前置き
(これからダリフラ23話の感想を書きますが、いつも以上に芯のない、結論のはっきりしない感想になると思います。その上で、過去作との比較とか、感想の域を越えた価値判断とかをやっていくので、一応お断りしておきます。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
あんま勢いよく暴言とかはしません。)
本編
ダーリン・イン・ザ・フランキスを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
ガラスの天井を突き抜けて、戦神の星(マルス)へ。混じり合わない赤と青が、黒い虚無を切り裂く戦場から、更にその先へと。
地に繋がれた男と女が、遥か天上の戦いを夢見る先で、花婿を孕んだ花嫁は恐怖(デイモス)と敗走(フォボス)の拓いた物語の終わりへ
というわけで、ダリフララスト一個前、火星圏大戦争である。スパロボの換装イベントよろしくフランクスが宇宙モードになり、9sはざっくりと死に、アパスはゼロツー巨女モードへと真化する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
煮えたイベントてんこ盛り、あるいはオヤクソクを表面だけなぞる。ここまで付き合って、判断はつかん。
このアニメにとってロボットはマクガフィンであり、少なくとも錦織監督の足場は、少年たちの揺れる青春であったことは、例えばアニメイトタイムズの放送前インタビュー(https://t.co/fBTyAnHmvZ https://t.co/Shp2lsOy4o)などから見て取れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
どうでもいい…とは言わないが、本命を入れ込むための器であったはずのロボットアニメのスケール、あるいはそのコピー(パスティーシュ、パクり、オマージュ、同人誌…どれに当たるかの判断は保留しておく)は、少年たちの当事者性を略奪し、話の足場を半ば奪ってしまったように思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
彼らを宇宙に連れて行く叫竜のテクノロジーは、セミオートで進んでいって”人類”には操作不能だし、アパスゲートはヒロとゼロツーの意志を無視し、彼らを装置の一部として巻き込んで機能する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
残されるモノたちの『一緒に死ぬ!』という意志も、唐突に出てきたゲートの仕様…話の都合で阻まれてしまう
自分たちの文明とは隔絶され、ヒロ以外は交流することもなかった叫竜人との呉越同舟。意思疎通が測れないまま、最終的に狙う場所が同じだからか、自分が関与しない生前の謀略がそういう感じだったからか、ヒロとゼロツーは最終決戦に運ばれていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
それは彼らの本望であり、望んだラストノートだが。
ここで主役たちの当事者性が薄めで、VIRMなり叫竜なりの戦いから距離を起きつつ、色んな事情で半自動的に戦闘を共有してしまっている現状を、隠そうとしないのはダリフラ的だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
自分たちが何を描いているかに嘘はないけども、そこにテコを入れて根源的解決を打ち込む一歩は踏まない。
僕は(もしかしたら貴方も)、物語に入り込む窓たる主人公が、展開する物語に当事者性を持ってくれていたほうが、話にのめり込める。興奮するし、『俺の物語だ!』とも思える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
ゼロツーとヒロは、たしかに世界の命運を決する唯一無二の存在だ。選ばれたヒーローであり、運命のカップルだ。
しかし彼らが己を叫ぶ一撃は、どうも話のコアに食いつかないまま展開しているように、僕は感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
ここら辺は作品内部の視点と、外からの観測がずれている部分だと思う。作者の目線からは、おそらくヒロには当事者性がある。流される中で、彼なりに選び取った末が今、ここだ。
しかし僕が見ていた(見たかった、あるいは錯覚していた)ヒロの戦場は、もう少し小さく、熱く、痛かったかなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
様々なものを剥奪されつつ、顔も体温もない冷たい世間と大人に、それでもと吠える存在。地べたに縫い留められつつ、飛ぼうとする竜。
