イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

うしおととら:第4話『とら街へゆく』感想

ツンデレ少年とツンデレ妖怪が大暴れする至高のツンデレ現代伝奇、五話目はとらちゃん用ヒロインお披露目回。
これまで結構小規模で住んでいた化け物の被害が拡大し、スプラッタな描写が『血さえ描かなきゃいいんだろ?』という、開き直った演出で描写される回でもあります。
荒れ狂う暴風をねじ伏せるとらちゃんが、可愛いだけの金髪ロングではなく、凶猛な戦闘力を秘めた魔獣だと伝わってきて、いいエピソードだった。

今回はとにかくとらちゃんPLのロールプレイが冴え渡っており、TRPGモノとしては興奮しきりでありました。
キャラ付の根本である『人間を食いたい凶悪な化け物』の部分を敵に叩きつけて見せ場にすると同時に、他PLにそのエゴをぶつける時は時に死なない程度の小競り合いをし、時に『腹が減って戦えない』と宣言し、非常に巧い調整。
潮が苦戦した餓眠様を問答無用で捻り潰しつつも、最後の一匹はあえて逃し潮のキメ所を残すところなど、円熟の域です。

対する潮も老練なプレイングが冴えており、前回シナリオヒロイン羽生さんを受け持ってカッコ良かった分、早とちりからとらを疑ったり、餓眠様にぶっ飛ばされたり、主にピンチ演出を担当していました。
こうして交互に敵の脅威を強調する役を担当することで、お互いの見せ場は作れるし、相棒の凄みを引き出すトスにもなるし、下がった株は次の見せ場ですぐ回復するし、いいコンビ打ちだよなぁこのPC1とPC2。
早めに情報収集NPCであるおじさんとコンタクトして、敵の事情を周知しとらの疑いを晴らす動きとかも巧い。
そして何より、物語の都合をよく見る巧さを、物語へのモチベーションの高さ、真摯さがしっかり上回って、お話の都合で動いている感じを受けないのが凄いのね、うしとらのキャラ回しは。

ヒロイン役である真由子は相変わらず可愛らしく、とらちゃんとの少女漫画的運命の出会いシーンも火力十分。
巻き込まれ型ヒロインなんですけど、ちゃんと体を張って他人を助け、心の強さを振り絞る描写が一回はある所が、このアニメのキャラに好感を抱ける大きな理由だと思います。
ぼーっと突っ立って事件が解決するのを待ってるキャラ、マジいない。
あと走り回って声が上ずると、ちょっと北王子さくらっぽくなるのがアイカツ!ファンとしては地味に嬉しいですな。


そんなヒーローたちが大活躍する余地を作るのが、極悪妖怪餓眠様。
外見はキモイわ人はバンバン殺すわ、貫禄十分な悪役ぶりでした。
物語においては悪役が巻き起こす災禍が悲惨なほど、それをどうにかしてくれる英雄への信頼とカタルシスは大きくなります。
なので、餓眠様が引き起こす悲惨なスプラッタを、規制とか色々ありつつちゃんと迫力ある描写にしたのは、とても良かった。

あと、餓眠様はとらちゃんを引き立てるバンプがすげー巧い。
出落ちで潰れたハエにされる兄者といい、半分に齧り殺される爺といい、電撃で消し炭にされる残りといい、とらちゃんの圧倒的パワーが良く分かる死に方で、いい仕事をしていた。
前半の文明アレルギー描写で可愛げを、後半の戦闘で頼もしさと格好良さを、両方強調できているのはいい見せ方だなぁ。
こういう両面性が、とらちゃんの魅力だと思うので。

というわけで、妖怪街へ出るお話でした。
5話分を一気に消化しつつ、食い足りなさも詰め込んだ感じもないのが、さすがの手腕。
来週来る鏢さんのエピソードにも期待が高まる、いい仕上がりだったと思います。
……また男ツンデレか! 凄いヒロイン供給量だな!!