イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 15/04/21

Fate/UBW:第15話『神話の対決』
24分まるまるイリヤに捧げた、白い幼女が退場するためのお膳立て回。
一期での戦闘といい、UBWイリヤ描写は大盛りだなぁ。
立場的に悲惨過ぎるので、バサカともども描写が太ったことがいいのか悪いのか、判別付かないけど。

クソみたいなカルト一家に製造され、目的の大聖杯は汚染済み、その影響で母親(の死骸)はアストラル核廃棄物に変化し父親が慟哭とともに廃棄処分。
大好きなパパとは一生会えなくなるわ、体ズタボロにされながら一人でマスター兼聖杯の仕上げをしなきゃいけないわ、クソみたいな聖杯から毒電波が流れ込んでくるわ、気になってる弟とは殺しあうハメになるわ。
ZEROも含めて考えると、3クール+α一切いい事無かった人生だもんなぁイリヤ……。
思う存分、プリヤ時空で女の肌を堪能してくれ。

バサカとイリヤの馴れ初めに関しては、原作をさらに膨らませた大増量版。
廃棄されたホムンクルスと会話するシーンは、悲壮感と奇妙な清潔感があって良かった。
15話も続くと忘れがちだけど、やっぱ背景美術すげーよなぁ……お城寒そうでグッドでした。
イリヤの描写が太ったことでバサカのキャラも立って、ギルにも冷や汗かかせることが出来たのもあって、なかなか良かったんではなかろうか。

UFO版イリヤはとても可愛いので、酷いことするギルの株も大下りであり、ラスボスとしては素晴らしい。
幼女の眼球潰すゴミっぷりと、その癖舐めプして死にかけるウッカリ加減を見ると、『ああギルってこういうキャラだねそういえば』という気持ちになった。
城の戦闘は全体的に血生臭くて、思わず目を逸らしたくなる感じでとても良いです。
殺しあいやってんだから、そんぐらいの方が良い。

来週出だしからしてハートキャッチ☆イリヤっぽいですけども、今回からの流れだと辛いなぁ。
辛い思いをさせるのが狙いの展開なので大正解だけど、士郎くんの逆転劇もまだまだ先だし……。
それはさておき、セイバーさん主演のエロティック裏番組『教会の地下でドンジャラホイ』が、あと何週続くのか。
気になりますね。

 

・Go! プリンセスプリキュア:第12話『きららとアイドル! あつ~いドーナッツバトル!』
プリプリ1クール目もそろそろ終わりということで、初のフル尺ギャグ回。
新キャラのらんこパイセンの見事なキャラ立てで、笑いの絶えないコメディに仕上がっていました。
タップリ笑ったおかげで、クローズさんの死の衝撃も和らい……どうかなぁ、それはそれ、これはこれか。

今回のお話を引っ張っていたのはなんといっても新キャラ、一条らんこ先輩。
感情むき出し・前に出まくりのウザかわキャラ(おそらくモデルはももち)としてお話を引っ掻き回し、コメディエンヌとして一級の輝きを放っていました。
ただウザいだけではなく、闘争心は見せても競争で卑怯なことはしなかったり、ギャグテイストながらど根性なところを見せたり、キャラを好きになれる描写が多くて良かったです。

存在感のあるゲストに突っかかっていくことで、完璧超人なきらいがあるきららの泥臭い部分を見せ、別角度から光を当てる回でもありました。
途中で帰った社長の狙いも、テレビで目立つことではなく、らんこのハングリーさを見せることだったんかな。
みなみ回とはまた別の魅力の引き出し方で、プリプリの引き出し多いなぁと関心します。

プリプリ初のコメディ回ということで、どういう笑いを作っていくのかなぁと気になってましたが、全体的にサラッと流す上品な感じ。
小ネタは軽やかに扱い、大ネタであるドーナツマラソンは濃い目に描写するメリハリは流石だ。
温度低く突っ込んでいくみなみさんのツッコミ(に見せかけたボケ)が冴えていて、一番美味しい位置でした。
はるはるのリボン芸といい、天丼をサラッと流すことで徐々に火力を上げていく作りはイイなぁ。

プリプリらしい上品な毛並みの良さがコメディでも生きた、楽しいきらら個別回でした。
らんこパイセンは同じ学校にいるので、今後もちょくちょく顔を出して欲しい、良いキャラですね。
来週は新幹部&新プリキュア候補のお目見えですが……予告を聞くだにはるはるがベタ惚れなんですが、色々と大丈夫なんですかね……。

 