血を流しながら楔に抗い、傷ついても空を手に入れる。そういうありふれた、反抗と自由の思春期…の話は、まだまだ継続中ではある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
のだが、やっぱり大きくなったスケールが親近感を遠ざけてしまう。宇宙規模の巨大な絶対悪は、ヒロの叫びを反射する手鏡として、巨大過ぎる気がする。
ここら辺はロボットアニメの文脈を、(あえて断定的に言うけど)表面的に盗用しつつ、それに逆撃を食らっている現状以外に、もう一つ理由があると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
超常を思弁する文学…過去のSFを『そういうもんだから』と借りて、VIRM(の延長線上にあるオトナ文明)の空疎を、実のあるものとして描かなかった
例えば”素晴らしき新世界”の、出生管理されたディストピア。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
例えば”幼年期の終わり”の、精神生命体。
例えば”ゼイリブ”の、当たり前の顔をして世界を侵食する冷厳。
例えば”1984年”の、巨大なオトナが透明な管理を当然化した管理社会。
例えば”15少年漂流記”の、隔絶と純粋なる楽園。
意識的に、あるいは無意識的に、色んな文脈を借りて”パクリのパクリのパクリ”が成立する(あるいはそれしか成立しない)のがモダンカルチャーだとしても、これらの作品が自分の物語として活写した、様々な違和感、問題意識、対立は、自分のものとして借りてこなければいけないだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
VIRMはなぜ否定されるべきか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
ハチナナがいちおうまとめっぽいことを言ってるが、外部からの観察ではなく、内部に切り込んでの対話(あるいは衝突)をしっかり乗せて、存在感のある壁としてVIRMの超越性(あるいは卑近さ)を、ヒロたちの直近で描く必要があったのではないか。
噛み合わない主張を一方的に押し付ける神的存在に、血と肉しかもたない小さい人間が反発できる足場を、ちゃんと創っておいたら。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
状況が半自動的であったとしても、ヒロとゼロツーの当事者性を感じて、胸を張って『これは彼らと俺らの物語だ』と、いえたのだと思う。
それは敵の本拠地に殴り込む、次回最終話でやることなのかもしれない。だから、そうやって決着してしまう前に違和感や(これをいう権利があるなら)失望を、言葉にして残しておこうと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
もうちょいこー、話の通じる部分もある敵だったほうが、ヒロの反抗期はより良く、手鏡に反射したんじゃないか
『むしろこの手応えのなさ、得体のしれなさをこそ今描きたかったのだ』というのは、有効な反論かもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
経済も情報も政治も肥大化し、疎外が加速しつづける現代の中で、僕らは何に立ち向かえば良いのか、その正体すら判らない。ぶつかるべき壁すら見えない白紙の閉塞感を、VRIMが背負うと。
だとしても、むしろそののっぺらぼうな不気味さは、愛に報いず善を演じるパパたちの方が、なお巧く伝えられた気もする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
彼らにヒロは接触する。直にあって背中を向ける所まで、第18話で接近していた。それは見えなかった壁の表面、その凹凸がようやく確認できた瞬間だったと、僕は今も思っている。
愚かしい人間の変質であり、だからこそ判りあえず戦うしかなかっただろうパパたちは、しかしVIRMに強制吸収され、消えてしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
空から突然現れた、宇宙規模の透明な悪意。それを呼び込む必然が、もし”ロボットアニメっぽいから”という形式主義故ならば。
とても残念である。
軍勢を壊滅させる爆弾を抱えて、銀河殴り込み艦隊を引き連れ決戦に挑む真アパス。もろに”トップ1&2”のまぜこぜであり、残された少年少女が『オカエリナサト』をやるエンディングは、まぁ大体のオタクが幻視したと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
スケールの巨大化は、トップの同人誌やるためなのだろうか?
