イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ウィッチウォッチ:第19話『ともだちの手紙』感想ツイートまとめ

 想いの蝶が花開くその日を、優しく見守る人がいる。
 ド直球のニコモイが駆け抜ける、ウィッチウォッチ第19話である。
 いやー良かった…俺はモイちゃんが好きだから…。

 

 

 

 

 

画像は”ウィッチウォッチ”第19話より引用

 というわけで思い出と願いが交錯し、魔女の力とストイックな生き様がすれ違って、なかなか面倒なことになってる主役の二人。
 カップル…というには恋のカタチに収まらず、しかし絆と気持ちはとっくに仕上がりきっているという、なかなか面白い煮込まれ方をしてる彼らに切り込んでいく回である。
 友情と恋と義務感が入り混じった青春のキメラの姿を、ちゃんと確かめて見守る結末が、優しくて好き。

 

 これまではモイちゃんに秘められた鬼神の力が周りを傷つける様子ばかりが描かれていたけど、暴力を禁忌とする白魔女もまたプッツンキレるとまーヤバいと解った。
 つまりは掟に従い優しい心を育み、人を壊す爆弾になりかねない魔力を楽しい不思議に置き換える生き方を、モイちゃんとの約束を支えにニコは選んできた…ということでもある。
 親との関係含め、子どもが高校生にまで育つことの意味をかなり真摯に描いているのが、俺がこのお話好きな理由のひとつなんだけども。
 今回二人の大事件が回想されたことで、そこら辺が補強された感じがあったな。
 モイちゃんとお母さんとの関係とかね…。

 踏みにじられたらブチギレるほどの思いを込めて、ニコちゃんが届けてくれた友情の証。
 それをテープで繋ぎ心の支えに生きていたことを、当人に言わないストイシズムがモイちゃんの良いところ…でもあるが、それは呪いにもなりうる。
 クソガキにぶつけかけた怒りと裏腹の、強い気持ちはモイちゃんの心を縛り付け、ニコちゃんが望む恋へとかけがえない気持ちが羽化するのを邪魔している。
 恋する少女の抑えられない異能が、当たり前の望みを叶えず遠ざけるやるせなさは、心というかけがえない聖域に直接触れてしまえるエスパーの悲哀があって、かなり好きな味だった。

 

 自分の手紙がモイちゃんを縛り付け、望む恋を奪ってると知ったらそらーニコちゃんは苦しむだろうし、そこら辺の難しさを同じ魔女である音夢ちゃんが解きほぐし、見守ることしか出来ない詰み状況に気づいてもいた。
 ここら辺、アッパラパーな部分(あるいは空気と心の機微が見えない共感能力の欠如)が目立つ使い魔組だと見えない部分だと思うので、音夢ちゃんが青春探偵になったのは良かったと思う。
 ようやく出来た友達の苦しさを助けるべく、色々考えを巡らせ解決策に頭を悩ませる姿が、異能と運命に苦しむニコちゃん描かれたあとだと、だいぶありがたかったしね。
 友だちがいることのありがたさを、地道に積み上げてるのも好き。

 恋にのぼせてアッパラパーに思えるニコちゃんが、つれないムッツリ野郎になっちゃったモイちゃんの苦しさをちゃんと解って、それを救ってくれた友達たちにメッチャ感謝してる様子とかも、凄く良かった。
 おバカに見えて人間の心臓に直接つながった部分は、めっちゃいい視力でしっかり見て大事にしているの、巧い造形だなぁと思う。
 ラブコメの構図を維持するためには、今回照らされた恋と敬愛のズレは続けなきゃいけなくて、フツーの話だとモイちゃんを鈍感難聴野郎にすると思うんだけども。
 そういう咎を主役に背負わせることなく、じっくり見守ろうと思える事情を丁寧に描いたのは、本当に巧いなと感じる。

 

