イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

JESUS 砂塵航路 2

七月鏡一藤原芳秀小学館。七月&藤原コンビが送る、ジーザス正式続編の二巻目。月一単行本三連発という無茶いスケジュールで送るこのシリーズ、一巻の立ち上がりがちょっと弱かっただけに、ぐんぐん話が回転し始めた二巻目が手早く出てくれたのはあり難い限り。なんだかんだでジーザス乃エピソードはやっぱりジーザスで終わってしまっており、単独で主役を張るには少しパワーが足らない。相変わらず言動が調子に乗りまくっていて、キャラとしてのパワーはあるんですが。
そんなパワー不足を埋めてくれるのが、友達と絡み始めてエンジン回ってきた綾木と、懐かしい殺し屋コメディを見せてくれた新キャラアッシュ。やっぱ、物語の基本的なパワーというのは、「変わる」ことの内側に潜んでいるわけで。ツンツンしている二人が、グイグイと変化するダイナミズムがこの二巻目には山盛り詰まっており、とても面白いですね。アッシュは露骨にプレイヤーが御堂と同じで、完璧なライバル殺し屋ロールをしていて満足です。
脇のキャラも回転を始めていて、綾木のボディーガード藤崎さんが結構体を張っていたり、ちっちゃくて可愛い日常担当の小此木がどんどん小さくなっていたり。小此木は見る見るミニミニミクロ領域に飛び込んでいて、漫画のキャラ属性というものは強調されるという原則の体現を見ているようです。クロスオーバーのほうはどうなるか様子見。やっぱ藤原先生の絵には、なんとも言えない凄味があるな、と土方の絵を見て思った。ジーザスが非常に自分の立ち位置を見据えた動きをしており、今後も高校生組を軸に廻してくれると嬉しいなぁ。