それとも、自分の物語を書き連ねるためなのだろうか。最後まで見なければ、その結論は出ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
出ないのだが、今回かなりの圧縮率で展開する”よくある風景”は、敬愛する作品群への敬意に流されすぎて、自分にしか紡げない(紡げていた)物語を手放してしまう感覚を、身近に連れてくる。
例えば、9sを死地に連れて行った特攻主義のあっさり感とか。そら、深く関わる描写がないんだからあっさり死ぬのも判るし、ゼロツーほど深く13部隊のサークルに食い込んでないんだから、彼らが”人間”に執着して生き延びる道を選ばないのは、確かに道理だろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
ここら辺はハーフオートを隠そうとしない描画と共通してる、ダリフラの素直な部分だ。生きても死んでもいいように書いてきたから、死んで徒花咲かせました、と。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
しかし、彼らも生き残るべき特別なサークルに接近し、実を結ぶ花になる可能性はあったし、あるべきだとも思う。
話の流れに素直に描いたら、あっさり死んじゃったにしても。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
最初から死んで(意地悪な見方をすると、いかにもロボットアニメ的な特攻を背負い、それっぽく盛り上げて)もらうために、席が用意されていたにしても。
キャラはキャラとして世界の箱庭の中で生きていて、血を流すものだ…と僕は思う。
そういう魂の身じろぎと擦過傷は、それこそロボットアニメやSF的なスケール描写を置き去りにしてでも、13部隊のサークルをクローズアップで描く中で、丁寧に丁寧に積み上がったものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
このアニメはそういうモノを描けるが、9sには及ばない。現状、VIRMにも。
9αの物分りの良い死が、僕はとても悲しかった。主役たちの歪んだ鏡として、主役たちが掴んだ”人間”を掴み損なった影として、それが必然だとわかってはいても、もうちょい話に都合悪く、生き汚く死んでくれても良かったかなぁ、と感じた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
そこら辺は、余計な感傷なんだろうが。
ここら辺の冷淡さは冒頭からずっと続いていて、ゼロツーが食いつぶした無数のダーリンとか、ザックザックと死んでいったナンバーしか持たないコドモたちとか、モブには厳しいアニメである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
特別なことを成し遂げる、特別なダーリンの話であったとしても。有象無象は大事にして欲しいのだ。
先週判ったとおり、ヒロはそういう幅広いものに視野が行かない人だし、そのことが彼の強さ、英雄性の根源であるから、彼を主役にした以上、話はひつz根的にそういう方向に行く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
長く付き合った13部隊も、今回遂にヒロのミーイズムにはじき出されることとなる。
最終的にそういう場所に行くとしても、ゼロツーはやっぱりコドモたちのサークルを羨ましげに見つめていたし、そこで手に入れたイチゴとの関係性には微笑んでくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
しかし、”えらそう”なイチゴの公平なリーダーシップと情は、ゼロツーを現世にはつなぎ留めない。
人は結局一人で、特別に繋がりあったハニーとダーリン以外に魂を共有できるものなどなく、しかし一瞬触れ合ってぬくもりを伝えることくらいは出来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
そんな寂しくて綺麗な関係性が、このアニメの結論ならば…怒れば良いのか、受け入れれば良いのか、まだまだ僕にはわからない。
ヒロとゼロツーが最終的にたどり着いた、深宇宙的ミー(&ユーオンリー)イズム。そこに、赤の他人と手を取り合い、頼れる仲間と支え合う道を選んだ”人類”はついていけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
そういう審判が、今回出たのは間違いなかろう。問題は、コズミックビーイングへと羽化登仙した二人が、ちっぽけな人間の生を
覚えて、慈しんで、帰ってくる縁へとしてくれるか、ということだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
僕はヒロのような英雄でも、何を振り捨ててでも取り返したいハニーがいるわけでも、人類定義を超越できるわけでもない。ゴローやミツルのように憧れて、それでもちげーやと飲み込んで、見守る側のほうが近い。
だからこそ、身勝手に世界を救いに行った彼らが、地べたに取り残されたツマラン人間たちを、大事に思い続けてほしいと思う。思うだけでなく、生き死にの際で生を選ぶ理由に、行動を導く強い手鏡になって欲しいなと、今でも願っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
それが叶うかは、最終話を見ないと判らない。
そういう段階で物語を見渡すと、ヒロとゼロツーは初期に帰還した、とも言える。自分だけを見るミーイズムの権化、ダーリンだけいればいいスラット。結果だけ見れば、旅立っていった彼らはそこに帰還する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
