・グランクレストの戦闘バランス雑感
グランクレストを触ったので、戦闘バランスに関して思うところをちらほら書きます。
1 クラスの役割
マルチクラスが不可能なので、クラスの役割を交差させることが出来ず、キャラの仕事は単機能になりがちです。
メジャーを消費しない各種補助で、チマチマサポートするくらいでしょうか。
各クラスの役割を簡単に記述すると
白兵 相手にエンゲージして足を止めつつ、白兵攻撃で相手のHPを削る
セイバー、キャバリアー(ロード)
アンデッド、シャドウ、ライカンスロープ、アームズ、エーテル、レイヤー:ドラゴン(アーティスト)
射撃 エンゲージを切って、弓による遠距離攻撃を行う
アーチャー(ロード)
シューター(アーティスト)
防衛 防御力の上がるカバーリングを利用し、ダメージを引き受ける。白兵攻撃も行う
パラディン(ロード)
アンデッド、レイヤー:ヒロイック(アーティスト)
魔法 魔法による大火力・高リスク攻撃を行う。面制圧が得意
エレメンタラー、サイキック(メイジ)
支援 HP回復や再行動など、各種支援を行う
ルーラー、メサイア(ロード)
プロフィット(メイジ)
特殊 分類しにくい独特なクラス
アルケミスト(国力を戦闘能力にコンバート出来る。補助と面火力の両面)
サモナー(召喚によって、様々な能力を持ったユニットを追加出来る)
こんな感じです。
2 グランクレストの戦闘特色
では、各種仕事の優先度を考えるべく、グランクレストの特色を見ていきます。
アリアンロッドやアルシャードといった、FEAR製のゲームに感覚としては似ていますが
・ 範囲攻撃で対象を選択することが難しい
・ カバーリングの射程がデフォルトで1
・ 何らかの特技がなくても、エンゲージを切る事が楽
辺りが異なります。
このことから、PCたちが1ヘクスに集中する状況は、かなり宜しくない。
なので、PTキャラは各自別ヘクスに位置し、ダメージの的を散らしつつ防衛担当がカバーリングしていく感じが基本になると思います。
グランクレストの戦闘においては
・ 相手の足の早いキャラにエンゲージを制圧されないこと
・ 白兵キャラを一箇所に集めすぎず、面制圧担当が動きやすいようにすること
が重要になります。
なので、アカデミーサポート<索敵技術>は積める限界だまで積め!
速度と情報が勝利を呼び込むのだ!!(急な電撃戦ドクトリン勃発)
その割には射撃クラスが少なく、白兵クラスが多いのが悩ましい所ですが。
士気に関しては、HPダメージの大小にかかわらず減少していくため、相手の手数を減らし、攻撃は耐えるより避ける方が重要になります。
防衛役のカバーリングにのみダメコンを押し付けていると、あっという間に士気崩壊に押し込まれ、実質的な敗北に追い込まれたりします。
マスコン特技のコストが士気なので、火力上昇という意味でも士気管理は非常に重要です。
グランクレストのマスコンにおいては、
・ 足の早いキャラが、敵の陣形にかかわらず雑魚を潰せること
・ 攻撃回避能力を有していること
・ 士気回復能力を有していること
も、重要です。
3 各役割の注意点
では、1で見た役割事の注意点を確認していきます。
3-1 白兵
白兵クラスは相手のエンゲージに入り、近接武器で火力を出すのが仕事になります。
ワークス特技の<重ね打ち><振りかぶり>が優秀なので、コンスタントな火力は一番出ます。
が、1ヘクスにキャラが重なることがあまり美味しくないこのゲームでは、白兵系は数いすぎても実は困ります。
その上で、相手の頭を抑えこんで後列を守る仕事を果たすために、行動値の早さと足の早さ、ある程度以上の戦闘継続能力は必要です。
速度という意味では<王騎の印>を持つキャバリアーに勝るものはいません。
回避能力の確保という意味でも、白兵は軽装型の方がいいかなぁ、という印象を受けますね。
士気の仕様上、敵の手数を減らすことが非常に重要なのですが、GMは大概の場合敵を分散配置します。
これに対応できるのは十字系範囲攻撃かN体攻撃なのですが、白兵はそういう細かい動きは向いていません。
一応<長柄の印>や<密集陣形>で距離調整は可能だったりしますが、基本的に単体に大火力入れることを重視し、キャラを仕上げるといいんじゃないでしょうか。
3-2 射撃
ヘクスを分散させたいグランクレストでは、有効SQに融通がきく遠射武器は、非常に強力です。
基本性能が少々落ちますが、利便性においては白兵を大きく上回っています。
アーチャー、シューターともに痒いところに手が届く特技が多く、PTに一人はいていいと思います。
0SPに射撃する手段が薄いクラスですが、離脱に支払うコストが軽いため、あんま気にせず移動力3だけ確保しておけばいいと思います。
射程の任意性を活かしての雑魚狩りを担当したい所ですが、弓は行動値へのペナルティが大きく、即戦能力はそこまで高くないのが悩みどころ。
面制圧能力を高めると、火力に回すリソースがなくなるのも悩みどころです。
