アイカツスターズを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月29日
10月から新章ということで、クール終わり恒例のオフタイム回。しかし切り口がちょっと変わっていて、『アイドル』『学生』『末っ子』と複数の顔を持つ香澄真昼に、色んな角度から切り込んでいくエピソード。
多角的なライトが真昼を複雑に照らして、立体感があった
展開としてはVA下船以降の、既存キャラ掘り下げの流れをくみ、S4のかっこいい担当・美組筆頭・香澄真昼をメインに据える話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月29日
『仕事場』『学校』『家庭』という足場、『アイドル』『学生』『末っ子』というアイデンティティそれぞれを並走して流すことで、横幅も奥行きもあるエピソードになった。
まずは『アイドル』としての香澄真昼。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月29日
家族全員が芸能に関わるビジネスパーソンで、家族の時間がなかなか取れない香澄家…だけでなく、他のS4もきららも、忙しなく働く回である。
彼女らが置かれてる立場を考えると、こんぐらい忙しないのが『本当』なのかもしれないが。
真昼にとって仕事場が家庭を圧迫するのはいつものことで、それに適応する形で『大人っぽい香澄真昼』が形成された。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月29日
母親のように面倒見よく、テキパキ仕事をこなし、一人きりの寂しさとも巧く付き合える、母親のような少女。しかしそれは、感情を置き去りにした歪な成長でもある。
家族も友人も、そんな真昼の背伸びを無視しているわけではなく、なんとか向き合おうと努力してくれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月29日
最後、家族が真昼を出迎える形に反転して終わるのは、なんか彼女が報われた感じがしてとても良かった。優等生は傷が目立ちにくいものだけど、香澄家はそこを見落とす家族ではないわけだ。
冒頭、のんびりとした兄妹の時間から、アッという間に仕事が侵食するまでの落差の描き方が、なかなか切れ味があった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月29日
香澄家は経済状況も世界認識もアッパークラスなんだが、だからこそ家庭的な食事や交流を大事にしたいとは思っている。朝日兄さんも性欲マシーンから離れ、妹にお菓子など創ってやる
しかしアイドル(モデル、デザイナー)という、家庭から切り離された自分の居場所が、どうしてものんびりしたオフタイムを圧迫してくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月29日
それは仕方がないこと。自分らしくあるための対価で、当たり前のこと。寂しさを感じつつもそう受け止めてきた香澄に、ローラが並び立つのも良い。
ローラも芸事一家に生まれ、経済的にも立場的にも真昼によく似ている。似た境遇だからこそ、香澄家の大きさやリッチさに興奮せず、ごくごく普通に流す。ゆめのうわっついた態度との対比が、なかなかキャラの設定を踏まえていて細やかだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月29日
優等生の寂しさを、拾い上げてくれる人がここにもいる。
どれだけ物分りよくしてても、当たり前だと言い聞かせても、溢れてきてしまう寂しさ。クッションを抱く仕草にしっかりそれが出ていて、目撃したローラが事情を察する流れも良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月29日
今回は身体言語の表現が(美組の武器であるセクシーさも含めて)豊かで、真昼回に相応しかったと思う。
かっこいい香澄真昼の奥にある、柔らかでナイーブな香澄真昼。末っ子っぽくワガママで、甘えん坊な女の子。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月29日
しかしそこに甘えていたくないから、真昼はアイドルになり、夜空を対立して堂々と勝利した。かっこいい自分に、自分から望んでなった。
その先にステージがあり、赤服があり、きららの遅刻を埋めるパラシュート降下がある。ただ寂しいなと横目で見ていた、父母や兄姉の領域まで、自分も気づけばたどり着いている。周囲を巻き込みながら、仕事をする立場になっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月29日
そこには寂しさだけではなく、プライドや喜びが当然ある。
家族が去っていった寂しさを埋めてくれるかけがえのない学友は同時に、アイドルの同僚でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月29日
ゆめたちの家庭訪問と、あこのステージを同時に描くことで、『学生でアイドル』という主人公たちのアイデンティティが重層的に切り取られ、作品に奥行きが出た……気がする。
オフを潰して救援に出る侠気(冒頭のさりげない描写と合わせて、ツバサの助っ人に出た姉と同じ立場に登ったのだと理解できる)も良かったが、アレだけ追い込まれた状態でも客に冷や汗は見せないあこのプロ根性、子供に強い客層が見えたのも、なかなか横幅広い描写だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月29日
アイドル、学生、末っ子。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月29日
色んな顔を持ちつ、それらが切り離されることなく組み合わさって、お互いを支え合い香澄真昼を形成している。いろんな自分を楽しみ、肯定し支えてもらうことで、赤服のスーパーアイドルに相応しい存在になれる。
そういう香澄真昼のあり方を、よく切り取った回だった。
今回はきららの短い描写が結構良くて、遅刻を反省してちゃんと謝れるようになっていたり、あことのジョイントライブを日常的にこなしたり、エルザの引力圏から離れてすくすく自立しつつある姿が、なかなか良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月29日
きららの謝罪を受け入れる包容力は、幼少期からの寂しさが鍛えてもいる。
家庭的な家庭だけが幸福なわけではないし、お金があれば無条件に幸せなわけでもない。だが、何かが欠乏していたとしても家族は家族であり、その暖かさが寂しさからタフネスを引き出す土台にもなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月29日
そういう意味でも、多様な意味合いを切り取れているエピソードだったのではないか。
そんなわけで、真昼を軸にしっかり掘り下げることで、他のキャラクターのいろいろな顔を見れるエピソードでした。非常に仕上がりが良く、髪型や衣装も色彩豊かで、見ていて楽しかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月29日
10月を迎え、ふたばが表舞台に立つことでまた風も変わるだろう。今回の縱橫の幅広さを忘れず、再演して欲しいな