イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

RINGING FATE:第6話『違う人生を生きる』感想ツイートまとめ

 恋に浮かれた大バカ野郎の愛は、閉じた無限を断ち切るのか。
 エデンくんの愚かなる純情が真っ赤に燃える、RINGING FATE第6話を見る。

 

 ほ、翻弄されている…リ・ハオリンの掌の上でッ!
 大熊師匠と青の話が、苛烈極まる冥界の掟に一筋、人間の意地をぶっ刺して何かを掴み取るお話だったので、「なるほどね…こういう感じ、ですか…」としたり顔して、展開を受け止める姿勢を固めていたわけだが。
 相当悲惨なことになる覚悟を決めてたエデンくん編、悲惨なのは彩子の過去と因果の方で、これを愚か者の真っ直ぐな恋がぶち破る展開となった。
 き、気持ち良すぎる裏切りが最適なタイミングでクるッ!(オタク絶頂)

 もちろんこっから、地獄の最悪ルールが顔を出して悲惨な結果に終わる可能性も当然あるわけだが、大前氏症の不帰なる二度目の死、それを受け継いで未来へ進み出す青の勇姿を見た後に、こういう実りのある”突破”が見れると、まさに地獄に仏、不用意に固めていた腹筋をゆるりと人情で撃ち抜かれてしまった。
 そらー俺だって、バカ野郎の真っ直ぐな恋が前世の因縁だの、殺し合いの因果だのぶっ飛ばして、幸せな未来が待ってるほうが良い。
 しかしそれを許さない厳しいルールを、大熊師匠を通じて示されていたがゆえに、予想外の角度からエデンくんの”戦い”が刺さった。
 き、気持ちええ…最高やこのアニメ…。

 

 今回もバリバリ実写で前世の様子が描かれるわけだが、今回はカトゥーン調のコミカルな冥界との対比だけでなく、新たな表現でもって前世と現世が混ざりあった第三の道が、印象的に示されていたのも良かった。
 表現形態を作中の設定に合わせて練り上げ、複数仕上げて適切に運用する難度って相当高いと思う。
 だが、過去・現在、前世・冥府、因縁・忘却という対比をここまでしっかり印象付けた上で、愛の薔薇で無限大の鎖が断ち切られる瞬間を、そのどちらでもない表現でしっかり見せてきたのは、とても素晴らしかった。
 時光二期第9話とかでもそうだけど、フレッシュな着想と技芸を惜しげもなく投入し、新たな世界を描く野心が燃えてる。

 今回のエピソードは崆のルールを前提とした異能ミステリの趣もあり、彩子が縛られている愛がどういうトリックで動いており、何が喪失されているかをエデンくんが暴く展開が、ビシッと決まってもいた。
 「忘れたい記憶から失われていく」というルールは、これまた大熊師匠のエピソードを通じて既に明示されており、彩子視点だと愛に準じて再開を願った記憶が、エデンくんが足で稼いで確かめた真実に照らされると、激ヤバオカルト研究者の心中に巻き込まれたという、グロテスクな事実が見えても来る。
 これを忘れていたからこそ、彩子は愛に呪われ、縛られている自分自身が見えなくなっていた。

 

 これを断ち切る実力を、原石探しによる冥魂ガチャは与えてくれるわけで、今まで激しく刺激的ながら、どこか出口のない悲壮感を漂わせていた冥界コロシアムに、新しい色が加わった回でもあると思う。
 大熊師匠の末路を見てると、どう考えてもコロシアムに身を投げて記憶を代償に転生ワンチャン狙うの良くなくて、エデンくんもその呪縛に絡め取られてしまうかとハラハラしていたが…ヤツは弾けた。
 己を縛る前世の因縁をそのまま武器にしたような彩子のワイヤーを、受け止め断ち切るだけの強さが欲しいだけで、相手を倒して何かを奪おうとする荒くれた生き方が、エデンくんから遠かったのも嬉しい。

 冥界がロクでもない場所だからこそ、エデンくんの能天気で前世に縛られない生き方には救いがあって欲しくて、そこを彩子転生の真実を暴くミステリ、大迫力のバトルでしっかりと盛り上げつつ、救済の兆しを見せて次回に続いたのは、大変良かったです。
 エデンくんが実証した愚かな愛の勝利は、無垢なる要ちゃんの生き方が間違ってないと告げる援護射撃にもなってて、あの子のプニプニポワポワした感じがすきな人間としては、そこもありがたかったね。
 サブキャラの人生劇場が続いているが、面白すぎるので思わず見入ってしまう腕力がストーリーにあるの、群像劇の正しいブン回し方って感じで好きだ。

 

 

 

 

 

画像は”RINGING FATE”第6話より引用

 というわけでバトル本番、愚者のひたむきな愛は真実へと届くのか!? というエピソードである。
 基本的には彩子の前世と内面、そこに切り込むエデンくんの真心で話が進んでいくのだが、ちょっと挟み込まれた要ちゃんと彩子の交流が、可愛くて良かった。
 妄執に縛られ去った愛…だと思い込んでいた鎖に呪われてはいるんだが、彩子はエデンくんが好きになるのも納得の”いい人”であり、無邪気でおバカな要ちゃんとの交流に、そういうニンが透けてた。
 こういう人間だからこそどうにか助かってほしいと思うし、そう思うよう視聴者を導く筋立てが、このアニメは大変上手い。

