イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アイカツ!:第165話『ルミナス☆クリスマス』感想

今年最後のアイカツは、ルミナスジャパン・ツアー最終日&SLQCの下準備。
脅威の動員力を持ってホワイトクリスマスを豪腕で実現するルミナスと、それに食い込むレジェンドアイドル(と珠璃)の顔見世というお話でした。
四年目前半のまとめとして機能していたかどうかは正直怪しい所ですが、アイカツ世界の歩みは止まってくれない残酷さを思い知らされる回だった気もする。

ぶっちゃけた話ルミナスジャパン・ツアーは、あかりジェネレーションの『先』であるののリサの掘り下げに話数を取られたこともあって、余り弾数のある展開は出来ませんでした。
作中で描写できたライブ会場も北海道・沖縄・大阪だけだし、全国津々浦々を巡って新しい経験をたくさんして……というツアー感は、正直薄い。
このことが、今回の雪集めがルミナスジャパン・ツアーの集大成であるというロジックに、視聴者が納得出来ない状況を引っ張ってきている気がします。

確かに全国のファンを動員して雪を集めるという、荒唐無稽な規模のデカさはアイカツらしい楽しさがありますし、それを実現可能にするルミナスのネームバリュー、成長加減は四年目の基本ラインに乗っかって描写されている。
しかしそれは『ルミナス』が凄いのであって、『ルミナスジャパン・ツアー』で全国を回ったことが今回の結末につながっているということには、繋がらないと感じてしまう。
ツアーの中で出会った個別のイベント、培ってきた絆が活きて雪が集まるわけではなく、SNSメディアを利用した拡散で人が動員される今回の展開はやっぱ個別性に欠けていて、SLQCに挑む『ルミナス』の大きさを見せてはいても、『ルミナスジャパン・ツアー』の成果としては機能していないでしょう。

せっかく呼んできたみなみちゃんも凛ちゃんと喋るだけ(天羽は無言で『……殺すか、泥棒猫』みたいなオーラ出して睨んでる辺り面倒くせぇなマジ)だし、ニーナに至っては喋りもしないわけで、キャラの使い方としても過去の取りまとめというより、今後の展開にレジェンドアイドルを引っ張りだす前フリとしての使い方が目立ってました。
雪集めという大きなイベントでいちご&美月の耳目を集め、ステージに引っ張り上げる役割は果たしてんのかなぁ……今回の話。
パッて写っただけで話を持っていくレジェンド組の存在感はスゲェし、それをちゃんと演出できていたのは、今後の繋がる良いポイントだと思います。
ただまぁ、それは『ルミナスジャパン・ツアー』の集大成という看板を張った今回の中身としては主眼ではないでしょう。

んじゃあ『終わり悪ければ全てダメ』で、4年目入ってからの展開が全部アウトかといえば、ののリサという壁役を巧く使って『ルミナス』の成長を確認する積み重ねは巧く行ってたし、説得力もあると思います。
スターライトを飛び出して色々回るツアーセッティングは、どうしても構造疲労が目立つお話に新風を入れていたし、ゲストの使い方も良かった。
ただ、今回のエピソードがその蓄積のまとめとして機能していたかというと、僕個人の感覚としてはそういう話ではないな、という印象でした。
先のことを見据えると、『ルミナス』の現状とレジェンドが参戦する道作りをしっかりやってて良いんですが、メインはそこじゃないんじゃないかなぁとか思う。
キャラも沢山出てきて賑やかで、布石もしっかり打ってるんだけど、テーマを走り切れたかというと首をひねる。
なかなか難しい回でした。