イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 14/08/04

 

・ アルドノア・ゼロ
ブレードアルドノア・アルギュレ撃退戦後ー半ということで、素直に戦闘して素直に勝つイナホくんと、大人の薄汚い政治に巻き込まれて気付けば首まで油漬けなスレインくん、それぞれの立場が目立つ回でした。
姫様は印籠出したくて出したくて仕方ないけど、火星騎士の掌でコロコロ転がされてるお祖父様を見てると、「印籠抜いたところでどうなんの」と思わざるをえない。

圧倒的な科学技術を持っているようで、高慢な人種差別主義に目を曇らされてウッカリ死したり、派閥主義が極限化して君主すら殺す統制のなさなど、根本的な弱点がチラホラ見える火星帝国。
水蒸気爆発で死亡は、不毛の大地火星ではあんまり想定してなかったのかな?
しかしながら、この話において主人公の対局にいるザーツバルム卿、陰謀の立ち回りが上手く行っているため、スレインくん一人では切り崩しも難しそう。
どっからどう見ても腐ってるのに、切り倒す手段が見つからない巨木という非常に面倒な存在、火星。
スレインくんの受難はまだまだ続く。

一方イナホくんは、ついに独力での敵カタクラフト排除に大成功。
……アルギュレの近接特化スペックと中の人のウッカリ加減を鑑みると、いかに通信障害が在るとはいえ、それなりに戦えんじゃねぇかなぁ地球サイド。
他の地域の状況が不透明なのでわからんけども、イナホくんの戦果が地球唯一の希望! みたいな話になるのかしら。
……ならねぇだろうなぁ、全体的に地味だしこのアニメ。

2エピソード終わってみると、かなりどっしりとした話の運びであり、複数主人公の扱いも堂に入ったもの。
彼らを取り巻く人々の行動と、その結果が相互に響きあって、状況もまた変わっていくのでしょう。
とりあえず、蛇の巣の真ん中で孤立しているスレイン君がそろそろ死にそうなので、なんか手を打ったほうがいいと思うな!

 

・ プリパラ
今此処に三度、小学五年生女子にドはまりするダメな中学二年生女子が誕生した!!
そんな感じの、そふぃ紹介回でした。
らぁらちゃんがあまりにも年上キラーすぎて、どんどんダメ人間が量産されているが素晴らしいのでもっとやれ。
相変わらず要所要所で狂ってるアニメで、ツッコミ放棄のボケ倒しで笑い取れるのは強いなぁと思いました。
ワニとかね。なんだあれ……。

クローズアップされてたそふぃは、普段は干物女で梅干しキメるとクール&スパイシー……とおもいきや、お花に話しかけたりしてるのはただ天然でポンコツなだけなんじゃないかな。
親衛隊もポンコツモードを把握してるみたいだし、ポンコツ可愛いそふぃちゃんを世の中の悪意からガードしてるだけな気がする。
……いい子じゃんあの子ら!!
とは言うものの、親衛隊のガードに阻まれて顔見せ程度にしかコンタクトできない状況なので、お話が回るのはもう少し先かな?
高嶺の花感はよく出ていたと思うので、じっくり関係を深めて欲しい所。

今回地味に描写が多かったのは委員長のらぁキチっぷりで、何だかんだ先回りして面倒を見たり、情報を与えたり、情にほだされたり、お前も小5にズブズブか! もっとやれ!! としか言いようがねぇ。
らぁらもすっかり頼りにしていて、時々ダダ甘えする、姉妹のような関係。
素直に「みれぃ大好き!」と言える間柄……いいよね。
そして来週速攻自宅召喚、両親紹介、多分宿泊。この中学生マジ……。
色んな中学生女子がらぁらを狙うアニメプリパラですが、みれぃが一歩リードといった所かのう。


・ さばげぶっ!
コメディが好調な今期、突き抜けたゲスさとテンションとアップテンポで押し切るなかよし連載青春サバゲ漫画のアニメ化。
ひっそりと見守ってましたが、やっぱ大田監督のコメディは面白いなぁ。
常時アクセル踏みっぱなしのスピーディーな展開、徹底的にゲスい主人公のキャラ、何だかんだめっちゃ気合入ってる銃描写と、見どころ多くてええわ。
後パロディネタな……ガンダムや洋画はまだしも、"Cafe de 鬼のPV"はちょっとわかりにくいだろ……アレどう見ても卓球と瀧だろ……。

あと春日野うららさん(NOTプリキュア)が純情汚物であり、モモカに仲良く楽しくシバかれてる絵面が好き。
白井黒子さんといい、純情汚物が殴られても蹴られても引っ付いてる展開に、自分は弱いなぁ。
何かというとゼロ距離接触を試み、常時発情している肉体感覚が空きなの、うらモモは。
暴力が刺身のツマのように消費されてる状態は、いつかそれが内破しお互いの依存度がむき出しになる展開を予期させるので、一種破滅の予感めいたワクワクがあるのだ。
いや、このおバカギガバイオレンスコメディでそういう部分回収するのかわからんけどさ。

