移動と攻撃の併用に移る前に、PIPさんからのリクエストを受け、移動関係の試合解析を行いたいと思います。
解析するのは第52回大会予選Hブロック第一試合 井爪篝 VS 段ダン・フォーセス(http://busin.s17.xrea.com/Bushin/52/matches/h1.html)です。
初期配置はダンが180位上なので、距離3開始の正面対峙、両者直立です。
階級とステッピングで先手を取った篝が、その場から誘いを行いダンがこれをレジスト。
先手誘いは戦型を「正面からの接触し合い」に限定できるので、通るとやっぱ強いですね。
無論通らなければリターンのない行動ですし、意図的な攻撃失敗やクリティカルなど、リスクも背負うんですけども。
ダンは攻撃を強要されなかったので、ゆったりと全力移動して篝の側背面を取ります。
ベストポジションは0804SSなんですが、0804に位置すると角度調整が巧く行かず、相手を正面に捉えられないためやや側面よりのポジショニングになります。
ここら辺、距離3開始の機動戦が(両者にとって)不確定な理由ですね。
背面を取られた篝は、大振り覚悟で背面を取り返しての攻撃。
非達人でも、構えコンボを持っていなくても、大振りを覚悟すればこういう行動は可能です。
背面を取り返しているので、相手の対応次第ではそこまで隙を付かれない行動です。
どう足掻いても分の悪い掛けでは有るので、行動選択はキャラの耐久性、決定力と相談という感じでしょうか。
なお、「サブターン開始時に視界内にいる状態からの、背面取り攻撃」に当たるため、跳躍判定は行わず打点ずらし出来てますね。
背面を取られたダンは、60度フリー旋回で角度を調整してから相手の背面を取り返すようにバックジャンプ。
同時に相手が回りこむスペースを殺し、機動戦を終わらせる目論見なのですが、それに対するベストポジションは1501です。
こちらは側面も殺せる角のポジションですが、1104に存在する篝が邪魔をして直線で結べないので、次善の策として極力距離を話しつつ背面だけでも殺すという壁際の位置を取ります。
これで相手が消極策に回るなら立て直しの時間が作れますし、対応をミスってくれるなら攻めの筋も見えてきます。
しかし篝の戦術選択は大降りをいとわないので、二歩移動で角度を調整し、飛びキックを選択します。
これは「踏み出して行動」ではなく、「移動して行動」なので、大振りとして扱われます。
こういう行動を取る際に、大振りという賭けに出なくて良くなるので、移動攻撃/跳び蹴りは強い、という話なんでしょうなぁ。
ダンはバックジャンプで空中に居るので、体力即決は無条件敗北して転倒確定。
飛びローなので跳ね飛ばしはないのですが、攻撃を受けたベクトルからして頭が奥に倒れ、足が半壊した状態で着水。
軽業受身で着地する際、頭基準で起き上がるので場外となり、後は溺れるままでした。
篝が10位上だしていれば、相手空中でダンのターンですから、背面背負ったダンの判断は必ずしも間違いではなかったと思います。
このような結果になったのは、一つは篝が大振りを厭わず、背面取りに対して積極的な行動を取っていたこと(そして9以下を2回出したこと)。
2つ目に、ダンの身長が180なので、背面を取られやすいポジションにセットせざるを得なかったこと。
3つ目に、ダンの背面取り対策として、壁を背負う方策が含まれていたこと。
これらの複合的要因ではないでしょうか。
達人の指導か構えコンがあると、今回篝が行った積極的な対応を非大振りで行える局面も増えると思います。(無論、サブターン拡大に伴う移動力の低下や、移動ベクトルによる行動の制限とかありますけども)
以上、PIPさんリクエストによる試合の解説でした。