意地を貫いて死んでったケモノがいたのは、とても良いことだと思っている。
 師匠は青を選び、要ちゃんを選ばなかった。
 しかしただ身勝手で哀しい父からの思いで終わらず、青が(師匠からカンを奪えばこそ)思い出してくれたことで、無邪気な要ちゃんが人生の大事なものを、遅すぎる…ともいえるし間に合ったともいえる献花に見出すことも出来る。

 

 こういう感じで、無垢なる白紙の主人公が冥界舞台に描かれる群像劇を通じて、自分なりの道を見定めていくお話…なのかなぁという作品理解が、グッと深まる第4話であった。
 主役に重心を置きすぎないオムニバスな味わいは、シビアすぎる冥界で生きてる亡霊たちなりの”生”を尊重している感じで、なかなか良い。
 第2話でノンキなだけじゃない覚悟を見せてることで、こういう重たさをしっかり受け止めれる足腰が要ちゃんにあるのだと、既に分かっているのもありがたかった。
 ポヨポヨかわいい外見に、こういうコクが混ざって生まれる独特の味わい…やっぱ好きだな。

 ”死”を担保にした一発逆転転生モノとは、一線を画するシビア過ぎる冥界のルール。
 対戦要求を跳ね除けるコストが高すぎることといい、戦って勝ち残れる連中の少なさが、バトルの価値を高めても行く。
 父の屍を踏み越えて新たなステージへ進む青は、一足先に主人公が進むべき未来へと踏み出した”先輩”にもなったわけだが、光り輝く未来がどーも胡散臭いどん詰りに思えてしまうのは、ここまでの描写故か。
 マジロクでもないからなぁ、冥界コロッセオ…そう思わせるための薪として、師匠が激エモ抒情死キメたって話でもあろうが。
 ケモ師匠と要ちゃんの凸凹修行をもっと見てたかった気持ち、今でもかなり強いよ俺…。

 

 とはいえ愛憎の果て、忘れようとしていた絆を青が取り戻して未来へ進んだのは、素直に心を打たれる物語だった。
 前回師匠サイドの身勝手で凶暴な愛をたっぷり描かれていたので、それを冷徹に跳ね除けているように思えた青がここでデレ、間に合わず末期に流した涙を拭って進み出す流れが、スッと胸に入る。
 ここで師匠が死んじゃうのが冥界の厳しさであり、作品全体のトーンなんだろうけど、同時に死を超えて手渡され、忘却に打ち勝ち託された思い出だけは消えないの、いいバランスだと思う。

 生前散々負けてきたからこそ、負けたくも施されたくもない。
 ゲロ吐きながらそう嘯く青のプライドが、亡者の矜持を物語る。
 ただでさえ生前理不尽に苛まれ不条理に死んだ亡霊が、冥界のクソみてーなルールに振り回されて戦いを強要されてるこの状況だが、思いだけはシステムを超えて届き、愛のカケラは微かに残る。

 

 それに何が成し遂げうるかは、新たなステージに進んだ青の未来が教えるわけだが、師匠の不器用で身勝手な愛が無駄にはならないで欲しいと、今は願っている。
 甘く爽やかな結末描いたように見えて、トンデモない横殴りをキメかねない世界観と作風なので、全然油断できねぇのが怖いんだよな…。
 師匠ありがとう…アンタのおかげで、リ・ハオリン作品との付き合い方、ちょっと思い出せてきたよ。

 泣きじゃくる子どもを体を張って守る、貧乏で惨めながら愛だけはあった親子の姿に二人が戻れるのが、二度目の…そして永遠の死別の瞬間だけってのが、まー切なくて。
 それだけは取り戻せたともいえるし、それを取り戻すために師匠は全てを捧げるしかなかったともいえる。
 要ちゃんの置いてけぼり感はその犠牲なのだが、何もかも救えないシビアさ、だからこその尊さをちゃんと描いてたと思いました。
 施しを受けない青のプライドが見えたので、己の魂削って娘を強くする師匠のやり方が”正しかった”のが後出しで解るの、なんとも言えない味だったな…。
 安全圏からは大間違いなんだが、死地にいる二人にはそれしかなかったという…。

 

 

 

 

 

画像は”RINGING FATE”第4話より引用

 そんな永訣を経て要ちゃん、新たな師匠探しに奔走!
 Bパートは軽やかでコミカルな新章序盤といった風情で、動くたびにモキュモキュ音がする要ちゃんが、やっぱ可愛かった。
 ぶっちゃけこの子がこんくらい天真爛漫絶対無敵であってくれないと、世界設定の重たさロクでもなさにすり潰されそうな感じもあるので、いいバランスだと思う。
 サブローとの関係もちょっと前進の兆しが見え、謎めいた殺戮を繰り返す隼風との接触も果たし、さてこっからどうなるか…。
 意味深に自分の領域に踏み込まれるのを拒む、エデンくんの物語も動き出したぞ!

 大熊師匠と青のド濃厚人生絵巻が刻まれたことで、どの亡霊にも重たい前世との因縁、ロクでもない冥府のルールに必死にしがみつく意地があることは、容易に推察がつく。
 そこに踏み込むほどに物語も重さを強め、世知辛さと感動が交互に視聴者を殴りつけてくるんだろうなぁという期待感も、ガンガン高まっていく。
 なのでポップで明るく描かれた2つの出逢いが、どういう炸裂を見せるかは楽しみでもあり、怖くもあり。
 こっちが想定してる三倍くらいの火力で、真相明かされたときにドラマがぶっ飛ぶので、相当待ち構えないといけないんだよなぁ…。
 そこが楽しいんだけどさ。

 

 主役張ってる要ちゃんとサブローの空白が、作品全体を貫通する一番大きな伏せ札ってのも見えてきて、ある意味その前駆として冥府で出会った様々な人の人生と思いを、明らかにしていく物語なのだろう。
 謎めいた復讐鬼と、イヤホンで世界を閉ざした少女との出逢いが、一体どんな未来へ繋がっていくのか。
 新たに始まる物語への期待を強めてくれる、良いエピソードでした。

 個別のエピソードを積み重ねる中で、冥界全体のロクでもなさも描かれてきて、このシステム自体に主人公がどう向き合うかってのも気になってきたなぁ…。
 今のアーパー要ちゃんには重たい荷物だが、過去を取り戻し人生を学べば、背負えるやもしれん…。

 ポップな味付けにされてるけど”崆”は、かなりトラディッショナルなシビアさを宿した冥府…あるいは現実の写しで。
 死んだからって生前のカルマから開放なんてされず、記憶が奪われればこそ強く過去に呪われ自由になれない囚人達の、必死の足掻きがこのお話の心臓だ。
 新キャラ二人もそういう、重たい鎖を今後顕にしていくんだろうなぁ…と思いつつ、楽しく次回を待つ。

 

 やっぱ第2話で要ちゃんなりの”覚悟”を見せてくれたのと、師匠エピで亡者の末路とかすかな希望を描いてくれたのが、作品全体の見通しを良くしてくれてる。
 見てくれより遥かにキツい話だが、それに挑むだけの主人公力が確かにあると思うよ、要ちゃん。