キラキラ☆プリキュアアラモードを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
そろそろゴールが見えてきたプリモード、キャラの総決算モードに入るッ!ってわけで、まずは復活&ベビーターンなったジュリオと、そんな弟との愛憎満載なパーフェクトパティシエ・シエルから。
姉弟の歩いてきた道を巧く纏めるだけでなく、幅広い活躍が見れた
今回の話はとにかく人数の捌き方が上手い回で、ほぼ全員(ペコリンや長老まで!)に活躍の場を用意しつつ、シエルとジュリオがどんなキャラで、何を総括しなければいけないかはディープに描いている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
メインシャフトになる姉弟がしっかり描かれているので、それにくっつく形で脇に回った連中も太い。
ジュリオとシエルはおそらくプリモードで一番巧く描かれているキャラで、陰影が濃く欠点も長所も分かりやすい。キャラが立っていて、ドラマもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
その強みを活かして、二人のコンプレックスと歩みを掘り下げつつ、一つの結論に導く感じだった。
ジュリオはいわゆる善堕ち幹部というやつだ。『ベビーターンしたは良いが、幹部時代の悪行どうすんの?』というのは、プリキュアではよく描かれる因果だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
悪の黒い影響が剥がれ落ちて、善なる存在として生まれ変わっても過去はなかなか消えない。そこでどう因果を含ませるかが作品の個性である。
自分に泥が引っかかりそうになったら、ソッコー逃げ出したビブリーを見れば判るように、プリモードは幹部の生き方を漂白しても人格までは洗わない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
ジュリオも相変わらず、めんどくさいウジウジ野郎のままだ。口は悪いしすぐスネる。逃げるし思いつめるし素直にもなれない。そこを変えない所が好きだ
ゴッサム市民もビックリの民意の低さを武器に、疑心暗鬼で殴ってくるいちご坂の皆さん。(いやまあ闇の影響あるし、ちゃんと謝ってるわけだけど)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
彼らをリトマス試験紙にして、ジュリオの業と未来が試されていく。アイツすぐヤケになるくせに罪悪感強いから、責めてくれたほうが楽なんだろうな。
ジュリオは今回、幹部時代の悪行と同時に、その原因となった姉との確執にも向かい合う。というか、彼の現状は全てそこに原因があるので、自動的に対面するというか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
ジュリオの過去を再構築していくことは、突出した才を無自覚に振り回し、いちばん身近な存在をぶっ壊したシエルを描くことにもなる。
乗り越えられない、圧倒的な才能。非才の自分。厄介なことがあると背中を向けてしまうのは、パリ時代からのジュリオの性質で、今回も彼は逃げようとする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
その辛さを共有して、『お姉ちゃんと遠くに逃げよう!』とか言えるようになったのは、いちご坂でシエルが変化した証明でもあろう。トビ過ぎだが
シエルはずーっとジュリオが大好きで、それは今回も乱打されるゼロ距離接触でよく判る。とにかく抱きつきすぎ、弟好きすぎ姉好きすぎである。素晴らしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
しかしその近さが、二人の関係をこじらせる原因でもある。罪悪感の渦中にあるジュリオも、思い切りが良すぎるシエルも、冷静に距離を造れない。
ここで中学生組が一旦二人を引き剥がして、スイーツを使って思いを受け取る/伝えるワンクッションを用意したのは、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
他人だからこそ見える景色があって、それが近すぎる姉弟には空気取り入れ口になる。ジュリオの仮面の奥の真意を、疑わず信じきれるいちかの眼の良さ、強さも出ていた
察しが良い高校生組は、敵の陰謀の掘り下げ。ペコリンはジュリオの監視。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
脇に回った連中がそれぞれコンパクトに仕事をして、一人では解決しきれない問題をみんなで乗り越えていく頼もしさが、巧く描かれていた。こういうペコ公を、ずっと見たかったのよ…。
戦闘面でも、あるいはエリシオの足止めをし、あるいは偽ジュリオを倒して誤解を解き、姉弟が本音で触れ合う足場作りを仲間がやってくれる展開は、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
最後、飛行能力があるシエルだけがマトモに差し合って、下の方でぼーっと五人が見てる殺陣だけはあんまいただけなかったが。
『自分の中の大事なジュリオ』に固着しすぎず、『あるがままのジュリオ』に接近する。それはパリ時代には出来なかったことだし、戦闘で忙しかった一度目の接触でも不可能だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
それをするには、コンプレックスに支配されていないジュリオと触れ合う時間…日常が必要だったわけだ。
そういう意味では、冒頭ビブ公含めた三角形でギャーギャーやってるシーンは大事だったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
色々凸凹道を歩いて、ようやっと彼らはああいう時間を手に入れ、毎日過ごしていると示す。それは変化の描写であるし、報酬でもある。喧嘩ばっかで普通じゃないけど、なんかいい感じじゃないリオビブ。
ていうかシエルの『お友達』の定義がレインボー過ぎて、『マジ妖精の、ていうかシエルのモラリティハンパねぇな…』ってなる。お前の『お友達』は一つ屋根の下で暮らし、職業の世話をする関係性を意味する言葉なのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
三人で暮らすの決定事項だし。思い込み激しいところが強みだし、問題でもあるな。
ジュリオもようやく獲得した姉弟水入らずの生活は、大事に思っている。獲得というか、パリでこじれる前は仲良し姉弟だったんで、取り戻した、か。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
でも過去の罪科と、それを生み出す拗れた自分、向き合えない弱さが立ちふさがるなり、それを捨て去ってしまう。あー面倒くせぇ。そういうお前がSUKIだ。
