ウマ娘 第9話を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月29日
青い炎に焼かれても、そうそう簡単に星は見えない。走れども走れども、友を思ってもつれる足。
先を征くスペシャルウィーク、追う立場となったサイレンススズカ。故障が入れ替えてしまった二人の立場と、それを見つめるトレーナー、スピカの面々を追う合宿回…+凱旋門賞。
というわけで、スペスズのウロウロを追う回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月29日
自分の視聴態度が迷い道に入ってしまったため、どこで引っかかったのかも書き記しつつ、感想を書いていこうと思う。
グダグダどこが気に入らなかったか、どこを見間違えていたか垂れ流す形になるので、最初にお断りを。
今回スペスズはどうにも一線が超えれず、もどかしい思いをする回である。先週グラスワンダーが叩きつけた思いの熱量、見据えるべき未来が鮮明だっただけに、『どうしてその想いを受け取ってくれないんだ!』というもどかしさが強くて、今回の混迷は不要な足踏みに、正直初見では思えてしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月29日
しかし繰り返し見ていくうちに、一回負けて涙しただけでは乗り越えられない壁の高さが、お互いを思えばこそもつれる足取りが、『走り』への思い入れが重いからこその停滞が、書きたい回なのかな、と思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月29日
グラスの青い闘志は、スピカに属するスペを走り直させるほど、ダイレクトには刺さらないのだ
どうやら自分はグラス→スペへの感情に、凄く思い入れているようで、それがあんま効果を出さなかった(ように見えた)このお話を、どう心に位置づければいいか迷ってしまったようだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月29日
結果一週間、感想を塩漬けにしてしまうあたり、なんとも弱いアニメ視聴者である。グッピー級の耐久度だな…。
グラスの思いは後々、レースでその重たさ、熱さを証明することになるのだろう。あくまで別のチームの、競うべきライバル。熱量と強度を確かめるのはターフで…と思うことで、今回の棚上げを飲み込んでる部分も、正直ある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月29日
ホントなー、あの青い炎に真剣に答えて欲しいんだよ俺は!(典型的厄介)
さておき、グラスが背中を押したスペとスズカの時間は、今回ぐるぐるととぐろを巻く。頭では判っていても、体は思うように走り込んでくれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月29日
それはスペがスズカの背中を追いかける『今までの形』が、スズカの故障によって壊れてしまったからだ。
逃げて刺す異次元の走り。ウマ娘はアニメーションの力をフル動員して、作画で、演出で、音響で、その涼やかな魅力をずっと書いてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月29日
スペがその背中と疾走に魅了され、背中を必死に追いかける心理に、視聴者もシンクロできるほどに、スズカの『走り』は説得力がある。
そこら辺の演出の強さは、どう聞いても精彩を欠くスズカの足音を、逆に印象づける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月29日
心の中に悪夢が巣食って、どうしても前に進めない足踏み。周りは気にしないのに、どうしても体が前に進んでくれないもどかしさ。ゴルシくんの無垢なる誘いが、優しく高潔で素晴らしい。
お互いどうにもブレーキを踏んでしまう現状を、トレーナーさんはじっと見つめる。助け舟を出し、エールを送り、体も身銭も切って必死に後を押す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月29日
それでも走れない、走ってくれない。
今回は『放任主義』を任じるトレーナーさんが、内側に秘めた焦りを表に出していく回でもある。
チームを二つに割り、馴れ合いを禁止し、すこしでも選手が前に進めるよう環境を作るトレーナー。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月29日
そんな想いを感じ取りつつも、やっぱり体と心が走り出してくれないスペとスズ。スピカの仲間の暖かさが見えれば見えるほど、三人のもどかしさが募っていく。インディアンポーカーマジ可愛い。
最後の賭けと、本気の勝負を仕込んだトライアスロン。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月29日
そこでもスペは後ろを、スズカは前を気にしすぎる。『走り』を捨てて立ち止まったスペを前にして、遂にトレーナーが『放任主義』を捨て去る。
見守り、環境を整え、選手自身が自分で足を進める。そういう自主性を重んじる教育を、あえて捨てる。
トレーナーさんの魂の絶叫は、本当に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月29日
入れ替わってしまった立場を、競技に付きまとう必然的な不幸を、過剰に怖がるのではなく受け入れた上で、新しい夢に走れ。
『走る』ことへの敬意をもって、仲間を置き去りにし、その背中で仲間を引っ張ってくれ。