・ハロー! きんいろモザイク:第3話『あなたがとってもまぶしくて』
狂気と可愛いの混ぜご飯アニメ、今回はヨーコの弟妹を軸に、ガガンボ系レズ(触っただけで手足が取れそうなくらい弱そうな生き物を意味するスラング)ことあややと、犬のお話。
あややが何かと赤面し勝ったに盛り上がって勝手に発情して勝手にヨーコにときめくのはいつものこととしても、犬の話になってからのアクセル踏みっぱなし感がヤバ過ぎる。
萌え萌えなふりをして原液の狂気を流し込んでいくスタイルは、『さよならを教えて』をどうしても思い出す。
そうです、ヨーコが私の畏敬する天使様なのです。(学校が隔離病棟であることが判明してエンド)

今回はなんというか、あの五人組が一回転がる始めるとどういう風になるのか、実地で見せてくれたようであり、笑っていいのか恐れていいのか萌えていいのか、良く判らん混沌が叩きつけられてなんだか気持ち良かったです。
だって監督役の先生二人まで狂っていくんだもん……前衛演劇かなんかかよ……。
ヨーコが一身にツッコミ役を担当していたけど、狂ってる友人を引き戻すつもりが無いので、ツッコミを受けつつ狂気が加速していくドライブ感は、もう萌え漫画の領域じゃない気がします。
作中でも指摘があったけど、周囲を一切気にせず自分たちのテンションだけでガンガン進んでいける空気は、確かに小学生っぽい。

あややに関しては、もうどうにもならないレベルのクソレズ過ぎて、マジ素晴らしい。
アレだけバレバレの好意をスルーしてるのは、やっぱヨーコがDOLCE系女子だっていう証拠なんじゃないかな……。
本人に対しては巧く踏み込めないので、弟妹を攻めに行こうとして綺麗にカウンター食らう所とか、まるで誘蛾灯に引き寄せられるガガンボのようだった。
弟妹があややを見る態度が完全に『あ、姉のことを好き過ぎるレズだ』と見切っていて、しかもそこにはツッコミが入らない所を見ると、この話小学生に至るまでフラットな性意識が行き届いた、『アイカツ!』とか『スタートレック』みたいな世界なんじゃねぇかな。

出だしからしてあややをハメようとしたり、ナチュラルにヨーコを見下してたり、アリスの黒い所がたくさん見れたのも良かった。
三話まで見てようやく、このアニメがジャンルとしてはKashmir漫画に近い、『毒と萌えとウィットの過剰摂取により脳味噌を加速させ、何が何やらよく判んねぇ状態に追い込まれていく自分を楽しむ作品』だということに気づいたぜ。
ヌイグルミONルンバでもふり衝動が収まるアリスもアリスだが、何の説明もなくドッグロボを作成してるシノも相当キチってる。
狂ってる状況はそのまま流して、視聴者に突っ込ませたほうが笑いは奥行き出るもんな……それにしても、どうやって作ったんだろうなドッグロボ。

まーキチりつつも仲が良い所というか、狂気を受容してしまうほどの友情がさらに狂気を加速させていくというか、加速するマッドネスに水を差さない愛情重点は、俺も好き。
笑いにしてはいるけれど、ヨーコが弟妹に『嫌い』と言われたまま世界を閉じないセンスは、やっぱり好きなのだ。
差別や無様さも笑いには大事だし、この作品もそれを燃料にコメディを回しているはいるけど、落とし所はなんかほんわか出来る所で、というのは、個人的には有り難い。
どんなに毒と電波が漏れ出る展開だろうが、力技でほんわかさせに来る所が更に狂気を加速させ、この作品のビザールな魅力を高めている側面もあるし。

きんモザのツインカムエンジンである、毒と可愛さがブンブン唸る回でありました。
今後もこのくらいの速度でブンブン回しつつ、女の子がキャイキャイしてくれると非常にグッドナイス。
今週も背景でモブ女子がイチャイチャしてたなぁ……そういう世界律なんだろうなぁアレ。
そういう箱庭感も引っ括めて、毒入り砂糖菓子みたいな魅力のある話ですね、このアニメ。

 

・SHOW BY ROCK!!:第3話『Yes!アイドル♡宣言』
狂気とノリと勢いと、ケモノと音楽へのリスペクトをタップリ乗せた過積載型ど真ん中青春バンドストーリー、第3話はライバルバンドとのバンドバトルだ!
獣耳カワイコチャン/SDケモノという外見に似合わず、というかそっちの魅力は全力で引き出しつつも、『青春で』『バンドで』『対決』という話の主軸に真っ向から向い合い、オーソドックスながら魅力的なお話をしっかりやっているエピソード。
シアンの天才性が見えたり、各キャラクターのオリジンが判ったり、しっかり負けさせることで勝ち負け以上の価値を音楽に付与していたり、『キャラ見せも終わって今度は肉付け』という三話目に求められる要素をすべて満たした、素晴らしい仕上がりでした。