それならば、途中経過で手に入れた世界の広がりは、沢山の人の思いは、どういう重さがあるのか
僕(ら)が見続け、好きになり、大事にしてほしいと思ったサークルの繋がりと広がりは、彼らの決断と孤独にどういう意味を持つのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
ヤッパそういう場所が気になっていて、それを描くキャンバスとして、デカくなりすぎたスケールは扱い難しいな、と思っているのだ…ろう。
感想の書き方が、煮えきらなかった5~13話あたりに戻っている感じもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
巨大化したスケールでしか描けない”なにか”に説得力を詰めて、目の前に提示してくれるホームランが飛び出すなら、それはそれで全然OKなのだが。今回の書き方を見てると、正直少し不安にもなる。
無論良いところもたくさんあって、例えばミツルがヒロゼロとは違う形で、オトナからの略奪を乗り越えたのは素晴らしかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
白紙の記憶を蘇生させるのではなく、ゼロから同じ物語を書く。何度でも、胸の奥から湧き上がる感情が必然的に繰り返す。それは、ヒロがたどり着けなかった物語だ。
前回切断されたミツルとの会話は、今回冒頭に配置される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
『義務があるから』残ると答えたミツルは、コドモの制服を着ている。
雨の中濡れる伴侶を無視できず、飛び出して抱きしめ、名前を呼ぶ彼は、制服を脱ぎ捨て労働者の格好をしている。
©ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会 pic.twitter.com/jVaC9TOlmo
空の曇り具合が感情とシンクロする演出は、人間サイドの心理主義演出を引き継ぐ形だ。問題解決すると、バッチリ晴れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
名付ける。抱きしめる。ミツルはゴローのパンチと決別とは別の形で、ヒロの背中に追いつき、ヒロとは別の道を選んだ。
『さらば英雄、俺は夫に、父になる』というわけだ。
二人(そして彼らの出産に続くだろう百億人類)の契約の証であるリングは、茨の冠のように捻れている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
神が与えてくれる静寂の救済を拒絶し、生まれたり消えたりする在り方を選択した人類は、英雄なき世界でぞろぞろ増えて、罪を重ねていくだろう。
©ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会 pic.twitter.com/MClcgQS284
永遠の契約は空の上でも起こっていて、ヒロはゼロツーの心象風景に分け入り、食われて一体化し、ゼロツーの腹に永遠に宿る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
不妊を悔やんでいたゼロツーが、真アパスという恒星規模の女体を手に入れることで、ダーリンを孕む。地上の身体を石女に変え、永遠に孕み続ける聖母へと変わる。
ヒロが唯一の母であり妻であるアパスと、へその緒で繋がれるモチーフといい、ゼロヒロは外界へ突破/射出されるのではなく、内部へと帰還/埋没することで終局へと向かう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
ここに閉塞感を見るか、始原へと回帰する親和性を見るか、話が母なる暗黒を見るか。人それぞれであろう。
真アパスは角隠し&ウェディングドレスの花嫁武装だし、ワープゲートは宇宙規模のバージンロード、恒星破壊爆弾はブーケトスといえる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
ヒロゼロの結婚/一体化を祝福するように、世界は雌雄と赤青に満ち続ける。それは、紫に混じり合わない
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なにしろダイモス/フォボスのワープ発生装置すら雌雄の形をしていて、それが結ばれることで道が開ける訳で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
女と男、赤と青に切り分けられ続けてきた物語は、その終わりを迎えてより加速している感じもある。
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神域に達して銀河中枢へと向かうゼロヒロと、彼らに人間性を目覚めさせられたがゆえに地上に置き去りにされる人類は、寄り添いつつ混じり合わない二つの線…作中最大の赤と青だったのだ、と確信できるなら、自分もいろいろ楽なのだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
流石にそこは、混じり合う紫を見たくもなる。
9αと見る地球も、宇宙戦用フランクスのブースト炎も、全ては赤と青だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
作品世界を支配するロジックにそまれなかった九式は、オレンジの炎を放つ。真アパスがゼロツーの顔をしていたのに対し、彼女のギズモたる9sの愛機は仮面を被ったままだ。
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9sは13部隊の命を反射する手鏡足り得なかったし、13部隊も彼らの手鏡にはなり得なかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
