プリキュアアラモードを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月7日
個別回二週目第二回を担当するのは、青いライオンあおいちゃん。伏線を張っていたお嬢様設定を前面に出しつつ、兄弟同然の執事を相手に大立ち回り。
ロックとスイーツ、あおちゃんを構成する要素両方に見せ場があり、キラパティの面々も良く友人を助けていた。
ロックンロールを開放の音楽と位置づけると、それを際だたせるためにあおちゃんを抑圧の強い立場に置くのは理にかなっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月7日
キツく蓋をしてあるからこそ、そこを飛び出す瞬間の勢いも生まれる。というわけで、眼鏡光らせて嫌なこというやつが必要になる。今回のゲストキャラ、水嶌さんである。
仕事的にはそんな役回りになる水嶌だが、スタイリッシュ忍者で孤児で妹同然のあおいを大事に思っているという、やや盛り過ぎなキャラを活かしグッと立てたのは、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月7日
物語の機能から外れたところがちゃんと存在していると、書割から立体感のある人間にキャラクターが変わるからね。
あおちゃんにとって水嶌は口うるさい権威の象徴であり、同時に幼い自分を守ってくれた家族でもあり、結構複雑な相手。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月7日
ただ反発し打ち倒し乗り越えれば良い、というわけではないし、それは水嶌も同じである。スレ違いを巧く乗り越え、よりよい関係性を獲得する必要がある。
そのためのツールとして、ゼリーとロックが相互作用で生きてくるのは、あおい回としてとても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月7日
立神家の紋章であるイルカが組み込まれているところに、あおいにとって家族が大事な物であり、ただ踏みつけにすればいいってわけではない気持ちがこもっている。
愛おしく、同時に疎ましくもある『家』という檻。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月7日
ロックはそこから出ていくエナジーを象徴して、元気に吠える。あおいのライオンキャラをちゃんと理解して、『そんなに吠えるな…』と煮え出す水嶌が良い。それをちゃんと聞いておいて、後々しっかりトス上げするいちかの立ち回りも。
水嶌は『立神あおい』の『立神』の部分を大事にしすぎて、あおいの『気持ち』を踏みつけにしてしまう。『我慢してください』と。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月7日
それは多分、『立神』の格式と財力によって守られ、育てられてきた孤児としての経験が言わせる言葉なんだと思う。
水嶌は屋根のないの辛さを知っている男なのではないか
あおちゃんもそういう水嶌の『気持ち』を見ないままふてくされているわけだが、キラパティ謹製のイルカゼリーで自分の心、水嶌の真意をしっかり見据えて、強く吠えることにする
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月7日
お互いを愛おしく思う気持ちのすれ違いが、スイーツによって繋がり変化していく。それがこの作品でのキラキラルなのだろう
今回、あおいの歌がキラキラルを発生させたのはテーマ性を削ぐ描写かもしれない。『スイーツだけがキラキラルを生むんじゃないなら、スイーツじゃなくても良いじゃん』という。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月7日
でも、スイーツを通じて五人が結び付けられ、スイーツを通じて真意が伝わったことは間違いない。メディアとしての菓子だ。
あおちゃんはロックでライオンでスイーツでお嬢様で常識人で天才で、ぶっちゃけ過積載だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月7日
ロックにキラキラルを発生させた今回は、たくさんある立神あおいの可能性を限定させず、色んな顔があることの喜びを大事に進めたんだと思う。そしてそれは、スイーツが媒介となって広がったものだ。
それはやっぱり、スイーツということ、思いやりのこもったものを直接口の中に入れ、味わい、血肉にする行為だからこそ描けるものなんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月7日
あおいちゃんの案外繊細な乙女ハートをそのまま映したような、蒼く綺麗で甘い、柔らかなゼリー。その象徴性・媒介性はとても高かった。
自分らしさを高らかに吠えるライオンに比べ、兄貴分の水嶌は自分の思いを吠えない。それはあおちゃんが今回の経験を経て、自分の目で確かめ斟酌するものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月7日
素直に自分を出せる子供らしさと、心を隠してより善いと信じるものを愛する家族に分け与える大人の辛さ。良い対比だったと思う。
