続・刀剣乱舞花丸を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月29日
アル中! ショタジジイ!! 花丸本丸にやってくるトンチキ新参と、それを迎える古参が時に激しく、時にまったりぶつかりつつ、桜は美しく咲いて散る回。
『主』に対するスタンスを問う前半と、小烏丸の不思議な魅力で持っていく後半、両方楽しかった。かなりのキチだったし
というわけで、季節は4月、新入生が二人やってくる話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月29日
前半はオダコン(織田信長コンプレックス)拗らせきった結果、アルコール依存症になった不動くんが、別の意味でオダコン拗らせた長谷部と衝突したり、和解したりする話。
宗三がいい具合に間に立って、因縁をまとめる仕事をしてた。
今回のお話は露骨な疑似家族モノで、不動くんを自己評価が低い反抗期の子供、長谷部を不器用なオヤジ、宗三をおっとりママさんとしてみると、かなりしっくり来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月29日
付喪神を人間の家族になぞらえる行為の有効性はさておき、なかなか収まりの良い配置ではある。
無論、刀剣男子は人理を超越した存在であり、長谷部と不動はタイムパトロールの同僚でもある。親でも子でもなく、奇縁によって過去と現在と未来から切り離され、あるいは深く縛り付けられてしまった、異質な存在としての繋がり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月29日
今回は『織田信長』の想いでを共有する彼らが同僚になるまでの話か。
阪口大助の珍しいタイプの声が聞ける不動くんは、かつての主を守れなかった自分をネガティブに捉え、酒に逃げ、現在の主を受け入れられないでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月29日
近侍として強い忠誠を誓っている長谷部は、『今』に馴染もうとしない不動を叱るが、しかし彼の忠誠…『今』の肯定も失敗した『過去』から生まれている
例えば長谷部が、『直臣でもない黒田に払い下げられた過去』が無かったら、その代償行為の側面を持つ『今』の忠誠は、それほど強いものだったのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月29日
みな器物としての『過去』に縛り付けられつつ、奇縁によって人化し時を守ることになった『現在』と、どうにか折り合いをつけている。
付けている…ふりをしてなんとか日々をやり過ごしている…というのが正解かもしれない。一歩間違えば、与えられた力を濫用して過去を変え、打ち倒すべき敵と同じ存在になってしまう。そんな危うさと想いでを混ぜて、刀剣男子は苦い盃を飲み干す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月29日
スナック次郎は、なかなか頭おかしい絵面でよかった
カラオケで黒田節歌ってた日本号が、普段の気さくな顔をちょっと引っ込めて、長谷部の黒田軽視に尖ってたのも、それに長谷部がちょっとガードを下げて本心を言ったのも、なかなか良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月29日
酒が潤滑油になって関係が前に進んだ感じがあって、酒に溺れる不動くんとの良い比較だったな。
信長への、黒田への、審神者への。過去と現在と未来が複雑に折り重なる中で、長谷部は生真面目な自分を頑張って作って、本丸の規律を守っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月29日
それはコンプレックスの生み出す行動でもあり、時に頑なになることはあっても、刀剣男子となった『今』の自分を肯定しようとする、必死の足掻きでもある
アル中問題児・不動くんが本丸に小さな居場所を見つける話のように見える今回は、実は生真面目管理職・へし切長谷部の不器用さと真面目さを、捉えなおして肯定する話でもあったかなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月29日
いや、その表現としてサーフボードでゲットライドとかマジ頭おかしいがな。花丸トンチキ大好き。
先任であり、(依代の形の上での)年齢差もある長谷部が、月下で不動くんと和解していくシーンは、ムードもあってしっとり良い見せ場であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月29日
つんつんトンがりつつ、長谷部も流石に年長者、居場所も自信もないアル中のガキをちゃんと支えてやれるわけだ。そういう真心のあるお話が好きなのね、僕は
一方Bパートは、外見ショタで中身はジジイの小烏丸が、雅な殿上人の気配をまといつつフラフラ動き回るお話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月29日
外見からしてエッヂが立ってる(髪型といいどこ見てんのかわっかんねー眼といい、ファティマっぽかった)小烏丸だが、初対面で『父と呼べ』たぁまぁぶっ飛んでるね。
僕は浮世離れしてぶっ飛んでる美少年が好きで、そいつが不思議な雰囲気をまといつつも人情が判って、他人のために前に出れるやつだともうお子様ランチ(『好きなものしか乗ってない』を意味する自分語)である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月29日
かーちゃん! 俺こいつ気に入った!!