 みんなそれぞれ自分らしく頑張って青春しているし、隣りにいてくれる誰かのことをちゃんと大事に思っている。
 でも背負った血の定めとか過酷な運命とか、色んなモノに翻弄されて中々上手くいかないこともあって、結果ズレてしまったまま続くしかないものがある。
 でもその半端な状況の奥には、凄く眩しくキレイなものがズーッと守られているのだから、静かに見守っていればいつか花咲くだろう。
 そういう期待と信頼を、今後も続いていくもどかしい恋模様にしっかり宿せたのは、凄く良いなと感じた。
 お互いを大事に精一杯生きてる二人をヤキモキ見守るのは、マジで気持ちが良いからな…。

 うわっ付いた調子になりそうなラブコメど真ん中を、テープだらけのお手紙とお母さんへの墓参りでどっしり落ち着かせていたのも、とても良かった。
 傷つけられたり、愛した人と別れたり、色んな苦しい思いがあって、あの子達はおバカなマジカルコメディで頑張って笑っている。
 こういう重たさと軽妙な明るさが同居しているからこそ、嘘っぱちの物語に程よい明暗も宿ると思う。
 幼年期の痛みと約束、死を越えて続いていくものを添えたことで、二人の恋路が真摯に見守るべき人生の一大事だっていう、適切な重たさも削り出せてたし。
 いや…異能に苦しめられてきた青少年にとって、恋と友情はマジ大事だろ…。

 

 あと人の気持ちを花と蝶で可視化する魔法が、凄く正統派のロマンティックを備えていて、そういう王道の華やぎをエピソードの真ん中に据えて綺麗にまとめていく腰の強さが素晴らしかった。
 このお話、古臭いど真ん中を時に最新鋭の洒脱で軽やかに、時に腰を落とした落ち着きで力強く描くわけだが、芋虫が蛹となり蝶に代わり、艶やかに花開く”その日”への希望を、美しいイマージュに交えて描いた今回は「魔法のお話」としての本道を突っ走ってくれた。
 俺はこんな風に、不思議な魔法が人生を明るく照らしてくれる瞬間が凄く好きなので、こういう形で改めて語り直されているのは嬉しい。

 ニコちゃんが呪いに変えてしまった想いを受けて、モイちゃんは自分の気持ちを敬愛と義務感だと縛り付けて、二人の思いはすれ違ってしまっている。
 白魔女と黒魔女の境目がかなり薄いこともあって、なかなか思い切った施策が打てない不自由さの中で、しかし若き二人が抱える純情にはなんの嘘もなく、ひたすらにお互いを思い合っている。
 それさえ信じられるのならば、名前のつかない不思議な関係であっても、時につれなく感じる不器用な繋がりであっても、花であり蝶なのだ。
 そういう心の美しさを真っ直ぐ描く画材として、今回ニコちゃんが使った魔法はとても良かった。
 この魔女っ子王道な味わい…好きだ。

 

 というわけで、なかなか気持ちを見せてくれないシャイボーイと、溢れる思いが空回りしがちな暴走乙女が今どこにいるのか…ここからどこへ行くべきかを、真っ直ぐ描くエピソードでした。
 ここら辺どっしり付き合って描いておかないと、どういう角度で結論にたどり着かないラブコメウロボロスを見守りゃいいか、分かんなくもなりそうだからな…。

 そういう物語の羅針盤を示す意味合いに留まらず、二人の気持ちがどこから来てどこへ行くのか、素敵な魔法で描いてくれてとても良かったです。
 恋愛相談もこんがらがった思いも、ちゃんと向き合って心配してくれる友達がいてくれるありがたさを、主役たちがしっかり理解してる様子も見れて、すごく風通しが良い回だったと思います。
 この爽やかさは、やっぱこのお話の武器だよなぁ…。

 

 そしてこのニコモイ旋風から、次回はケイネムへ踏み出していくのか…。
 ラブコメ街道血反吐吐くまで!
 行くぞ次回も楽しみです!!