何が良いかといえば、水嶌の秘めた思いにいちかやあおいが結構手早く気付いて、その真心が無駄にならないことだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月7日
水嶌のキラキラルは新必殺技の源泉になり、守るための戦いを支える。そういうファンタジックで直接的な意味合いでも、水嶌の気持ちは理解され、報われる。それはとても大事だ。
すれ違う二人の兄妹と、それを見守る仲間たち。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月7日
そっから離れてカウンターを当てる仕事を頑張っているのが、目下の敵役ジュリオくんである。
登場以来ずーっとそうだが、ジュリオが口にするイヤーな現実主義に「そんなことない！」することで、キャラが言うべき台詞が引き出されてるのは偉い。
今回変奏的なのは、あおいではなくいちかにアプローチしてきたこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月7日
そっちの問題は水嶌とあおいにいちかがプラスの方向から接触して治す。ので、ジュリオがいちかにマイナスのアプローチを掛けて、『やっぱり他人の事情に口を出しても良いんだ！仲間だもんげ！』とやらすと。
サポーターとしての主人公をルートにつかせるいい仕事だったが、キラパティに乗り込んできた時の完全アウェイ雰囲気はいたたまれなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月7日
学校で接触がない高校生組にとっちゃあ他人な上に、可愛い後輩にイラン口出してくる厄介ボーイだからなぁ…そら警戒度もアガるわな。
とまれ、戦闘で相手役を務め、家族を的にかけてプリキュアの本気を引き出し、感情のボルテージを引っ張り上げて話の温度をあげる仕事を、ジュリオは頑張ってくれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月7日
来週あきらさんの逆鱗に触りに行くようだが、死なないでほしいもんだ。でもそのおかげで、あきらさんの影も見えそうだしなぁ。
家族と言えば、ゆかりさんが要所要所で『それぞれの家庭に、それぞれの事情がある』と呟きながらアンニュイな表情しているのは気になるところ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月7日
再来週あるだろうゆかり回で掘るのか、もうちょっと長いパスになるのか、はたまた気のせいで適当言っているだけなのか。んーむ、どうなるかなぁ。
やっぱ今回は『気持ち』のキャッチボールが話の軸になって、巧く立体感が出た。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月7日
あおいは『私の気持ちはどうなるの！』というけども、水嶌の気持ちは見ない。水嶌も『お嬢様にはこれが必要です』と押し付けるだけで、あおいの気持ちは見ない。お互い思いやっているはずなのに、視線がズレている。
その状態から、ジュリオが『他人に気持ちを伝えるなんて無理なんだ』というマイナスの圧力を当てて、これに反発する形で『私達らしく気持ちを伝えよう！』と決意し、ゼリーを作る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月7日
これを食べてあおいが水嶌の気持ちと、水嶌に分かってもらいたい自分の気持ちを理解する。ゼリーは水嶌も食べる。
ゼリーに込められたあおいの愛情と、ロックに込められた開放への思いを受け取ったけども、水嶌は執事という立場から出ない。最後のひと押しとして、戦闘の中で水嶌に歌が届いていたことを確認して、『お前の気持ちは分かっているからな！』で自由を手に入れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月7日
ボールのように『気持ち』が転がる。
OPを参照すれば"♪シフォンみたいね? こころは不思議 楽しいコトで ふゎって膨らむ"わけだが、プリモードは不可思議な『気持ち』がどうやり取りされ、その中でスイーツがどのような媒体となるかに、足場を置いているのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月7日
『気持ち』の揺れの中で、あおいの魅力を掘り下げるお話でした。
まぁプリモード色々ゆるい部分もたっくさんあって、今回みたいな堅牢なテーマ性が全話に及んでいるかっていうと、必ずしもそうとは限らんわけだけどさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月7日
そこら辺かっちりやり過ぎたことが弱みにもなってしまったGoプリを思い出すと、なかなか難しいなぁと思う。いや最高だけどねGoプリ。
父の愛を確認したいちか→初期衝動から学び己を成長させたひまり→強く吠えるだけではなく他人の気持ちを慮る優しさを手に入れたあおいと、ジュリオ絡みの個別エピはいい具合の切れ味。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年5月7日
妹という重要要素に切り込んでいくあきら回も、グッドナイスに仕上げてほしいものです。来週も楽しみ。
