刻刻を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月20日
間島家の因縁を解消し、ニュートラルヤクザとの同盟関係を結んだ佑河家。目の前で展開した『家族』の悲劇、力を使いこなせなかった過去に対し、樹里は新たに決意を固める。
主役の戦いが舵を切り替える中、実愛会は信仰と怜悧さと狭間で揺れ動いていた。
というわけで、一つのクライマックスを超えて次の戦いの準備をする回である。戦いの力点がどこにあって、それがどう変化しているかをスマートに見せれる上手さが、駆け引きや変化を素直に楽しめる喉越しの良さに繋がってる感じだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月20日
結構色んなアクターが関わってるけど、状況把握しやすいのよね。
間島家の因縁は脂肪2,生存という結果に終わった。刃ではなく言葉を使い、殺すのではなく話すことで、間島は『過去』と『家族』を精算する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月20日
そんな彼女を見て、樹里もまた『過去』と『家族』に向き合うことになる。止界の力をどう使うべきか、当事者として決意を新たにする。
クソヤクザにボコられ拉致られ、巻き込まれて始まった、この異能バトル。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月20日
物語開始時、樹里は幼い時ジジイに連れられて止界に迷い込んだのと、ほぼおなじ状況にある。『家』も『過去』も、巧く整理できない混乱のままだ。クソ家族は問題だらけで崩壊寸前だし、暴力も異能も他人事だ。
しかしかつて出会い、その無知ゆえに助けられなかった間島と『家族』の戦い/救済に関わることで、樹里はこの異形の世界、そこに唯一介入できる『血』を、自分のものとして受け止めることになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月20日
それを求めるグロテスクな欲望もまた、巻き込まれるのではなく乗り越えるものとして認識される。
一人のサブキャラクターが『家族』の物語を終えることで、主人公が己の責務に向き合う決意を固める。スペクタクルに満ちたアクションが、次なる展開への布石になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月20日
終わりが始まりに継ぎ目なく接合されていて、スムーズに物語が流れていく感じが強くあり、間島決戦の後始末は見ていて気持ちよかった
やっぱ迫さんがいい仕事してて、佑河家が巧く獲得できない社会的客観視(「まぁ、妥当だと思うぜ」っていう判断)を持ち込んだり、暴力のスペシャリストとして実力を奮ったり、だからこそ判る暴力以外の価値を言葉にしたり、色々やってくれていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月20日
良い声クソ親父のサイコっぷりが強調されている分、『家族』ではない迫のありがたみもよく見えて、同盟を組む理由にも納得がいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月20日
愛憎こじれすぎて判断つかないところを、雇われただけの迫が巧く切開して、異質な世界にマトモな判断を代入してくれてる感じなんだよな。
そういう冷静さが味方サイドにあることで、描き方に安定感が出てありがたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月20日
必要なのはナイフではなく、追い出し救う異能。それを明言し、樹里の決断が間違っていないと確定してくれる迫は、かなり大事で面白いキャラだ。さすが吉野声…ただのチンピラではない。
一方敵サイドは、冷静な判断力とイカれた共感欠如を併せ持つ佐河が、『信者も教義もどーでもいいし』と、内ゲバを加速させていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月20日
圧倒的な暴力と狂気を持ってた敵サイドが、切り崩される描写に結構な納得とカタルシスがあるの、なかなか面白いな。数減らしてんのに『もっとやれ』感がある。
佐河が実愛会の切り捨てを不用意に喋ったのは、あの男にとって他者が共感対象足り得ないことと、実愛会がそろそろ役目を終えてどーでも良くなってることが、複雑に絡んでいると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月20日
人間やめるためにこの異常な状況を仕組んだ男にとって、自分以外のあらゆるものがどーでもいいのだ。
しかし佐河と止界に幻想を見た信者は、教祖を殺してでもそれを守ろうとする。樹里が間島の物語を鏡にして、自分の責務に目覚めたのとは正反対の行動だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月20日
ナイフを握る手と、ナイフを手放す手。こういうモチーフの並べ方が、やっぱこの作品うまいと思う。
フリーザ第三形態めいた佐河の変貌が、どういう脅威を持ち込むか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月20日
そこら辺は来週だが、人間を超越したパワーを獲得する目処が立ったからこそ、人間社会の道具である実愛会の扱いが乱雑になった感じもあると思う。
共感能力がない存在が大いなる力を手に入れた時は、惨劇が生まれるものだ。
宮尾が教祖殺しを決意したことで、カルト&ヤクザ連合軍は実質崩壊した。佑河家がニュートラルヤクザを説得し、同盟を結んだのと合わせて、第1話から話を引っ張ってきたギガバイオレンスの構図は、変質しつつある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月20日
話が別のステージに移る狼煙が、佐河のカヌリニ化になるのかな。
もう一つの線である『謎』も、止界や敵の正体から、実愛会誕生秘話、能力の真実へと移りつつある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月20日
初期燃料を的確に使って、物語は加速している。新しいロケットに点火するべく、しっかり説明と状況整理をやって、話を見えやすくしてくれるのはとても助かるね。
そんな状況の中で、不安定な火種として浮かび上がってきてる良い声糞親父。ガンダムの主人公張れそうな美声なのに、言ってることはサイコ教祖と同じ方向性で『家族』てのが、マジ不安だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月20日
まぁ順当に安定してしまうと、話面白くないからな。『どーなんの?』って部分を、楽しく見せるのは大事だ。
そういう意味ではまーちゃんの子供っぽい不安定さも火種ではあんだけど、まーちゃんは子供だしなぁ…。そういう認識がギリギリ、『家族』をつなげてる描写は結構好き。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月20日
オヤジは経験踏んだ上で、あの寝言を真顔で言ってるところがスゲェよ。ぜってぇロクでもねぇことになるだろ。
しかしその前に、教祖の超暴力が信徒を試し切りしそうである。深海の生き物のように、不気味に潜伏し思考し実験してきた男の牙が、剥き出しになる瞬間。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月20日
ラスボスになるかはまだ分からんけども、確実に強敵になる存在の、悪辣さを見せる大事な場面である。
確実に死人が出る局面を『楽しみ』って言っちゃうのもあんま良くないんだが、しかしドキドキワクワクするのは確かなのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年2月20日
そういう悪辣さをエンターテインメントに調理しつつ、凄く真っ当なものを見据えてもいるこのお話。潮目が変わるだろう次回以降も、非常に楽しみです。