小烏丸の掴みどころのない感じに、山姥切くんも獅子王も当惑する。まぁどう見てもトンチキだしな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月29日
平安の雅を現在に持ち込むミスマッチが目立つが、しかし小烏丸も新しい生き方に馴染もうと、自分の居場所を確保しようと『父』を名乗っている。それは不動くんと同じ心の動きだ。
亀の甲より年の功とはよく言ったもんで、『父』は不動くんのように迷って受け止めてもらう側ではなく、迷えるまんば君を雅に受け止め、宴の華に変えてくれる側だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月29日
後半も花見酒が出てくるが、あくまで宴に華を添える程度に謹んでいるところが、主役の立場の違いを反映してて面白い。
悪態つきつつ、誰かに手を取ってもらう瞬間を探していた不動君と、山姥切の失敗を超然とした雰囲気で覆い隠し、彼の劣等感を自然と良い思い出に変える小烏丸。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月29日
新参刀といっても、それぞれ色んな振る舞いがあり、馴染み方がある。三日月といい、平安組は人格完成度たけーなオイ。
しっかしまったく、コンプレックスの塊のダメダメ主人公(顔はいいがそれを評価してない)が、謎めいた雰囲気の黒髪転校生(顔がこの世のものとは思えないほど良い)の、不可思議ながら美しい風習に心を救われ、手を惹かれて新しい一歩を踏み出す流れ、完全にストロングスタイルの百合で大満足である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月29日
小烏丸の『父』は、彼の中では本気も本気で、他の連中はそれを本気とは捉えていないが、しかしそれをバカにはしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月29日
短刀組のように乗っかってはしゃぐなり、山姥切と獅子王のように面倒見てくれるやつに預けるなり、なんとか受け入れられる形を自分と相談して決めている。
そのことが、小烏丸の奇矯な振る舞いの奥にある真心を引き出し、周りの連中もそれを認識し、正しい距離が掴めるようになる。『父』という狂言が、ある種の身体性を帯びて本丸に馴染む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月29日
長谷部と不動君の月下の語らいとはまた違うが、これもコミュニケーションの一つの形だ。
そして、心通わせるべき相手のいない寂しさ、それを埋める刀剣としての用立ての儚さに、ひっそり病んでいく加州くん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月29日
安定ー! お前の相方限界Miss youすぎっから、沖田の墓参りもいいけどそろそろ帰ってきて、気持ち受け止めてやってマジー!
このままだと別世界のカネキチみたくなるー!!
一期で『迷える主人公』としての旅路をある程度終えてしまった沖田組は、なかなか扱いが難しいんかな、とも見てて思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月29日
毎回案内役を固定させちゃ話のムードも固まっちゃうし、かと言って写さないのも存在感が消えるし。
どっかにアンカー入れないと、完全にオムニバスになっちゃうしなあ。
毎回ひっそりと、加州くんの安定恋しさ、それが霞と消える寂しさを書いてるのは、季節の変化と並ぶ続花丸の緩やかな縦軸なのかな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月29日
桜の花が綺麗に散る今回は、華やかながらも寂しさもあって、そういう加州くんのメランコリーも巧く際立たされていた。
不動くんと小烏丸、二人の新参が自分なりの足場を見つけられたように、加州くんの不安定な恋情も、どこかで受け止められる日が来るのだろうか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月29日
依存症患者もトンチキ雅も受け入れられる、懐の広い花丸本丸。加州くんの患いにも、そろそろ誰か気づいてくんねーかな、って気持ちはあるな。
そんな感じの、春のうららかな日差しに相応しい、優しいエピソードでした。やっぱ全体的にいい話ムード漂ってくれたほうが、僕の好みにはドンピシャやな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年1月29日
次回は風薫る皐月。また新しい刀が来たり、すでに在る関係性がいい感じに掘られたりすると思うと、期待も高まります。来週も楽しみですね。