イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

艦これPRG/出撃の書 使命レビューその3

使命レビューもラスト、P176~P177掲載の使命をレビューしていきます。


・ 深海の呼び声/異形
体の一部が異形化し始め、ネコミミモードになったりアザラシになったりする使命。
ギャルゲギャルゲした空気で展開する事もできるが、クトゥルフテイストで魚人でギョッホーしたりも出来るという、受け幅の広い使命である。
弱点の存在を考えると、どっちかっていうとクトゥルフ寄りなのかなぁ。

効果としてはノーマーク状態だと火力が1点上昇するアビリティとなる。
ベストシナジーはヘッドオンされていないと高回避を高命中に変えられる島風であり、つまり鰓呼吸島風が量産される魚臭い鎮守府が大量生産という!!
補給おっそーいギョホー!!(魚眼・水掻・エラ完全装備島風絶叫)
逆に言うと、自分の航行序列が分かりやすい艦むす(那珂ちゃんや飛竜)は効果を最大限発揮できないし、同一航行序列に敵を引っ張りたい【釘付け】使いとかはあんま相性が良くない。
暴走が非常に痛くなるので、感情は極力横幅広く取るようにしよう。


・ 託された想い/形見
使命の導入で大幅強化された艦これRPG殺伐成分、その一角を担う使命。
死んでるキャラに懸想し続けるのは大変不毛なので、他PCと同型/姉妹艦を失ったことにしたりして、どうにか関係が閉じないようにしたい所。
こういう閉じた使命は最終的に解消される所にカタルシスがあるので、如何に上手くデレる前提でツンツンするかという、けっこう高度なロールプレイバランスが要求されると思う。

アビリティの効果は武装を外せなくなる代わりに、大幅強化が可能になるというもの。
自動的に初期装備を指定することになるので、強力な装備を持っている艦むすとの相性が良い。
千代田甲の甲標的とかが良いんだが、こうなると確実におねえの形見であり、重たい千代田が爆誕するね。
選択するアビリティとして一番どんな状況でも強いのは高性能1。
どんな時でも行動力は強いリソース。
他は直接的に火力が伸びるというよりは、防御性能重視なチョイス。
避けるならダズル迷彩、耐えるなら装甲、防空重視なら超対空かなぁ。


・ 偵察任務/調査力
インスペクターとして、眼鏡をクイクイ言わせて情報調査しまくれる使命。
スパイと似ているが、自分の立場を明らかにできるのが異なる所。
激情に流されず、落ち着いたロールがしたい時とかにいいかもしんない。

アビリティは偵察・作戦シーン・情報収集に+1修正が乗り続けるという超凶悪な性能。
このゲーム、相手のプロットを裸に出来る偵察は非常に強いので、数値の高い零観持ち(大和とか)が取得すると、安定性が増すだろう。
戦闘だけではなく、イベントシーンの判定も安定化出来るのは非常に強力であり、ミドルのトンチ力を磨き上げて「これは情報収集ですよね?」でゴリ押してプラス貰う動きが強い。
無論、有利さだけ追い求めて強論を繰り広げているとお寒いプレイになっていくわけで、周りを見た取り回しは重要になる。
有利なところだけではなく、得意分野での判定失敗にリスクが伴う弱点設定はナイス。
此処を補うために、再挑戦の敷居は下げたい所。
……大和だと運用難しいじゃん!


・ 臆病者/恐怖心
俺の心の恐怖心が宿ったり、犬の首輪が欲しくなったり、自分だけアバンの証が光らない腰抜けになれたりする使命。
他の使命が殺伐としてたり情報に強かったり、取得することで『強く』なれる物が多い中、明確に『弱く』なれるのはロールの差別化という意味で面白い。
低いところからじわじわ上げていくロールプレイの手法というのは色々あって、難しいが面白いロールプレイなので、それをブーストしてくれるこの使命はなかなか良いと思う。

アビリティの効果は装甲を貫通されるまではタフになれるというもので、特に先制空爆/雷撃に対する安定性が増すのは良い。
最初から傷を一切受けないシフトを組むべく武蔵に積んだり、ダメ今効果をさらに上げるべく響に積んだりするとシナジーが生まれる。
……臆病者が似合わないメンバーばっかだな!!
そういうイメージの齟齬を上手く扱うと、ロールを加速させてくれる要素になったりするのもまた面白い。