一話を三分割し、色んなシチュエーションで楽しませてくれるこのアニメですが、毎回作画の気合ドコロがしっかりあって、ビジュアルで楽しませてくれるのはとても良いです。
五話で言うと天使と悪魔のドッグファイトのところは、背動入れまくりのイイ作画で非常にグッド。
あと四話の親子追いかけっこを見て「やっぱ大田監督はお家で追いかけっこするシーン好きだなぁ。みなみけでもゆるゆりでも見たよ」と思った。
俺も好き。

上がりっぱなしのテンションでワーッとはじまってワーッと終われる、爽快感のあるアニメだと思います。
こういう読後感を作るためには結構細かい仕事をたくさんしていると思うのですが、そこをドヤ顔せずにさらっと流せるよう仕上げているのは、本当に凄いなぁと思います。
序盤のしつこい程のメタネタ先回りで、作品にエクスキューズを入れないと行けない状況を潰しつつ、言い訳を笑いに変える発想力とかね。
こういう色々考えてるけど、軽快に受け取れるコメディというのは、僕は大好きであります。

 

・ スペダン
老人と子どもとスペース☆ダンディと海、そんな感じのお話。
今回の製作者は脚本・コンテ・演出・ゲストキャラデザ・作画監督・原画全て押山清高という、超押山祭り。
押山さんは元が仕事で名前を馳せたスーパーアニメーターという印象でしたが、話作りから画面全体にまでぐいっと仕事を広げた回で、とても素晴しかったです。

話の展開としては単純かつ骨太で、奇っ怪かつ魅力的な海の惑星で、伝説のビッグフィッシュを追いかけつつ、ジジイとガキと仲良くなり、最後はスケールの大きいSF的ギミックで大団円という流れ。
本筋を追いかけるととっとと終わるので、不思議惑星の観光案内シーンが沢山挟まるのですが、これがすっごくイイ。
9話で植物の星のファンタジーな空気を作画面で出していた押山さんが、今度は海(泥?)の星で異世界の空気を出しまくりであります。
曲線と彩度の低い色彩を駆使し、一度も見たことのないはずなのに何処か懐かしい、見事な異界描写が迸り、「いいなー、この世界をずっと見ていたいなぁ」という魅力に溢れていました。
やっぱこういう「吸い込まれる異界」のパワーこそファンタジーの力であり、そういう説得力に満ちあふれていた今回は、「やっぱアニメっていいなぁ」とつくづく思えた。

しかし異世界として動かない背景(いや背動しまくりだったけどさ)としての魅力だけではなく、今回ダンディが飛び込み闘い見事男の心意気を示した「海と巨大魚との対決」の魅力を、大胆な動きで見せていたのも、今回のとても良い所。
ぶっとい主線でグネグネ動く巨大な波、迫力に満ちた釣魚シーン、圧倒的な自然に噛み付いていく人間たちの奮闘。
大胆さとセンスが同居するとにかく気持ちのよい動きで、ダンディが飛び込んだ海の世界をぐいっと突き付けてくれて、「こりゃすげぇ、すげぇおもしれぇ」と理屈抜きに美味しくいただけるパワーが、画面に満ちていました。
静物としての魅力と、動物としての魅力が同居するというのはつまりアニメーションの根本的な魅力でございまして、そういうのが見れるスペダンというアニメ、その制作体制というのに頭上がらないっすマジ。

無論アニメというのは基本的にお話(いや東欧の実験アニメーションとか一切スジ無かったりするけどさ)でございまして、頑固爺と天真爛漫な子供と触れ合い、何かを成し遂げるストーリーラインは、単純だけど、というか単純だからこそパワーに満ち溢れていて、とても良かった。
徹底して真っ直ぐなエシメはしかし、伝説の魔魚を「嘘だ」と言われて時の圧倒的に本気の目を一瞬写すことで、単純に純真な天使というステレオタイプから逃れて、とても魅力のあるキャラクターだった。
ルドリの頑固爺っぷり、凄腕の漁師としての説得力もよく出ていたし、村人が改心してみんなで幻を捕まえに行く展開も、童話めいていてとても好きだ。
何より、3600年に一度やってくる水の星から海を分け与えられ、泥の海が青く澄むエンディングの叙情性、溢れ出るSFテイストが最高でごわす。

起承転結の破綻したグダグダなダンディも好きだが、今回のようにベーシックかつ堅牢なお話の上に夢いっぱい詰め込んだ展開も、やはり素晴らしい。
とてもしっかりしたお話でありながら、冒険心と奇っ怪な魅力に満ち溢れた、とても素敵なお話でした。
いやー、やっぱスペダンはいい……すンごく良い……。