イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

空色ユーティリティ:第5話『スペシャルな特訓』感想ツイートまとめ

 目指せ100ヤード突破、ゆるふわゴルフでも特訓ぐらいすらぁ!
 空色ユーティリティ、第5話を見る。

 相変わらずのゆるふわ加減であるが、ド素人なり自分だけのギアを手に入れゴルフが好きになり、趣味に熱が入ってきた頃合い。
 学生の本分との兼ね合いも含めて、楽しむために上手くなる難しさに翻弄されつつも、美波の挑戦はあくまで前向き元気、無邪気で可愛い。
 やっぱ主人公に適度な浅はかさと熱意があり、後ろ向きに見えてドンドン前へと進んでいく…気づかず周りを引っ張ってく推進力があるのが、とてもいいと思う。
 こんだけクリアな主人公像を削り出すの、かなり大変だと思うね…。

 相変わらずゆるーっと進行しているわけだが、テストと特訓、二段構えで障壁がそびえ立ったことで、それを乗り越えてでもゴルフしたい美波の熱意、年上二人へのなつき加減が良く見えた。
 そんな”姉”たちに同級生を獲られた泉美が、ダウナーに見えて思いの外美波好きなのが一人クレープからちょっと解ってきて、そこも良かったな
…。
 俺は向けてる感情の温度が低いように思えて、その実ジリジリ執着と愛情が萌えているタイプのダウナー女に目がねぇんだ…。
 おまけにCV花守ゆみり…”ゴルフの外側”を担保するキャラなので今の立ち位置から動くことはないと思うが、かなり良いキャラなので今後も大事にして欲しい。

 

 

 

 

画像は”空色ユーティリティ”第5話より引用

 かくして心に巣食った100ヤードの壁を超えるべく、テストに特訓に美波は奔走するのであった…という回。
 オルハリコンの腹筋を持つ遥は、一日トレーニングした程度でショットに必要な筋力がつくわけがないのは解っているはずで、ヘトヘトになるまで筋トレ振り回して、力みが取れたショットを打たせれば100ヤードは飛ぶ…という目論見だったのだと思う。
 眼の前のことに一生懸命な末っ子と同レベルでハシャイでいるように見えて、年上二人が相応の落ち着きで全体を見渡しながら、楽しく過ごしている様子が色濃い。
 ここのグラデーションは、やっぱ作品独自の魅力だと思う。

 ”特別”に呪われすぎて何かと自分を追い込んでしまう美波が、気づいていない自分の”特別”を、彼女をとても好きな年上の友達は良く見ている。
 金もらってコーチやってるわけでも、競技でガチる関係でもない、校外のクラブで出会った繋がり方を考えれば、正しいことだけを上から押し付けても上手くは行かない。
 なら心の底から一緒に楽しむことで、”ゴルフ”を好きになってくれた子が壁を超えられるよう、もっと楽しい時間を過ごせるよう、肩の力を抜いて向き合う。
 ここら辺の腹づもりが年上二人はすでに整っていて、何かとテンパりがちな美波を上手いこと掌の上に乗せてる。
 人生経験の差が生み出すこの勾配…美味すぎる!

 

 女子トップクラスにぶっ飛ばしジャパンジャージを有する遥が、ゴルフを好きである輝き、そのために上手くなろうとする苦しさに何かを抱えているのは、朗らかで明るい物語の中既に幾度か示されている。
 今回も過剰に力んで100飛ばそうとする美波に、優しく何かを伝えようとする時、表面上の実力勾配に反して影を背負うのは遥だ。
 ここら辺、終盤戦の起爆剤なんだろうなぁ…などと思いつつ、な~んも考えてない美波だからこそ、色々重たいもの抱えてんのに頑張って筋肉バカやってる遥を、無自覚に救ってる距離感も感じられる。
 無責任なガキの野放図を、好ましく見れるのはやっぱこの手触りがあるからだよなぁ…。

 念願のエクスカリバーを手に入れ、すぐさま”特別”になれると思い込んで結果が出ず、道具が悪いと他責に走りかける。
 周囲の理解と導きがなければ、美波の浅はかさは結構危ういところに流れ着いていきそうなわけだが、しかし愛される天性をしっかり持った主人公には、助けてくれる人が沢山いる。
 そういう意味でも、ビシバシシゴキつつ友達がテストの壁を乗り越えれるよう、色々手助けしてあげてる泉美の描写は良かった。
 調子いい部分は確かにありつつ、いざ目標が定まるとシコシコ地道に頑張れる様子も描かれてて、そらー好きになって助けたくなって、そのことで自分を救いたくもなるよなぁ、と思う。

 

 眼の前三センチの狭い世界を突っ走る美波が、気づいていない他人の助けと、身勝手な祈り。
 そこに宿るエゴイズムをあくまで清らかに、お互い様の透明度で書き続けているのは、このお話の面白い部分だと思う。
 ゴルフ初心者に手渡すには結構度が過ぎてる親切を、みーんな美波に手渡すわけだけど、そこにはどっかで自分がいい気分になりたい身勝手があって、でもその全部が悪いわけじゃない。
 「貴方のため」は献身を装った押し付けになってしまうことがあって、それに呪われるくらいなら、好きに助けて勝手にお返しをもらっているのだと、善意と優しさを前に出さない距離感も悪くない。
 そういう温度感を、勝手に受け取ってる。

 ここら辺の客観視って人間が育ってないと難しい(なのでボケガキ真っ只中な美波には、周囲を見る場面が少ない)わけで、三年…あるいは六年主役と年が離れているからこその、”お姉さん”の描き方だなと思う。
 そういう風に自分がある人たちが、バカだけど一生懸命な初心者に歩調を合わせて、自分が失ってしまった初心をその触れ合いの中で取り戻すかのように、仲良く笑い合っているのが良い。
 「付き合ってやってるんだ」みたいな上からの視線は二人に全然なくて、ただただ一緒にいる時間を楽しむよう、繋がり方を調整しているのが感じられる。
 賢いし優しい人たちで、そういう人間が子どもの側にいる物語が、俺は好きだ。

 腹筋モニョモニョで笑い合ったり、サウナ勝負で”妹”を取り合ったり、「特訓」というにはあまりに緩い…だからこそ楽しい時間。
 それが美波の中にある「”特別”にならなきゃいけない、そのために証を立てなきゃいけない!」という、目的と手段がひっくり返った転倒を上手く解きほぐすことで、彼女は100ヤードの壁を超える。
 そこを超えるだけの力は既にあったけど、ただただ楽しい時間を過ごす力みが邪魔していた道を、一緒に笑いながら…笑える時間を率先して作ってくれる仲間に手を引かれて、彼女は駆けていく。
 その先にこそ、本当の”特別”があるのだろう。
 …あるいはこの青く透明な季節が、既に”特別”か。

 

 そんなことを感じる、このアニメらしい「特訓」回でした。
 美波の健気な一生懸命を、笑いと少しのセクシーに混じえてちゃんと伝えてくれることで、彼女の無垢に救われ思わず一緒に遊びたくなってる年上たちの気持ちに、いい感じにシンクロできる。
 朗らかな日々を紡ぐために、なんも考えず楽しんでいるように思える人達が結構、気を使って優しくいてくれる様子も見える。
 やっぱ、そういうのが良いアニメだと思います。

 アイスを介した間接キスを”ご褒美”と称して6歳下から簒奪するのに、全くためらいがない彩花の”速さ”にビビりつつ、次回は初のフルラウンド!
 どんな笑顔が待っているのか、来週も楽しみ!