弱点は装甲貫通されると暴走判定直行というリスキーなものであり、狂戦士とかツモると凄いことになる。
これを利用して行動値の一挙補給ができたりするので、上手く使うと利点に出来る。
暴走の結果はランダムなので、過信は禁物だが。


・ 相棒/喪失感
Miss youな気持ちになれる使命。
託された想いと異なり、相棒艦は沈んでいないので少し風通しが良い。
が他者との交流へのガードが高くなる使命に変わりはないので、ツン/デレのボリューム調整が大事になる。

使命アビリティは味方轟沈時に確実に感情を取り、回収可能になる効果。
最高に相性が良いのは戦闘中に発見を行い、ランダム判定を踏み倒すことの出来る球磨ちゃんであり、このシナジーを積んだ艦隊ではほぼ撃沈艦が出なくなるだろう。
他には感情取得であることを利用して金剛や朝潮なんかとシナジーするのだが、キャラロストが見えてくる轟沈は極力避けたい状態でも在る。
感情取得のチャンスというよりは、やはり轟沈回避を狙ってシナジーを組んだほうが良いと思う。

弱点の回避に関しては、飛鷹でイベント一番手を貰ってイベントデックの積み込みをするのがスマートか。
そうなるとロスト艦は隼鷹だよなぁ……。


・ 晴れない心/戦う意味
戦いに膿み疲れ最早うんざりな状態でゲームを始めることの出来る使命。
キャラクターがモチベーションを失っていることと、PLがゲームに対してモチベーションがないことはイコールではなく、ココを勘違いするとゲームに乗りきれない状況を長引かせてしまいがちなので、注意が必要。
他の使命でもそうなのだが、ネガんティブな状況は低いところから初めてそれを回収することにカタルシスとドラマが在るわけで、下がるロールは上がることを意識して取廻したほうが、事故率が下がるだろう。

アビリティ効果は朝潮の個別アビリティによく似た、汎用性の高いもの。
自分から相手に対して限定なので、積極的に交流シーンを引きたい所。
アイテム取得艦むす(熊野・酒匂)で思い出の品を狙い、ガンガン使うのもアリか。
弱点はロストしやすくなるものなので、ダメコンを重視して動く必要があるだろう。


・ 記憶喪失/空白
ハイランダーな立場になれる、記憶喪失系使命。
「和平への願い」や「数奇な運命」に並ぶ主人公系使命であり、文字通り空白であることを上手く使って、後出しでなんでも詰め込めるのがキャンペーン向き。
何でもかんでも「思い出した……そういうことだったのか」で切り返せるのは、すっげー便利。

効果は発見のダイスを2つ振り、有利な方を使えるというもの。
弱点をツモる可能性が減り、行動力ダメージも削れるという、見た目よりはるかに強いアビリティである。
弱点によるアクシデント表は思いの外リソースを削るので、その可能性を削ることはトータルでのダメージを大きく減ずる結果になる。
弱点で行動力最大値が減るが、それを十分補ってあまり余る効果があるといえるだろう。
とは言うものの、一発気絶の可能性を上げる必要もないので、超大型艦は避けるべきかも。


・ 軽蔑/孤高
人類生きるに値せずという、戦争モノで想定できる最も低い心象からゲームを始めれる使命。
低いところからカタルシスを得ていく使命は多いが、おそらくこの使命がどん底。
「臆病者」「復讐鬼」「災禍の中心」などの下げる系使命だけでまとめた、ボトムズ鎮守府で一回遊んでみたいなぁ。

アビリティはスペシャルをトリガーに、誰にもなんとも思われていないほど火力が上昇するという効果。
スペシャルを有利に使える個性を持ってるのは長門と深雪であるが、二人共暗い目で「ゴミどもが……みんな死んじゃえばいいのに!」と言ってるのが似合わない艦むすではある。
弱点もそうなのだが、このゲーム声援は一番強いサポートなので、重い制限がかかる使命はそんなに強くなり。
プレイのメリハリを付ける意味でも、感情は取りたいしねぇ。
とは言え最大で火力+5という壊れ性能ではあるので、上手く使いたい所。


・ 運命の出会い/猛アピール
グイグイ行って、ラブコメ時空を発生できるようになる使命。
これでフォローアップできるのは女性の異性愛者だけなので、その他の性的指向は使命に頼らず再現した方がいいと思う。
NPCとのコンビ打ちになるので、関係が閉じないように立ちまわるのが重要になる。