士気管理のため、雑魚を一発で狩り殺すくらいの火力は欲しいところ。
<光弾の印><重撃の印><武器習熟><重ね打ち>などの自前での火力上昇や、<増幅の印><王騎追撃の印>など他キャラによる火力サポートなどを考慮するとよいでしょう。
3-3 防衛
カバーリングで攻撃を引き受け、PTの生存に寄与するのが防衛の仕事です。
ダメージ軽減やHP増加、カバーリング性能などにスキル枠を圧迫されるため、火力上昇にコストを回せないのが最大の悩みどころ。
マルチクラスが不可能なので、スキル圧迫の少ない支援系メジャーアクションでお茶を濁せないので、上手く<盾攻撃の印><英雄武技><破壊の血爪><重ね打ち><振りかぶり>などを駆使して、自前での火力向上を狙って行きたいところ。
非マスコンではHP上げてガード値稼いで装甲分厚くして……と、通常通りの数字稼ぎに奔走すればカバーリング担当の仕事は果たせます。
が、マスコンになった途端1点のダメージは即士気1点とイコールになり、耐えるだけではどうにもならない状況に追い込まれます。
士気をコストにするマスコン特技が優秀なのもあって、士気コントロールは大事にしたいところ。
なのですが、回避型と重装甲型を兼任するのは、このゲームではかなり難しいです。
ダメコンを必要とする他メンバーが、最低限の回避性能を供え、マスコン時の防衛役の出番を減らしてくれることを期待しましょう。
無論、<闘志の印>は神よりも神。
3-4 魔法
魔法役はほぼ自動的にメイジであり、魔法取得の仕様上、スキル圧迫が他クラスより比較的弱いのが魅力です。
が、HPは低いわ回避の数字は伸びねーわであり、ディフェンダーの最優先防衛対象だといえます。
装備のクラス制限がないゲームなので、重装甲の鎧を見につけ、<武器防御>でダメージ削る耐久型メイジは、十分実践級だと思う。
魔法役の仕事は火力を出し、面を制圧し、詠唱をしっかり唱えきることです。
目標値が設定されている関係上、<簡易魔法儀式><スペルブック>などで数字を確保し、安定性を上げることが重要になります。
なんとなれば発動判定に天運を使用し、確実に術式を発動させていきましょう。
エレメンタラー・サイキックともに、自前の防御スキル(<ウィンドパリィ><イルード>)を有しており、PT全体の生存性向上に寄与出来るのが、自身に強いポイントです。
面制圧は<ファイアボール><拡大する力>で行います。
このゲームの面制圧はほぼ常時味方を巻き込むため、乱戦状態になってしまうと敵を狩り殺すのが難儀になります。
可能な限り行動値を稼ぎ、相手の頭を抑えこんで殴りつけるか、先手での雑魚狩りは他のクラスにまかせ、重装甲で生存性を獲得するかは悩ましいところです。
MP枯渇も圧倒的に早いので、補給のことも考えておきましょう。
3-5 支援
指揮の使用を考えると、耐えてばっかりいてもこのゲームは勝てないゲームです。
なので、メジャーを消費して回復しか行えないメサイヤ、ヒーラーの地位は最下層だといえます。
回復量と射程に差があるとはいえ、<治癒の印>の利便性に比べると厳しい。
他にもダイスの振り直し回数が全体的に絞られたり、ダメージ軽減の回数が少なめだったり、支援の力が及ばないタイミングが多い気がします。
が、ルーラーは別格中の別格です。
攻撃に転用できるメジャー支援<再動の印>、メジャーを消費せずMPと士気というリソースを回復できる<闘志の印>、攻撃それ自体を潰しPTの生存に多大な寄与をする<消散の印>と、凶悪な特技が揃っています。
<巻き戻しの印><治癒の印><増幅の印><防壁の印>と、使い勝手の良いオートアクション支援も揃っています。
サポを一人据えるとしたら、ルーラーはわりかし無条件の筆頭候補だといえます。
3-6 特殊
サモナーはユニット追加という、TRPGのデータバランスをぶっ壊す筆頭能力を持っている強クラスです。
とりあえず犬(オルトロスの愛称)呼んでおけば、防衛と白兵は担当してくれます。
<対軍能力>持っていないのでマスコンではただの借りてきた犬ですけども、そこを補いたいなら蜥蜴(サラマンダーの愛称)呼べばいいと思います。
ぶっちゃけ、サモナー居るなら戦闘レベルが1上がるレベルで強いクラスです。
マジ終わってる。
アルケミストは「国の資源」という独特の要素を使うクラスで、凄くグランクラスとらしい、面白いクラスだと思います。
ポーション系装備を自動取得して、国のカウント管理に関与できるのは他クラスにはない強み。
此処で稼いだカウントで<索敵技術>を上げ、敵より早く動いてトータルダメージを下げる動きとかは、アルケミストにしか出来ないPT貢献です。
自身の戦闘能力も<バーンエッセンス>で最低限確保できるので、やりがいの有る良クラスだと思います。
4 まとめ
以上、グランクレストの戦闘を簡単にレビューしてみました。
一見、FEARゲーの戦闘に似ているようで、実際のところかなりデータ感覚が異なるので、戸惑うと同時に掘り甲斐もあります。
あー、グランクレストしてぇなぁ……。