サクラクエストを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月30日
不平や不満を言うよりも、進んで明かりをつけましょう。沸点低いアニメにふさわしく、問題が根っこから解決するわけでも、最悪のどん詰まりにでもないエリカ回後編。
気持ちいい答えを安易に出せないなかで、ランタンのルミナリエには絵の説得力があり、オチとして良かった。
というわけで、エリカ…を代表に色んな人の思春期後編である。歯が生え変わって嫁さんもらって、ビール飲めるようになっても身体のどっかに子供が居る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月30日
商工会議所と相変わらず向き合えない丑松、子供っぽい下し髪のしおり、大人用痛みを半量で使うことに思い至らないボンクラ共。
あそこでシャレオツなピルカッターを颯爽と取り出し、とっとと状況解決できるスマートさがあるなら、国王PTも苦労はしてない。泥臭い鈍亀が頭寄せ合い、一進一退で人生迷い路を歩いていくのが、このアニメのムードである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月30日
まぁ商店街で落とすためには、薬屋にライン繋がなきゃならん都合もあるが。
痛み止めを投与したり、弟を探したり。ドタバタ色々クエストが発生しても、エリカの爆弾は収まらない。それへの答えも、『家族の絆』という個人的な範囲でかなり強引に押さえ込んでいて、彼女が投げかけていた大きな問には答えていない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月30日
そもそも、答えられない種類の問いかけなのかもしれない。
エピソードを超えて作品全体にカブる部分だが、『このクソみてーな街、どこがいいんだよ!東京でいいだろ!!』というエリカの問いは、現在進行形で田舎をぶっ殺している本音である。嘘くさくならず答えるのは、とても難しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月30日
嘘をつくフィクションで、そういうネタ使うなと言われたら返す言葉はない
なので未定の未来に希望を託し、『いつか良くなる』という判断保留でまとめるしかないのかなぁ…とは思う。弟くんの純真さと、あの家の温もりには少なくとも嘘はないわけだし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月30日
ただ、それはあくまでローカルの中のローカルな答えであり、間野山全体、過疎全体のアンサーとしては応用できないのだ。
まぁ元々、話全体がそういう大きすぎるモノを扱おうとしてコケ、足元見つめて一歩一歩、という歩調で進んでいる。ので、鈴木家のコンパクトな問題に明るい展望が空いたこの結果で、別にいいのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月30日
そういう歩き方が、このアニメの味であり、そういう地道さが好きだからここまで見ているわけで。
エリカの問いかけがクリティカルなところで爆発しなかったので、しおりの闇も大爆発はしなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月30日
しおりの問題点って間野山狂であることよりも、世間が狭く他人を信頼できないところにあると思うのだが、そこには踏み込まずいい具合にだんなくなってしまった感じだ。
今回の話はエリカを代理人に、子供っぽい大人が自分を見つめ直す構図になっている。『新しいことをやろう、世界を変えよう』と決めた三バカと同じように、しおりもエリカのジタバタを見て己を正した…のだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月30日
ただ、闇の表現が想定以上に上手く刺さりすぎてて、もうちょっと踏み込み必要じゃ?とね
真希と早苗が真正面から自分のクエストと相撲を取った分、『迷って答えを見つける主役』をエリカと分割されてしまったしおりは、正直もったいない感じもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月30日
『私は私、他人は他人』という切り分けは、商店街の今後にも繋がる大人な態度だが、フィクションの結論としては物分りが良すぎる感じもある
しかし何もかもが解決の途中、終わりか続くかわからない現在進行系なのは、誠実な描き方でもあろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月30日
商店街は死んでない。間野山は死んでいない。生きているということが衰退と終わりに向かう一本道だったとしても、活力を取り戻すために出来ることはある。そういう地味な反論が、最後の灯火なのだ。
エリカが間野山を出て、東京を知っていくのか。国王PTがそうであったように、あるいは野毛の告白のように、熱い夢破れて現実に適応していくのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月30日
それもまた、現在進行系の先にある、不明瞭な未来だ。少なくとも、『東京に行きさえすれば』という曖昧さを捨てれたのは、エリカには良かったと思う。
半生の答えに自分の意志で踏み出していく子供を際だたせるべく、千登勢の仕事っぷりが面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月30日
夢と正しくお別れし、納得した上で地元と日常を受け入れ、コネと智慧をたっぷり蓄えた『大人』の余裕。ぼんくらが乳歯を前にウロウロする中で、キッチリ解決策までラインを引く腕力は、作中唯一だった。
これと逆方向に、エリカの子供のクソ理屈を更なる子供力で押し流した弟くんの存在がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月30日
ごちゃごちゃ夢っぽいことを言ってるのは姉も弟も同じ、自分より子供で弱い存在を見て、ハッと己を改める…しおりが体験した構造を、エリカが追体験することで話がまとまるってエピソードなんだな、今回。
というわけで、サクラクエストらしい半端なルールで、じっくりコトコト煮込むお話だった。その地道な歩みは『らしく』て良かったが、もう半歩フィクションらしい気持ちよさが欲しかったなぁ…と正直思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月30日
そこら辺のバランス取りは非常に難しくて、下手に濃くやると作品の味を損なうわけだが。
結局クエストアイテムである『黄金の龍』は見つからない。そっちもまた、To be Continuedというわけだ。それもまた、『らしい』と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月30日
何か目立つイベントをこなしさえすれば、問題が一気に解決するわけではない。聖剣引き抜けば魔王がぶっ倒れるわかり易さは、間野山から一番遠い。
そろそろ雪が溶け、桜が芽吹く。契約書でドライに始まった国王生活にも、一つの区切りがつく。半生な答えしか許してくれない間野山で、吉乃は何を学び、どれくらい『大人』になれたのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年8月30日
それは春の祭りで、一つの答えが出るのだろう。それもまた、道の途中だ。…俺、このアニメ結構好きなんだな。