イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 14/06/23

・ キャプテンアース
わりかしのったりのったり、キルトガングが日常捨てまくるパートがリピートしてる最近のキャプテンアースですが、今回は良かった。
「超人最高ッ! 日常にキスしてグッバイ!!」しか言わない他のデザイナーチャイルドと違い、無骨なバクくんの「俺の日常を壊すな……」はいい変化球だった。
ミッドサマーズナイツの日常をキラキラ描いているからこそ、キルトガングの人間部分の扱いにはちーっと疑問を感じてたんよね。
ディーラーもアイドルもバイカーも、スナック感覚で日常捨てる連中が連チャンしたので、「そうそう、コッチが欲しい玉」という感じでした。

前後編の前部分なので、ストーリー的には引いて終わっており。
今回は設定を引っ張る形で描写していて、ただ説明するだけではないのも良かったかな。
あとハナの節度破壊者っぷり。
私のダイチが噛まれた!!(SEEDでキラとフレイが寝た時の腐女子リアクションエミュレータ
バクくんは日常にグッバイしちゃうんでしょうが、それをどう見せるのか、後半気になりますね。

 

・ がをられ
そうか……七徳院とは……天使客船とは……姉とは……!!(ドワオ!!!!)
そんな感じの、シスプリだと思ってたら虚無戦記だったアニメ、ラスト一話前です。
でも俺……虚無戦記も嫌いじゃないぜ……どっちもキチガイって意味じゃおんなじだしね。

急にシリアスになったー、と言うよりは、やっぱ地金がむき出しになったというか。
シリアス部分のトンデモ感と、日常部分との接合が巧く行っているかどうかはさておき、やっぱそこら辺の伏線は埋めていたし、そーたが宿命のバトルウォリアーとして戦うモチベーションには納得がいく。
仮想世界を仮想世界として切り捨てず、デジタルデータだろうがなんだろうが大事なんじゃ!! と気張る姿は、結構フレッシュで好きだ。

そして菜波が圧倒的ヒロイン力を発揮し、ザックザックと事態突破のために動きまくっており、菜波メインヒロイン派としては嬉しい限りの展開。
思い返してみると、そーたと菜波は男女の関係というより、徹底してそーたの踏ん張りを優しく見守る家族的関係だった気がする。
瑠璃が現実的サポート役として、アレほど図抜けて優秀だった理由も説明されたしな!!
個人的に、姉周りのカードの開け方は好きだぜ。

まぁぶっちゃけすげー急だし、何この中二病ド・マンなか……って思わないわけじゃないし、菜波以外にも少し見せ場あったほうが良いんじゃねと思わなくもないけど、そういう凸凹したところもひっくるめて、俺このアニメ好きだわ。(最終話一回前に気付く)
「綺麗なビターエンドより、ベタなハッピーエンド」が全ての創作物に適応されるとは思わないけど、ことこのアニメに関しては、かわいい女の子たちとかなり頑張ってる主人公が生き残って、あのヌっるい日常に帰って終わった方が、まったくもってグッドナイス。
さー、あとはあのトンチキな電脳天使をぶっ飛ばし、都合のいいことしか言わねーNo.0をワンパンして、世界を救ってエンドマークだけだ!!
……この世界規模クライシスと、身内の内部事情のスケールが狂ってる感じ、思い返すとどっかで……神無月の巫女ッ!?

 

・ 悪魔のリドル
ほのぼのトンチキ暗殺学園アニメも、ついに最終話。
チタンがあればなんでも出来る!! とばかりに、リドルらしさを貫いて誰も死なないエンディングでありました。
「マシン英の逆襲」「メカしえなの逆襲」「黒組全員で鳰をボッコにして終わり」「爆破オチ」「兎角が暗殺者として完成して晴の一族皆殺しエンド」などなど、どの球が来ても受ける覚悟をしていたのでわりかし想定内に収まってよかった良かった。
……良かったのか?

晴の能力は、解りやすく自由意志の袋小路に陥るので、禅問答めいた兎角アンサーでブレークするのは実際正しいと思う。
いや、無茶苦茶だけどな……なに暗殺者であることを今更思い出しておるのかねキミは。
そのくせ、呪術にCP払ってる鳰とカラテいい勝負だし……最後まで色んな意味でトンチキなアニメだった。

ぶっちゃけ整ったアニメでけしてないし、穴だらけ欠陥だらけのポンコツアニメではあると思う。
しかしそこが嫌味にならず、「しょーがねーなーリドルは」となってしまう奇妙な魅力を宿したアニメでもあって、本音を言えばむっちゃくちゃ強引に全員生存した時「おめー巫山戯んなよ今までの展開なんだったんだよ」と思うよりも、「良かった……意にそぐわない暗殺勝負で死んだ子はいなかったんだ……」のほうが先に立った。
これは多分、キャラクターがそこにいる理由をしっかり描写(しえなちゃん以外)した事と、間抜けながらも関係者全員大まじめにやっていた事が効いたんじゃなかろうか。
狙って出せないポンコツテイストだもんなぁリドルは……天然の仕事だよウム。
結果として走りきってしまえているのだから、リドルには作品を作る上で大事な何かが(それが何回考えても判んなくても)宿っていたんじゃないかと、僕は真顔で考えています。

無論デザイン的な意味も含めてキャラの粒が立ってたのはデカイし、キャラクターの初期立ち位置が秀逸ってのもある。
ギリギリでコースアウトしてドブゲロアニメカテゴリに飛び込んでもおかしくない状態で、ギリギリのバランスで走りきった、貴重なアニメでした。
計算に計算を重ねしっかり作ったアニメも好きですが、結果として走りきってしまうアニメも、僕はとても好きです。
良いアニメでした。

 

・ ハチャプリ
死ぬほどめんどくせぇこじらせ方をしたメス共が、ぶつかり合いの果てにお互いを認め合う回。
あまりの濃度に「ナツコナツコ、ぜってーナツコ。賭けてもいい」と思ってたら成田先生だった。
ハチャプリは友情!
……登場人物全員インテリだったドキに比べっと、ハチャはほんとバカばっかなので、陽性の気配があるのは事実かな?

