イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プリパラ:第58話『かえってきたファルルでちゅ』感想

10月から夕方に引っ越すことが決まったプリパラ、ふわり編が落ち着いての仕切り直しは機械歌姫の帰還。
一期終盤を非常に盛り上げた、ファルル&ユニコンが仲間を引き連れて帰ってきた!!
これ妹分っていうかグレムリンの群れなんですけど、大丈夫なんですかね。(ダメなので来週もファルルエピです)

ファルル編は女児アニの皮をかぶりつつも、純粋無垢な機械であることの意味、そこから人間になることの意味を徹底的に掘り下げ、機械の死と再生まで突っ込んだ濃厚なSFでした。
そんな物語を経験したファルルが、今どういう人物なのか見せるというのが、今回のお話の主眼の一つ。
過去の自分と同じ境遇の新生物を保護する、非常に立派な教育者になっておりまして、あの終盤を興奮しながら見ていた身としては嬉しい限りです。
アイドルとしてもバリバリ現役であるところを見せ、全体的な扱いのバランスが良かったと感じました。

愛ゆえに歪みまくったユニコンも、ファルルとの新しい関係を頑張りながら再構築しており、怒る訓練をしないと怒れない愛情の深さは相変わらず。
ボーカルドール再生事業はちょと頑張り過ぎな気もしますが、『ファルルと同じ子たちだから……』と思うと、もうほっておけないんだろうなぁ。
ここら辺、キャラの大事で輝いてる要素を正しく発展させた描き方で、過去キャラが帰還するお話としては理想的な見せ方でした。


人格者として完成した二人が戻ってくるだけでは、お話は回らない。
なので、好奇心といたずら心に満ちたミニファルル達が、今回の賑やかし&かき回し役を担当します。
あらゆる物事に『なんで? どうして?』と聴き殺してくるところとか、そうやって集めた知識をすぐさま吸収する所とか、束になって暴走を始めるともう止まらない所とか、生々しいクソガキ加減が良かったです。
結局ママであるファルルにしか懐かないところとかも、機械じかけのエゴを感じさせて良い。

そんなミニファルルの群れからはぐれたのが、プリパラの闇を煮詰めて生まれた怪物ガァルル。
近づくもの全てに噛み付き、アイドルより怪獣になりたいという傷ついたイレギュラーが、統一された意思を持つ群体から生まれたという設定は、異常なまでのSF味を感じます。
ていうか、具体的な意思と個体を手に入れるまで凝っているプリパラの闇の深さが、あんま想像したくないレベルでディープでドープというか。
……今更か、マスコットの墓場とか、めが姉システムとかあるもんな。

ガァルルが生まれながらの怪物だとしても、はたまた歪んでしまった子供だとしても、彼女の荒んだ心を放っておいては『みんなトモダチ』というモットーが泣きます。
彼女に手を噛まれても手を差し伸べ、なんとかコミュニケーションを取ろうとするアイドルたちの姿は、ハッピーな終わり方を予感させ、とってもグッドでした。
今回はファルル&ユニコンの現状解説と、ミニファルルというスタンダードな存在の説明に時間を使ったので、より深い交流は次回やるのでしょう。
……名前に『ガァル』が入っているので、『怪獣がじつは一番女の子でいたかった』というベタな展開がいいなぁ……叙情的SFはやっぱ直球勝負がいいよ、ウン。

本編の描写と予告から判断するに、そふぃがマッチアップするみたいですけど、彼女の無垢さはガァルルの荒み方と良い噛み合わせだと思う。
黒いイレギュラーという新しい要素にどういう物語を用意するのか、来週が楽しみです。
……タイトルの元ネタアニメの監督だったし、来週もナベシンがコンテ切るのかな