喉から血が出るような、アツい願いだ。
置き去りにすることを怖がるな。ついていくことに怯えるな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月29日
それは『走る』ことで必然的に生まれる勝ち負けを乗り越え、それ以上の価値を見つけて欲しい、ということだ。
勝つやつは、いつまでも勝てるわけじゃない。負けてるやつが、負けたまんまじゃない。
変わっていくことを大事にしてくれ、と。
スペは第1話で出会い、ずっと追いかけてきた『スズカの走り、スズカの背中』に、何処か安心していたのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月29日
それがスズカの故障で変わってしまった。先を征くはずのスズカは、はるか後方にいて、自分の立ち位置が揺らいでしまった。
そのことが、彼女の不調の根源だった。
トレーナーさんの吠え声を受けて、スペは涙を拭ってスズカを置いていく。変わってしまった現状を受け止め、あのときのスズカのように、背中を見せて『走り』で魅せる覚悟をする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月29日
そのことが、スズカが走りの原点まで走り抜ける足場にもなる。
先に誰もいない、トップポジション。この世で一番綺麗な景色を見たいから、スズカは走り始め、走り続けてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月29日
怪我に夢を壊され、痛みと不安にさいなまれる中で見えなくなった景色は、スペの本気の『走り』についていき、感情をむき出しに走り抜くことで見れる。一緒だからこそ、孤高になれる
ずっと見失っていた最初の景色は、しかしその時とは違う色がしているはずだ。仲間がいる。トレーナーさんがいる。一人で走っているわけではないからこそ、たった一人で走る怖さと喜び、責任と誉れはより強く輝く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月29日
原点に帰還しつつ、新しい場所へ。
スズカもまた、『走り』で束縛を壊す。
万事控えめだったスズカが大きな声で吠え、大きな声で笑ったのは、彼女が原点を取り戻したからこそ変われた、分厚い証明だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月29日
昭和の香りのするギャグシーンを経て、みんなで底抜けに笑いあったことで、スズカはようやく『スピカ』になれたのかもしれない。
スペスズに向かい合いつつ、トレーナーさんが『お前ら全員のトップ争いがみたい、スピカのレースが見たいんだ!』と言ってくれたのも、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月29日
気のいい連中だから、主役二人だけじゃなくちゃんと気にかけて欲しくて、そういうところを見落とさない男だということも判って。
トレーナーさんがどんどん好きになる回だったなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月29日
無責任に夢を背負わせるでも、己の夢を捨てて献身的になるでもなく、トレーナーという立場だけが出来ることを必死にやって、自分らしいフォームで一緒に走って、ウマ娘たちを導いていく。
信頼出来る、尊敬出来る男である。素晴らしい。
モリモリ食って復調を果たしたスピカを挟み込むように、今回のお話はエルとの通話で始まり、通話で終わっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月29日
最初はスペの敗戦を励ましていたエルは、凱旋門賞二位を受けて泣く。携帯電話越しに、泣き顔を見せない演出が優しくて好き。
歩き出さないといけないと判っていても、何処へ行けばいいかわからない。スズカの迷いを置き去りにしたお守りは、エルの涙を背負ったスペが矢も盾もたまらず駆け出すラストシーンで、一緒に走り出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月29日
離れることなんて出来ないんだから、肩を並べて走るしかない。そういう結論にようやくたどり着いた
同じところをぐるぐる走りっているように見えて、その実螺旋を描いて別のステージへ登っていくようなエピソードだったんだなと、ようやくまとまって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月29日
一週間遅れで感想を書いております。それは『負け』の重たさ、故障の痛さを軽く描きたくないからこその、足踏みだったのかな、と。
エルの涙を背負ってのジャパンカップで、スペスズはブロワイユと向かい合うことになるのかしら。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月29日
青い炎で、二人の迷いと旅立ちの火蓋を切ったグラスとの対峙も、深めてくれるのかしら。
そういう期待感もグッと高まって、さてはて何が見えるか。非常に楽しみであります。
何より、至近距離でスピカの走りを見守り、導くトレーナーの熱量が超新星であることを思い知れて、安心というか期待というか、とにかくこっちも熱くなれたのが、とても良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年5月29日
ホンマいいキャラに仕上げて、『走り』の価値が上がり続けるアニメになっとると思いました。来週も楽しみです。