今までいおなにフォーカスしていたので、先にヒメの問題を総括しておくかー! とばかりに、今まで蓄積していたヒメの『内面的な』問題を一気に前進させる展開でもありました。
自分の問題にばかり目を向けていたヒメが、周囲の助けを受けて前進して即、孤独な闘いを強いられているいおなに目線が広がる所とか、非常に女児向けっぽいポジティブさでナイス。
……まぁ一生だめっこどうぶつされても、視聴者的に困るしね。

プリキュア史上、最も不安定なプリキュア』の異名を、作画面でもほしいままにするハチャプリですが、今回も決め所は非常に可愛くてよかった。
『ボコボコにされた後に生告白』という、めぐみのキチってる部分を煮詰めたシーンも、グッドな作画で滑らず進んでいたと思います。
むしろ潘さんと松井さんが所々不安定になっていたような……ヒメが一皮むけたという表現じゃろうか。

「強烈な感情の迸りは、強烈な圧から生まれる」つーわけで、エースキラー……じゃなかったプリキュアハンターさんも本格参戦。
広域制圧から物量戦で疲弊させて、自分のフィールドで留め、という必勝パターンを持ってる辺り、タダのプリヲタ(コレクター系)じゃねぇな。
……あのクソ神がマンボウの産卵みたいにばら撒いたプリチェンミラーで、狂わされた少女の収集箱とかんがえるとあの空間、マジ笑えない。
アヤツJCをゴッドミラーで覗き見しながら、なんか耳障りの良いサムシングほざいていたけど、ヒメなんて目じゃないレベルのドブゲロだと思うよマジ。

来週はクール切り返しでもあり、予告からも判るコンテの気合いの入りよう。
『内面的』な問題は今回やったので、アクシアの開放とそれに伴う世界被害という『外面的』かつより重要な問題をどう(一応の)決着付けるのか。
アクションだけではなく、そこら辺の落とし所にも注目したいですね。

 

 

・ Selector Infected WIXOSS
販促になっていないカード販促アニメも、ついにファーストシーズン最終話。
一衣が天使っぷりを見せ付け、特に理由もなく「イケる……ハッピーエンドイケる!!」みたいな空気になりましたが、このアニメSelectorでした。
腐れバトルマニアレズビアンことイオナさんが、運営とグルになって見事に大勝利。
イレギュラーっぽかったタマは運営の狙い通り消滅し、るぅ子の相棒はルリグ・イオナさんになってしまいました。
いやー、清々しいくらいに主人公大敗北ルートだったな。
二期があってよかったホント……。

「己の身を犠牲にして世界を救う」つーるぅ子の願いは、まぁどうしても同ネタ先行作品であるまどかTV版を思い出すものでした。
結局映画版で自己参照と再解釈・再生産を余儀なくされた、このサクリファイススタイルですが、Selectorでもまた、キッチリ否定されました。
まぁ神様になっちゃう側はいいかもしれんけど、残された側はシンドいから、作中で正しいものとして認めるわけにも……ということなのかなぁ。
ここらへん、タマを演じた久野さんの熱演がいい仕事をしており、バトル虫から華麗なターンを決めた終盤の展開もあって、心に刺さる演出でした。

そしてタマの純粋さ故に、腐れ運営の腐れウンコっぷりが目立つ結果に……。
運営の説得メソッドがまんまBRSの腐れカウンセラーであり、マリーはホントこういう言い草するクソ女が好きね……という顔になった。
ホント二期で逆転ホームランしないと許されざる展開ですけども、そうなる素地は作った……というか、徹底的に主人公をどん底まで落としたというか。
話の基本理論からすっと、ここから下げっぱなしというお話でもないとは思うので、そのことを心の支えに二期を待ちたいと思います。


ファーストシーズン全体を鑑みると、上手く雰囲気を出しつつサスペンスを引っ張った構成の妙と、悪意だけで構成された超常詐欺システムに取り込まれた少女たちの健気さが光る作品でした。
非常に意地の悪い作品ではあったけれども、そこを打ち破れるのではないか……という期待を上手く煽り、時に裏切り、上手く感情動線を引いて興味を引っ張ることには、上手く成功していたと思います。
情報の出し方がフェアかつ巧妙で、世界の組み立てを考えたくなる魅力がありました。

少女たちの青春の書き方も上手くて、意地の悪さだけで作品を見続けるのは案外シンドいもので、結局見続けるためにはなにか綺麗なものであったり、貴重なものであったり、そういうものを見たくなるわけです。
サスペンスは「起こってほしくないこと」を起こし続けるのがセオリーなので、主人公たちを好きになってもらって、「この子たちにひどいことは起きてほしくないなぁ」と思わせなければ、上手く機能しません。
そこのところは、異常に重苦しい冬の景色や、ノイズを活かした音響などもあいまり、非常に良かったと思います。
さらに言えば、綺麗なものがあるからこそ、えげつない詐欺と運命の苛烈さが輝く部分もあって、そういう意味でも巧い構成だったなぁ、と。

主人公を徹底的に負けさせたファーストシーズンですが、どん底だからこそそこからの這い上がりストーリーはカタルシスがあるはず。
るぅ子の復活劇に、強く期待したいところです。
いやホント、マリーの性格の悪さを再確認できました……ホントヒデェ。(むっちゃ褒め言葉