イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 15/04/16

アイカツ!:第129話『トークの花道』
アクション俳優にPV作成にお天気キャスターと、様々な現場に体当りしてきたアイカツ!社会見学。
今回はトーク番組の裏側にあかりジェネレーションが挑む、お仕事解析回でした。
相変わらずアイカツ!社会見学は取材と見せ方がガチで、思わず頷きながら見る。

パワポでプレゼンしているような手際の良いコツ解説も凄いのですが、最初の楽屋訪問で失敗を先取りしておいて、ダイジェストでのトーク成功に説得性をもたせ、CGステージを挟んで適材適所で終わらせる構成は、結構説得力があって良かったです。
しっかり積んだ結果、まぐろさんの話芸へのハードルが棒高跳び位になってたので、想像に任せるダイジェストは正解だなと思ったり。
超遠回しに『トークはそんなに良くなかった。普通。特にひなき』と釘を刺すまぐろさんは、ネタにしつつも、実際鬼。

あかりジェネレーションの意識が高すぎてマジビジネスパーソンとか、スミレちゃんの『自分が美少女であることをオムツ付けてる時から武器にしてる感じ』がスゲェとか、ひなきちゃんは何がどうなっても殻を破れねぇなとか、キャラ方面でも結構見どころのある回でした。
まさか先輩勢で新展開一番槍を付けるのがおとめとは……いや、むしろ一番自然か。
『キラキラしてる』とか『背中を追いかけたくなる』とか、天性の才覚が求められるジャンルには弱いが、努力で埋まる所は全て埋めてるもんな、おとめは。
今回のような根回しと事前準備が重要な話では、メンターとしてベストチョイスでしょう。

アイカツ!のカッチリとした側面がよく見える、毛並みの良い回でした。
次回はスミレちゃんが持ち前の美貌を活かし、色んなタイプの美少女を取っ替え引っ替えする話らしい。
期待で次回予告が歪んで聞こえた可能性がないわけでもないが、誰選ぶかは単純に楽しみです。
……凛かなぁ、本命は。

 

・響け! ユーフォニアム:第2話『よろしくユーフォニアム
OPやAパートで『けいおん!』みてーな京アニゆるふわガールズ音楽アニメだとでも思ったか? じわじわ腹筋を殴り続ける生臭い話だよ!! という覚悟を決めさせるための第2話。
ナチュラルに口が悪い主人公だけではなく、普通であるが故のズルさの塊のような葵ちゃんやら、正論で高校生の精神を追い詰める気配しかしない顧問などなど、見えてる地雷を抱えたメンツが大集合。
今回手に入れた『全国大会』の金看板の下で、いくつの罵詈雑言と粘っこい人間関係の軋みが唸ることになるのか、来週が怖いお話でした。

Aパートはまだヌルい部活の残滓というか、葵ちゃん言うところの『アリバイ』としてのブラスバンドが続いている状態。
主人公・黄前さんも高坂さんとの復縁方法だけを考えていればいい、音楽が人生の中に入っていない精神状態であります。
とは言うものの、高校1年生にとっては人生の一大事であり、これから来る嵐と同様に重大な、小さな小さなうねりだとは思うのですが。
おそらく来週吹き荒れる不和と粛清の嵐と、等身大の少女の内面がどういう競り合いをするかも、楽しみなところであります。

そんな平穏でつまんねぇ日常にとんでもない大人がやって来た! というのがBパートでありまして、目標設定のシーンの容赦の無さがマジでヤバい。
アイドル活動に勤しんで芸能界で日々激務に勤しむ中学生じゃねぇんだから、フツーの高校生にあの質問は十中八九実力主義方向に行く。
そして、何の考えもなしに無記名多数決にしちゃったことも相まって、大量の地雷をばら撒いたことに一部の子しか気付いていねぇ、という。

先生がこの結果を予想して生徒に決めさせたのか、はたまたどっちルートでも腰を入れるつもりだったのかは分かりませんが、チョークで不快音出した時の対応考えても、あの人は一度ガチると(形のだけな上に不備だらけとはいえ)生徒が決めたら、顔色や脱落者など見もせずガチるタイプ。
楽器紹介パートが京アニらしい『抜けた楽しさ』満載だっただけに、こっからの急カーブを予期させる不穏なシーンになってて、サスペンスとして良く出来てました。
切り株映画見てて、『ああ、この尖った部分は確実に刺さるな、目か腹に』と予感するのに似てるね。


話がカーブした瞬間、ゆるふわの衣を脱ぎ捨てて生っぽくなるのがこのアニメの特徴でして、主人公はどっちつかずの心理状態そのままに両方に投票せず、葵ちゃんは奇妙な覚悟すら感じる単独ゆるゆわ主義を貫く。
多数決の後の会話シーンは、二人の立場を整理し、部の行く末を上手く暗示するとても優秀なシーンだと思いました。
過剰なまでの光の演出が、高校生活というつまんねーんだけど貴重なマジックタイムを巧く引き出してるのは、京アニらしい演出。

葵ちゃんが口にしている『アリバイ』としての部活動は、あの時『全国大会』に手を挙げた部員の中にも(もしかするとほとんどが)感じている事実であります。
でも、その事実に向かい合って素直になれる人間が少ないのは、挙手の数が如実に示しています。
その建前と本音のギャップを考える暇もなく、形だけ公平な無記名挙手制でパパっと片付ける態度それ自体が、今の吹奏楽部のポジションを示している。
ここら辺は第1話から仕込まれていたネタではあって、サラッと流される練習(してない)風景の緩みっぷりとかを見せることで、『アリバイ』でしかない吹奏楽部の空気は、良く伝わっていました。

そして、それは顧問の危険な気配と露骨に相反する。
だからこそ、不穏な空気が漂っているわけです。
徹底的にやったあとの風景を感じることも出来ず、さりとて『アリバイ』としてだけブラスをやる覚悟もない、中途半端な主人公が、この後訪れるだろう嵐の中でどう変化していくのか。
主人公ほど捻くれてない葉月ちゃんと緑ちゃんは、吹き付ける風に一体どうするのか。
『アリバイ』でしかない部活動の中でふやけているその他の人物たちは、どういう顔を見せるのか。

不安と期待を煽る、見事なジェットコースターの上りでした。
さて、これから下るわけですけども、どの位の早さを出してくるのか。
京アニの新境地、とても楽しみです。