SB69が侮れないのは、サブジャンルの違いをしっかりと、そして魅力的に見せていること。
あくまで『ロック』という大きな括りは壊すことなく、ガールズロック、ヴィジュアル系ハードロック、アイドルロックという、各バンドが身を置いている文脈、それを成り立たせる差異を丁寧に拾って、非常に『それっぽく』見せることに成功している。
『それっぽい』というのは、音楽を主軸に据えつつつもキャラクター商品であり、物語でもあるこの作品において、とても重要な間合いだと思います。

ガールズロックであるプラズマジカには、ただ甘いだけじゃない格好良さが必須であり、ロックアイドルであるクリスティクラスタには、全てを押し流すような圧倒的な可愛さが欲しい。
ステージ設計、楽器のヴィジュアル、実際の楽曲、音楽が生まれるバックボーン等など、種々の要素を丁寧に仕上げることで、彼らが違うジャンルながらそれぞれに魅力的で、活き活きしていると伝わるのは、とても良いと思います。
声高に『ガールズロックってのはこういうもんで!!』とがなり立てるのではなく、ぶっ飛んだ設定と萌え萌えなキャラビジュアルを全面に押し出しつつ、世界の真ん中にある音楽に真剣に取り組むことで、(今回シアンがそうであったように)言葉以外のものでメッセージを伝える自然さがあるのは、なかなか凄いなぁ。

クリティクリスタ、アイドルで揉まれてるだけあって常時カメラ目線と表情作り完璧だもの。
プラズマジカの方は控室でのぶつかり合いを反映して、客よりメンバーの方を気にかける目線作り。
こういう所を抜かずに作り込んでいるのは、表現者たちのお話としてすごく大事だと思います。


そういう分厚い足場があるからこそ、今回のド直球バンドストーリーが映えるわけで。
バンドを結成しはしたけど、まだまだ3話で描写も足らず、イマイチ一つになれないプラズマジカ。
各々抱えている『何故ロックなのか』という理由をしっかり見せ、対バンの緊張や圧倒的な実力差という障害を用意し、それをジャンプボードに結束を深めるという展開は、バンドモノの王道であり、確かな満足感があります。
いやー、やっぱベタなネタはいい、素晴らしい。

真っ直ぐな展開の中で、主人公シアンが何故主人公なのかも、スンゴイ速度で視聴者のミットに飛び込んできました。
ガチャガチャ喚き立てる他メンバーを、ピックの一閃で黙らせる圧倒的な音と才能。
言葉には出来なくても、やるべきことを直感し実行もできる、確かな行動力。
『それがあるからシアンが主人公なんだよ! この話ロックの話だし!!』という主張が、ズドンと胸に迫るお話で、とても爽快でした。
音楽で世界を救うんだから、バンド崩壊の危機も音楽で救わないとな!!

どんどん前に進むシアンの魅力も、後ろ向きなレトリーの誘い受けがあってこそ。
『ツンチョロ褐色金髪レトリーバー眼鏡内気ナードレズ』という、東名高速を走ってたら確実にポリスに注意されるレベルの過積載キャラですが、等身大な悩みを抱える姿は後の展開を引き出しておりベリーグッド。
『言いたいことは沢山あるけど、なかなか言えない』という悩みはシアンと共通であり、これを音楽でなら突破できるという構成は、キャラの問題点がしっかり主題に絡んでいて凄く巧みです。
オーソドックスなキャラの取り回し、話の転がしを間違えず、素直に素早い球を投げ込んでくることが、ただ突飛なキワモノ企画以上のパワーを、このアニメに与えている気がします。
……このタイミングで個別回をやってしまうと、終盤の盛り上がりをチュチュに掻っ攫われる気もするが……まぁレトリーだし、負け犬ルートはしょうがねぇな。

三番目のお話に相応しい、見事な主役バンド掘り下げ回でした。
ライバルであるクリスティクラスタも可愛らしく、いやらしいライバルかつ音楽では真っ向勝負という、良い味付けでした。
……『ライバル心むき出しにしつつ、勝負では卑怯なことはしない』という描き方で好感度上がるのは、プリプリと繋がるな。

そして来週の登場バンドは和ロック。
どういうお話が展開され、どのような狂気が暴れ狂い、どういう見せ方で和ロックの魅力を引き出してくるのか。
タップリ盛りつけつつもはみ出さない、SB69の手腕を期待したいところです。