イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プリパラ:第75話『イゴーイング・マイウェイ』感想

懐古厨ひびきに引っ張られる形でプリリズ力が高まりつつあるアイドルアニメ、今回は高まる気持ちと友情の間。
天才は天才を知るということで、粉かけられていたシオンとそふぃがひびきチームに参加するまでのお話でした。
ともすれば『裏切り者』になってしまいそうなところを、揺れる二人の気持ちとそれを見守る仲間をしっかり描写して、納得できる送り出し方に仕上げていましたね。

今回真ん中で動くのはそふぃとシオンですが、個人の問題で終わらせず、彼女たちを取り巻く人々をしっかり描写したのは良かったです。
徳田に親衛隊にいろはと、懐かしい面々が沢山出てきたのも、彼女たちがアイドルをする過程で作ってきた絆を感じさせて、嬉しい描写。
特にいろはの後押しはメインメンバーには出来ない、専用ライバル故の説得力に満ちていて、非常に美味しい出番だった……ワシいろはちゃん好きなので、ああいう見せ場は有り難い。

メインの中で特に印象的に描かれていたのはみれぃで、ひびきにいじり倒される凡人代表として、いい具合に追い込まれていた。
101%の努力で才能の無さを補おうとしている所をそふぃが軽々と越えていく練習シーンは、みれぃの限界を示すと同時に、そふぃがプリンセスチームに入らなければいけない理由を分かりやすく示していました。
温かい友情は行きにくい世界から自分を守ってくれる家であると同時に、そふぃの才能を縛る檻でもあるのだから、そふぃの背中を押してあげたらぁらは出来た子だ。
そして、自分からは言い出せないみれぃの無様さも凄く好き。


あとキツいこと言いつつシオン好き過ぎるドロシーは、視聴者の代弁者としても、優しい世界が甘くなり過ぎないカウンターウェイトとしても、凄い良いキャラだなと再認識しました。
ドロシーがキツい本音をしっかり言葉にしてくれることで、作品全体がシビアな目線を忘れずにいられるというね。
彼女の弱さや優しさもしっかり描写しているので、ただエグいってだけではなく、苦笑いしながら好きになれるキャラなのが巧すぎるわな。

ふわりは傷心のあまりパルプスに帰ってましたけど、逆襲のタメ期間だと思いたい。
安藤から一報聞いた時の反応を見るだに、ひびきとしても未練タラタラだと思うんだよなぁ……単純にこのまま退場は最悪に収まり悪いしな。
まほちゃんとあじみ先生の間に因縁有りげな描写もあったけど、考えてみればこのままただの賑やかしで終わったらマジ存在意義薄すぎるので、過去の出会いくらいは入れ込むよなそりゃ。
ここら辺は次回以降爆発するのが楽しみな伏線ですね。

今回はマスコットたちがいい仕事をしていて、アイドルの努力を後押ししつつ、舞台には立てない歯がゆさなんかも笑い混じりに巧く描写されていました。
プリパラのマスコットは楽しい妖精と、アイドルにさせる訳にはいかない汚れた描写、そして子どもを見守り育む大人という、複数の仕事を兼任しています。
今回シオンの飛翔を後押ししたウサギやみれぃの報われない努力に涙するクマには、最近忘れられかけていたアイドルアニメとしてのプリパラらしさがしっかり漂っていて、とても良かったです。

いろんなキャラクターの肖像を掘り下げつつ、そふぃとシオンが新しい道に旅立つ準備を気持ちよく整える回でした。
流石にプリリズゾンビであるひびきが軸に座ると、プリパラもアイドルというテーマをしっかり掘り下げないといけなくなって、安定性が出るな。
その上で勝負の厳しさや才能の有無だけではなく、柔らかな友情の価値も忘れず描写しているところは、バランスが取れていてとても良かった。

そして来週は久々のアロマゲ回ですが、あろまがみれぃと凡人同盟を組んでいたことから考えると、みかんもプリンセスチーム入りかなぁ。
あろみかはこのアニメの関係の中で一番相互依存度が高い関係だと思うのですが、今回見せたポジティブな送り出しをこの二人でも描けるのか。
アロマゲ特有の湿度高くて濃厚な、小学生百合がまた見られるのか。
色々期待が高まりますな。