THE REFLECTIONを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
レイスの大計がついに形を為し、500人からのリフレクテッドが砂漠に集められた。仕組まれた迫害、失われる命。緊迫の大決戦のはずなのに、どこかまったりとした調子で進む、俺達のREFLECTION。
仮面戦士エクスオンの強さと寂しさ、両方が出る回。
というわけで、主役とラスボス、光と闇は物理的に同じ場所に存在し、闇が光を乗っ取った後のお話。超大規模ワープをゲシュタルト形成で成立させる所は『見たことある! GURPSサイオニクスでみたことある!!』って感じだったが、やってることは洗脳と生贄強要である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
リフレクテッドが500集まれば、世界はそれを黙ってみていてはくれない。人間凶器集合罪として、ただ集まるだけで罪と見なし、軍隊が乗り出してくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
そこら辺はニューオーリンズで描写されていたことであり、レイスの狙いは共感してもらうことではなく、拒絶してもらうことにある。
レイスがエレノアに仕掛けた誘惑は、リフレクテッド全体、社会全体に仕掛ける罠の予兆でもある。潜んでいる不安をあぶり出し、加速させ、爆発させた後の更地に、救世主顔で滑り込む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
自作自演で作り出した空白を闇で染める悪辣さは、黒いメシアだ。白い丘の上からの説教シーン、露骨に山上の垂訓だし
社会からの無理解と暴力がなければ、リフレクテッドは(人類が大概そうであるように)個々人それぞれの考えと尊厳を持ち、自分で考え自分で決める。眼鏡のオジサンが勇気を持って日常に帰還しようと決断したように。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
レイスが望む光と闇の対決が、世界唯一の真実というわけではない。
しかしレイスが見ている迫害、それに対抗するためにダークネスへの一体化しなければならない強迫観念は、紛れもない事実でもある。そうじゃないとアパッチは飛んでこない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
オジサンがなんとか保っていた『日常との折り合い』は、闇に誘導された国家暴力で踏みにじられ、破綻してしまう。
国家の側だって(ロケット砲とチェーンガンぶら下げているが)、一応話し合いに来ている。そこで武器を捨て、素裸でリフレクテッドと向き合える度量があるなら、精神操作でドンパチ開始とはならない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
だが、アメリカ(を含むあらゆる人類国家)は、そこまで成熟していない。その未熟をレイスがつく。
かくして日常の下にあった衝突は顕在化し/させられ、旧人類と新人類が暴力で殺し合う地獄が広がる。シンプルで凶悪な暴力を前にしたら、灰色の『日常と巧く折り合いをつける』態度は吹き飛ばされてしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
俺達か、奴らか。生き残るのはどっちかだという、シンプルで残酷な構図に身を浸すしかない。
フツーのオジサンが、超電磁スピンでアパッチをぶっ壊せるほど人間兵器だったこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
最初は顔のある個人だったリフレクテッドが、白黒の戦争が始まると段々顔のない暴力に変化してしまうこと。
相変わらず、変なところの詩情が豊かなアニメで、やるせなさが募る。
そういう状況の中で、主人公たちは灰色であり続けようとする。スーツも真っ黒、復讐心が外に溢れたイアンを、エクスオンは再び止める。言葉ではなく、行動だけでヒーローの生き様を教え込む、不器用な仮面の教師。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
コウモリ男もメタルコウモリ男として復活したし、アイガイにはまだ帰還の目があるか。
加速していく暴力を前に、卓越した個は全体的に無力で、個別の局面は有能でもある。一人ひとりをねじ伏せてはいても、局面自体を止めるには至らないアクションの描写が、主役たちがいる灰色の足場を巧く照らしていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
その無力さが、エクスオンから言葉を奪ったのかなぁ、と少し想像もする。
エクスオンは目の前の悲劇に感想を言わない。ただ体を張って前に出て、『喧嘩を止め』ようとする。あくまで日常の延長線上、お互い拳を収める余地のある衝突だと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
それは自分に言い聞かせているのだろうか。まだ、人類とリフは灰色の関係を維持して、『日常と巧く折り合いをつける』ことが可能だと。
レイスは確かに、マッチポンプで自分の望む状況を作り出した。しかしアパッチを飛ばしたのは米国であり、リフを差別する社会だ。恐れられるだけの驚異的な力がリフにあることも、通常兵器を圧倒する人間凶器っぷりで今回よくわかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
それは幻ではなく、実際血しぶき飛び交う現実なのだ。
それでも、それを乗り越えて灰色であり続けることが可能だと、エクスオンは信じているのではないか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
仮面の下には、理想を信じる熱血が存在していて、それが溢れて『俺が必ず、エレノアを助ける』という誓いの言葉になったのではないか。エクスオン好きな僕としては、そういう読み方をしたくなる。
あらゆる局面で沈黙の戦士だったエクスオンが、形のない約束を自分から口にしたのはとても大きいと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
アイガイがスーパースター志願というスタイルを捨てて/奪われて黒い復讐者となったように、時に人を追い込むほど言葉を使わないエクスオンは、今回言葉に向かって踏み出したのだ。
それが何を生むか。言葉を悪用し、封じられていた悪意が衝突する場を生み出したレイスを相手に、何が出来るのか。エクスオンの物語が激変するだろう来週、非常に楽しみである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
己のドラマを背負った主人公が多数いて、それが激突しながら大河が流れている感じ、正に群像劇って感じでおもろいな。
そんな主人公の一人であるスティールルーラーさんは、虐殺を前に立ちすくみ、レイスの言葉に躊躇いを見せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
ワタシを救ってくれなかった世界の代わりに縋った救世主が、かつてのワタシと同じ弱者を利用し、ワタシが噛み砕かれた圧政を己の目的のために呼び込む現場を、ダイレクトに目撃する。
レイスのそばに立つ超人(使徒ってところか)の中で、スティールルーラーさんだけが現実を見ている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
ダークネスに一体化する快楽でも、レイスに生きる道を預けてしまう心地よさでもなく、弱者を利用し殺す身勝手さ、踏みにじられう人々への共感を見ている。そこが突破口となるか、否か。
すんごい強引さで本筋に合流した9nineの面々も含め、色んな人々の生き方が白い砂漠で決着するだろう。無茶苦茶熱量高い状況なんだが、語り口は相変わらずまったりしていて、それが惨劇の奥にある意味を照らし出しもする。不思議なアニメで、好きなアニメだなぁ、やっぱ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年9月30日
来週も楽しみです。