イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プレイレポート 10/29 シノビガミ『鏖殺姫』

日曜日はシェンツ先生謹製の、シノビガミ学園バトルロイヤルシナリオを遊んだよ。

シナリオタイトル:鏖殺姫 システム:シノビガミ GM:シェンツさん

田中くん:鳩羽水蓮:16才女性:一般人:和 困った人を見かけると放っておけない、お人好しの演劇少女。巨魁なる"鏖殺姫"の力を望まず手に入れ、シノビ達の闘争舞台に巻き込まれる。
よねちょくん:篠崎宗近:隠忍の一族:19才男性:凶 血煙を自在に操る能力を持ち、より強いものとの戦いを求めるバトルジャンキー。さらなる戦いに身を浸すべく、"鏖殺姫"争奪戦に飛び込んだ凶刃。
浅間忍さん:トッド・ジェファーソン:23才男性:ハグレモノ:和 英国紳士の嗜みを極限まで突き詰めた、ジェントルメン忍術を操る英語教師。穏やかな気性の奥に、烈火の如き意思を秘める。
新米くん:雲切エリカ:15才女性:斜歯忍軍:15才女性 意念を通した『雲』を自在に操る、斜歯のサイボーグ忍者。一枚の歯車として、運命の決闘場に身を投じる。その結果、機械にほころびが生じるとしても。
コバヤシ:瑠璃鶲あせび:15才女性:鞍馬神流:情 鞍馬の優秀な人斬り包丁として、任務だけを人生としてきた少女。草として潜入した学園で、捨て去ったはずの日常、その象徴となる少女に出会い、生き方を崩壊させる。

というわけで、久々のシノビガミは対立形、PC1がそのままプライズになるバトルロイヤルシナリオでした。イケメンに周囲を包囲され、過剰な欲望を投げつけられる無力なヒロイン。ダンデビとかコドリアとか、乙女ゲーによくある構図ですね。
無論このシナリオはシノビガミなので、殺伐とした殺し合いと組織の論理が情を押し流し、血みどろの殺し合いが学園生活の裏側で展開するわけですが。お互い何かを隠し、誰が敵やら味方やら。ストレスの掛かるセッティングをシステム段階から組み込むことで、『難しいし疲れるけど楽しい』というレベルに落とし込んでいるのは、シノビガミの強いところだなぁと思います。

そういう楽しさはシステムレベルだけで達成されるわけではなく、各プレイヤーがどう動くかの筋道を引くシナリオだとか、実際にその道に沿ってプレイヤーを走らせるマスタリングだとか、実プレイレベルでの充実が必須。

シノビガミPvPシナリオは実際に運用が始まると、GMはボーっと見てるだけになりがちです。今回のプレイも半分くらいはPL達の楽しいいがみ合いでしたが、それを壊さない程度に存在感のあるNPCを出し、想定してなかったサプライズで状況を揺らしと、シェンツ先生のマスタリングはやっぱ上手かったです。PLに完全任せきりだと、窮屈だったりダンドリ感出てきたりすんだよね。良いタイミングでGMから介入入れるのは大事。
PL達が楽しく歪みあえるのも、秘密や事前感情、プライズの設定など、シナリオレベルで引いた滑走路がちゃんとしてるから。『この導入、この秘密ならこのキャラはこう動いて、このキャラとこういう化学反応するだろう』という読みと煮込みをちゃんとやった上で、そういう準備に支配されず、どっしりPLが遊ぶのを見守る感じがとても助かりました。

PLがそれぞれ抱えるゴールが相互に達成不可能で、お互い蹴落とさざるをえない展開というのは、結構ストレスが掛かるものです。これを飲ませるためにシステムが有り、シナリオがあり、マスタリングがあるんですが、それに加えて雰囲気というものがある。
学園という名前の仕組まれたコロシアム、日常に侵入するシノビという非日常。いい具合に怪しげな空気が出ていて『あ、ここならお互い首を狙ってもしょうがねぇな』というムードが共有されてたのが、楽しくいがみ合えた理由だと思います。ココらへんも、システムレベルで用意されたものを実卓で膨らませた感じですね。
PLもアクの強い連中が雁首を揃え、憎み合ったりわかり合ったり、濃厚な感情の行き交いを楽しむことが出来ました。こういうのは他人の立ち回りだけではなく、自分のキャラ性もバランスよく見ないと成立しないわけですが、今回は全員気力充実、いい具合でやれていたと思います。
秘密というシステムの壁に阻まれつつ、真実を一気に公開できないもどかしさそれ自体を楽しむ。プレセッション段階から共通認識が出来て、実プレイでも意思疎通がスムーズに行って、全員が自分のゴールを真剣に達成しようと頑張ると、そういう無茶も出来るのがTRPGであり、シノビガミなのだと、色々堪能させてもらうセッションとなりました。非常に面白かったです。
色々重いし不自由なシステムなんですが、世界観としてもシステム構築としても独特の魅力が衰えないシノビガミを、たっぷりいただく卓となりました。面白かった、良いセッションでした。同卓していただいた方、ありがとうございました。