 最初は場違いなおバカに見えたエデンくんのコロシアム・ダンスも、激しい戦いの中愛した人の鎖を引きちぎろうとする彼の本気を見せてもらう中で、むしろ修羅の宿命を超える救いに思えてくる。
 冥界のルールに乗っけられて、魂賭けて理不尽なゲームに挑む以外の、何もかも忘れたとしても第二の生を楽しむ道。
 そこに彩子を引き戻すべく、エデンくんがどれだけ頑張っているかを、敵を…なによりも自分自身を強く縛る”鎖”を武器にしている彩子とのバトルが、とても鮮明に描いてくれた。
 なぜ力を欲し、戦いに挑むのか。
 その証明を刻み込むには、やはり大迫力の闘争をしっかり書き切る必要があるのだ。

 

 彩子が囚われている思い出の中では、追いかけるのも当然な運命の恋として描かれているものが、実はオカルトに狂ったエゴイストによる無理心中であり、二人を繋いでたはずの赤い糸は最初から断ち切られていた。
 この真相開示が鮮烈であり、ここを切り裂けば彩子が開放されるというポイントをクリティカルに断ち切ったのも、大変良かった。
 だんだん事情が飲み込めてきて、「ん…なんかヤバくね?」となってくる時の、生っぽいゾクゾク感はやっぱ、”実写”という異物をあえて持ち込んだがゆえの味って感じがして、作品の醍醐味を堪能できた。
 それが今まで見えない位置にあったロジックも、しっかり作られてるしな…。

 彩子を縛る鎖は親との関係、そこから抜け出させてくれるはずだった恋人の狂気の他に、科挙の国特有の超受験地獄てのがある。
 その鎖の重たさを見せるのに、やっぱ”実写”って良く聞いてる表現だったなぁと、見終わって感じた。
 大熊師匠の前世は病苦と借金苦、今回の彩子は受験地獄に狂った愛。
 冥界のポップな描写とまーったく逆な、現代中国の泥濘をいい感じに練り込んできて、やっぱここら辺上手いな、と思う。
 時空を飛び越え因果を書き換える異能と、こういう泥っぽいローカルな実在感、取り合わせて活かすバランス感覚が、時光のときからやっぱ凄いわい。

 

 消失した元彼のイカれっぷり、実際崆が存在している物語の中では世界の真実を射抜いていて、しかしそれを確かめたときには決定的に何かが壊れてしまっているという、なんとも皮肉な味わいで良かった。
 彼がなぜ消えたかは次回描写があると思うけど、やっぱ死んでまで確かめたかった自分の無限大理論が正しかったのだと、実地で確認して満足してしまったんだろうか…。

 その現場に彩子を連れて行けず、因果の糸がほどけて勝手に成仏しているあたり、全く身勝手な天才である。
 まぁ今更元彼でてこられても、彩子を間に挟んで拗れるばっかり、エデンくんの純愛大勝利が濁るので、消えてくれてたほうが話はスッキリするわな。

 

 こんだけ複雑怪奇な業に縛られ、それを解きほぐす結束点をこそ忘却している彩子に、どう思いを伝えるのか。
 「”戦い”しかねーだろッ!」という答えを導くべく、原石ガチャで手に入れたSランク装備がしっかり仕事を果たし、力を保つ意味を示していたのも良かった。
 あそこでエデンくんが弱いと、彩子の抱えた妄執や怒りを受け止めることも、自分の愛がそれに負けないと示すことも出来なかったわけで、どういう形にしろ力ってのは必要である。
 いやまぁ、原石はその由来も生成物の運用も、ロクでもなさの結晶としか言いようがないので、どっかで突破していくべき枷だとは思うけど。

 ぶっちゃけ話見る前は、過剰な力に溺れて彩子を傷つけてしまわないか心配でもあったんだけど、エデンくんは掴んだ刃で何を断ち切り、何を伝えるかしっかり見据えれていたので、ホッと一安心。
 戦いの中に不器用に愛を捧げる生き様、大熊師匠で一回凄い衝突見せていたので、今回も繰り返しになるかとハラハラだったわけだが…エデンくんはやってくれました!
 こうして成否両方の結末が、不器用で無垢な愛を賭けて戦う物語から飛び出してきたので、”三人目”になるだろう要ちゃんがどういう愛を、どういう相手に差し出すかが、俄然楽しみにもなってきた。
 いやー…こんだけリフレインさせてると、主役に伸ばすの期待しちゃう。

 

 隼風との因縁も含めて、そこら辺は次回以降のお楽しみって感じだけども。
 ともあれ彩子を縛る愛の鎖を無事断ち切り、エデンくん大勝利ルートが掴み取られた話数でした。 カンを巡る忘却のルールを活かして、彩子の盲点を射抜く形で激しいバトルの中エデンくんの凄みを出していったの、知恵と暴力が高度に融合した話運びすぎて、めちゃくちゃ良かった。
 その足掻きが彩子にどう届いたのか、鮮烈な表現で描いてくれたのも素晴らしい。
 やっぱこういう、脳髄直接殴られるような新しい世界を見せてくれるから、挑戦的なオリジナルアニメ見るの止められねぇ…。
 ホンマ気持ちええわこのアニメ…。

 

 この希望に満ちた激闘から、一体どんな物語が広がるのか。
 次回も楽しみ!