二人きりなら平行線のまま再クラッシュしそうな関係は、仲間の助けで新しい場所に近づいていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
ジュリオに投げつけられた『本当はあんた、何がしたいの?』という問いかけは、第37話でシエル自身が悩んだ言葉だったりする。悩んだことは無駄じゃない。今度は大事な人に問う番なのだ。
いちご坂にやってきて、商業スイーツ以外の価値観に触れたこと。弟以外の仲間ができたこと。年相応の日常生活を経験したこと。ビブ公とキャッキャウフフしたこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
ここまでの物語はシエルの中で積み上げられて、未来への野望と現在の自身に繋がっている。ジュリオも持っていて、でも形にならないもの
登場以来22話、シエルが獲得してきたものを誇らしく宣言することで、ジュリオもようやく自分の本当の気持と願いを、言葉にして向き合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
天才すぎる姉へのコンプレックス、憎悪を超えて溢れる愛情。挫折を経てなお、諦めきれないパティシエという道。彼はようやく、ワッフルが焼けるようになったのだ
今回ジュリオがワッフルを作ったのは、絶対やって欲しい結末だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
ガミーやビブリーが示してきた、道を間違えたり挫折したりしてもやり直して、形に残る何かを作れるという希望。それをジュリオも掴めると、形で示してくれたのは本当に嬉しい。
みんなで作って、みんなで食べる。関係性を拡大するメディアとしてのスイーツ。ハグレモノのイジケ野郎ジュリオも弾かれず、そこにアプローチできるのだと示したのは、ここまで語ってきたことを裏打ちして強い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
人間は間違えるし、やり直せる。それは優等生のプリキュアだけだと描けない物語だ。
無論キラパティの面々にも陰りはあって、失敗や挫折もある。(来週あおちゃんに直撃しそうだし)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
しかし決定的に弱くて、負けて、死んで、それでもなお立ち上がるドラマは、負け役を担当できる『敵』や『弱者』でこそ照らせる、影の物語だと思う。パルフェではありえない、弱い凡人たちの克己。
自分なりにお菓子作ってお手伝いできるようになったペコリンにしても、性格極悪のまま居場所を見つてたビブ公にしても、スイーツ野盗から祈りを込めて食事を作れるまでになったガミーにしても。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
このお話の強さは、薄暗い場所から立ち上がり、自分を見つけたモノたちにある気もする。
その最終ランナーとして、ジュリオが遂にワッフルを造る。姉と一緒に作る。パリ時代にできなかった、戦う時間では不可能だったことを、手に入れた日常の中でやる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
それは日常を守るための戦い、選ばれた戦士の輝きも強く照らす、大事な変化だろう。
シエルは完璧すぎて、どうにも共感を弾く部分があるキャラだ。才に選ばれ、特別であることの意味を知らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
それに砕かれる役としてジュリオを上手く使い、砕いてしまった痛みと後悔をビブリー相手にぶつけて、変化に説得力を出す。完璧を超えて人間になったシエルの到達点を、地面に繋げる。
世界に常に存在する才と非才の残酷さ、辛さ、それでも存在している光を、姉弟は上手く背負って走ってきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
その結論として、シエルがたどり着いた広い世界観、自分が本当に欲しいものを叫んだジュリオ、その第一歩として形をなしたワッフルは、とても良い描写だった。関係者みんな性格極悪なのが良い
ここら辺のドラマを作るための道具立てとして、いちご坂市民の皆さんとエリシオは非常に協力的だった。わかり易すぎて、ちとどーかと思う部分があるくらいだ。でも仕事しないより、全然良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
つーかエリシオさん、その冥衣(サープリス)クソダサですね。貝澤SDにΩ世界から取り寄せてもらったんスか?
あ、イケメン力と情けなさ、震えと熱気が同居するジュリオの現状を完全に演じきってくれた皆川純子さんの演技は、まさにパルフェでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
ジュリオのヘボヘボな可愛げは、やっぱ純子さんあってのものだと思う。ドヤ顔でイキるのに脆いのは、ホント登場時から変わらんなぁ。そこがSUKIです。
というわけで、クッソ面倒くさい姉弟が曲道をどう走って、何を手に入れたかを描く回でした。ジュリオの陰りをちゃんと描いたお陰で、よりパルフェになったシエルとか、それを生み出したいちご坂とか、カルマを闘いで克服できるプリキュアの特別さとか、色んなものが照らされる回でした。素晴らしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
しっかしあんまりシエルがグイグイ来まくる&捨てることにためらいがないので、何かと脳内BGMが森田童子”ぼくたちの失敗”になって困った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
冬服可愛いんだけども、マフラー見ると”高校教師”最終回が脳裏をよぎるんだよな。シエリオの間に漂う清潔な淫靡が、妙に似ているというか。
さておき、来週はあおちゃんのターン。何かとお辛い話が回ってきた彼女の最終楽章は、やっぱお辛い展開になりそうで。影を描くことで何が生まれるかは、今回ジュリオが示したんで、巧く引き継いで欲しいところだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
ゴールが見えてきたプリモード、最終盤初弾はとても良かったです。来週も楽しみ。
追記 『謎のイケメン転校生』って仮面、剥がれるの早かったねぇ……。
プリモード追記。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2017年11月26日
クラスメイトがジュリオを心配している様子も、ジュリオが日常を再獲得している描写の一環か。
プリモード、学園要素はあんま掘らんかったけども、思い返すとアレも大事なジュリオの日常なのだ。なので、コンパクトに描写いれたのは良かったと思う。