イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

漂流街

馳星周、徳間文庫。久しぶりに馳を読んだ。−巧い。その一言に尽きる。ブラジル人と日本人、平穏と暴力、惰弱と才覚。全てが不安定な主人公が物語の中心に座ることで驚異的なカタルシスを作り出す。巧い。さまざまな犯罪組織の合間を縫いながらの綱渡りというストーリーラインと、この主人公のキャラクター設定が絶妙に絡み合い、抜群の安定感をかもし出している。暴力とセックスに彩られながら、この作品には冷徹な作家の計算が動いている。そして、面白い。凄い作品だ。お勧め。