サクラクエストを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月19日
三話目にして、国王ついに起つ! つうわけで、流されるままに間野山に漂流した頭ピンク小娘が、自分の物語として地方創生を受け止める回。
流されている途中の山のようなクソっぷりと、爆弾に着火するラインの引き方に切れ味があり、自発性が薄いのに緊張感がある不思議な回
なんとなーくで押し流されてきた主人公が、激しい怒りによって自発性に目覚め、自分の物語を手に入れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月19日
ここまで三話かけられるのが2クールアニメの強みだなと思うが、どっしりした運びで語られる田舎の閉鎖性、変化を拒絶する停滞のヤダ味は、最高に最悪で素晴らしかった。
シャッター街を駆け抜けるピンクキャデラック、灰色の街にそぐわない赤い外套、明かりが灯っていない雑貨屋の埃っぽさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月19日
町おこしサイドのプラスティックな明るさと、街の泥臭い薄暗さは見事に混ざりあわず、常に浮いている。主役側は脳天気すぎて、街はやる気がなさすぎる。躁鬱同居せずの分裂状態だ
ノケモノのヨソモノであるがゆえに風も起こせるわけだが、その風を村の連中は望んでいない。望まれない王様がそれでもあがくために、沈鬱で停滞した現状を確認するのが、このエピソードの仕事の一つだったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月19日
そういう意味で、生々しいヤダ味漂う田舎のスケッチはとても良かった。
決意表明をして、自分の物語を手に入れたところで、何が変わるわけでもない。身内は演説に感動しても、事情を知らない子供はあくびをする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月19日
そういう可愛げのない世界律でお話が回るにしても、求められていない自分と、それでもやりたい衝動を確認したことは、大事なスタートラインになるだろう。
国王の道のりは前途多難だが、四人の仲間がなんとなーく気のいい連中なのは大きな希望だ。ログハウスのシャレオツで明るい色彩は、灰色の街をさんざん堪能した後だけに、スッと気持ちが軽くなった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月19日
世界を変えていく起点になるあの場所が綺麗で明るいの、すごく良いと思う。変化の象徴になってる感じ
街の連中(そして街の外の連中)にキツい肘鉄貰い続ける話になりそうなので、仲間の結束は結構早めに固まっているのがいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月19日
白米にカブラの漬物だけで飯を食うシーンは、何はなくとも連帯感だけはあるあの場の空気を、巧く伝えていた。空っぽだからこそ光が目立つ瞬間は、序盤でしか味わえないものだ
生っぽい街では浮き上がる、いかにもアニメ然とした色彩と洗練をまとうメインキャラクター。不自然な異物である彼女たちは、2Dのロジックで組み立てられている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月19日
停滞して面白くもなんともない3Dのロジックを、今後どう塗り替えていくのか。お伽噺と生っぽさのバランスを、巧く取ってほしい。
今回は目立たない補助線を引くのが上手い話で、固定収入だけでしのげちゃうから変化に後ろ向きな本屋の「教科書販売店』の張り紙とか、ゴミ箱に投げ捨てられるチュパヘッドとか、最初に吉乃を追い込んだ司会者がもう一回出て来るとか、さりげない道具の出し方が良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月19日
最初に失敗し、後に成功(対外的には失敗)する演説もそういう補助線で、就職面接に失敗して間野山に流れ着いた国王が、ようやく自分の言葉、自分の物語を手に入れたことを、繰り返しの中で巧く示していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月19日
それがどういう結果に結びつくかはわからないけども、吠えられたのは良いことだ。
自分でぶん投げておいて周りに当たり散らす、会長のヤバっぷりとかもよく見えた。街の人達の遠い無関心と、近い会長の大暴走。立ち向かうべき試練は多い。それを乗り越えたとしても、街の外部に声が届くかどうかも判らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月19日
それでも、というお話全体の骨格を、巧く見せれたお話だと思います。
やりたいこと、やるべきことを一応見つけた吉乃だけども、これまで描写された人格を見るだに、またひと波乱あるでしょう。頼れる仲間も当然無敵ではないし、問題は色んな所に山積み。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月19日
それはつまり、一つ一つ手触りを持って問題を解決し、成長と変化の物語をたっぷり食べれるかもしれない、ということ
舞台、キャラクター、問題設定とそれを乗り越えていくポテンシャル。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年4月19日
物語が持っているものを三話かけて、しっかり見せてくれる造りだったと思います。
やっぱなー、ログハウス城の仲間たちの描写が好きだな、僕は。あと国王が流されつつも積極的で、空回りや衝突にそこまで凹まないところ。