アビリティの性能は行動力と引き換えに、男性NPCの感情値を上げることが出来るというもの。
声援は強い行為なので、行動力と引き換えに感情1上昇はとても強い。
NPCのが保持する感情なので、自分の感情保持上限には関係ない所がミソ。
艦これRPGに置いて、恋愛と友情は両立できるようだ。
ただし、弱点効果により無条件で暴走がついてくるので、あまり振り回されないように気をつけよう。


・ 偽物の英雄/コンプレックス
大口叩いた結果、大変なことになっちゃう使命。
是非新米艦むすをセットで出して「有名な英雄の○○殿でありますな! 光栄であります!!」とか言わせた上で死の窮地に巻き込んで「○○殿ー! 助け……助けてください!! 英雄なのでしょう!!」とか言わせたい。
お話としてはそこで殺して後悔に苛ませたいところでは在るのだが、TRPGに置いては助けるチャンスを、たとえ達成困難でもいいからデータ的に作成しておくのが大事だと思うネ。

アビリティの方はアクシデント表を振れば振るほど、声援の回数が回復していく効果。
ファンブルは狙って出せないので、主に弱点効果でアクシデント表を振っていくことになる。
時津風の個別なんかで、積極的に振っても良いが。
声援回復を狙ってアクシデント表を振りまくっていると、なかなか大変なことになるので注意。
代償効果で、弱点取り過ぎても行動力が削れていくのはうまい具合に抑止が効いていると思う。


・ 傭兵艦娘/古強者
ベルナデッド隊長面でワイルド・ギースを遊べるようになる使命。
基本的に正式に軍に所属しているキャラをやるゲームなので、こんな風に枠を外せるデータはかゆいところに手が届いてとてもグッド。
「兵隊さんは頭が硬いなぁ……ちったあ良いじゃねぇか」とか言えるしね!
俺も言いたいよ!!

アビリティ効果としては、戦術スキルの切り替えが可能になる。
分かりやすい使い方としては、【物資調達】や【気配り】といったミドルで効果を発揮する戦術アビリティを、ミドルラストの平常シーンで戦闘用のものに切り替える使い方がある。
戦術アビリティの腐りがなくなる上、【物資調達】はいろんな効果とシナジーする優良なアビリティなので、面白さだけではなく強さも在る。
普段はおちゃらけてチョロマカシばっかやってる傭兵が、いざ修羅場となった瞬間歴戦ッ面するロールの後押しも出来てカッコイイしね。

しかしながら【物資調達】で使う資財が代償効果で減り続けるので、初期個性が少ない小型艦で運用したほうがいいかも。
……戦場の小ネズミっ面で物資の横流しばっかやってるちびっ子かぁ。
……ンんんんn……ある!!(ロールプレイシナジー審議委員会、久々の開催)


・ ライバル/好敵手
特定の相手にツンツンしたり時々デレデレ出来たりする、狙い撃ち気味な使命。
こういうターゲットが明確な使命を取るときは、その対象にロールが偏りがちなので、如何に横幅広く視野を持つかが重要になると思う。
普段のプレイでもトス上げを偏らせないのは重要ですけどね。

効果としては航行序列を被らせると、自分の火力が伸びる効果。
このゲームは基本よ幅広くプロットし、フリーな敵をどれだけ作らないかが重要になるので、セオリーから外れる以上リターンは取りたい。
那智さんでライバルにもリターンを与えるか、【堅城鉄壁】【護衛艦】【疾風怒濤】などの『同一航行序列になると有利』な戦術アビリティを有効活用したい。
各種潜水艦や初風といった、特定条件で序列を合わせる事のできる個別持ちと組み合わせても、面白い効果が出るだろう。
声援使用が少し重たくなるが、ツンデレはツンツンしつつデレデレしないとキャラ記号の意味が無いわけで、ライバルには積極的に感情を取りたいネ。

 

そんなこんなで、全使命のレビューを終えました。
こうして見返してみると、戦場モノを遊ぶ上で欲しい個性がことごとくデータ化されておりキャラ表現の幅がグッと広がる素晴らしい追加データです。
汎用性の高いものだけではなく、艦これ世界に特有の問題を掘り下げた個性もたくさんあって、特異性も追求しているのがグッドです。
データバランスも良好で、使いたくなる程度に強く、ゲームが破綻するほど強すぎず、使いたくなくなるほど弱くないといういい塩梅。
是非鉄底キャンペーン以外のシナリオでも導入して、艦これPRGライフを充実させたい所です。