冷たい拒絶を乗せた白い仮面は、なぜ彼らが死ぬかというロジックを無言で雄弁に説明しているけども、僕の未練はその下面が剥がれて、こっちを見てくれる展開をまだ求めている。帰らぬ谺、空しき反射だ。
混じり合わないと言えば、第13話を再話する童話心象の風景も、スペース大戦争とは混じり合わない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
外野が知ったふうな口を利くなら、”A-1的心象表現”と”TRIGGER的ケレン味”もまた、赤と青のように共存せず、隣接して、だからこそ力に変わったのだろうか
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これまでの描写をしっかり回収して、白紙のエンディングを自分たちで書き直そうとする展開も、僕はとても好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
サークルとの交流を経て、人間定義を生まれでも身体でもなく魂の在り方、他者との繋がりに求めたはずのゼロツーが、怪物コンプレックスに戻ってるのはやっぱ寂しい。
イチゴがどんだけ『あたしら仲間だから! リーダーとして導き守るから』と、角の生えた女の子に手を差し伸べても。ゼロツーがそれに、どれだけ救われ助けられても。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
魂の根源に踏み込む特権は、ダーリンだけのものなのだ。
その圧倒的唯一性こそが、この話のコアのような気もするし、それを認めると膝ガクーなるかもしれんし、なんとも言い難い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
蛇に絡みつかれたまものの直後に、魔物が変じた蛇に絡め取られているヒロ。鏡合わせの二人は、どうやったってよく似てる。
©ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会 pic.twitter.com/dWsPgN4xUc
ゼロツーを取り戻した後、薄暗いコックピットには明かりが灯り、ヒロは狂気乱舞する赤と青の渦中にある。全身を拘束するケーブルは、01との支配/繋がりの変奏であり、ヒロの全てがゼロツーと癒着した現状を写す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
©ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会 pic.twitter.com/XfqeD5zsqq
それはそれで強力な、愛と真実の一つの形だとは思うが、同時にそこには思い出が、みんなで取った写真もある。そこだって、やっぱり赤と青の共存する世界なのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
二人で夢見たもう一つの最終ページ、飛び立つ鳥はどちらに向かうのか。空青く、城赤い。
©ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会 pic.twitter.com/4zlGEv3lsi
とまれ、コドモたちは火星まで行き着き、神になりそこねた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
地を耕し子を生む当たり前の地べたへ、否応なく帰還するのだろう。その世界で、石化したゼロツーは崇拝の対象へ…新人類の偶像(アイドル)になるのだろうか。ED回収であるな! 全く嬉しくねぇ!!
そんな彼らが帰還を希う、深く触れ合って、遠く別れていく身勝手で優しい二人の友人。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
もはや分かたれることもなく、外界に出産されることもない新種の”人類”となったゼロツーとヒロ、最後の戦いが、来週判る。
神様は一体、何を願うのか。それは誰が叶えてくれるのか。
泣いても笑っても、後一話である。思い返すと、いろいろグダグダ考えて、今でもブンブン振り回されている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
それもまぁ、悪くはないかなという気持ちはある。そこから上がるか、下がるか。なんだかんだこのアニメが好きな一人として、最終話を見守りたい。
余談1
しかし真アパスがお披露目されることで、死んでなお気持ち悪さを加速させたフランクス博士は、ほんと凄いと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
『本来なら、ワシと01があのポジションじゃったのに…釘宮声青肌巨女の胎内にINして、永遠の母子共犯に飛び込むんじゃ~』という、亡霊の声を幻聴した、マジすげぇよアイツ。
余談2
作品自体を見るノイズになると思って、あえて”なんかの同人誌”な部分をカットして見てきたわけだが、その無批判(に見える)無限のコピーが物語の熱量をドレインしている(ように思える)現状を鑑みると、真面目にぶっ叩いておきゃ良かったかな、と少し思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
殴ったから変わるわけじゃないけども。
余談3
ヒロゼロはセックスを弄び、無邪気な子供時代の運命を思い出してプラトニックに進み、セックス飛び越してヒロをゼロツーが孕むぶっ飛び決着となったが、”性”の決着点としては内向きに過ぎねーかなコレ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
外部へ広がっていくセックスは、ミツココが担当するから良いのかな?
ここら辺は来週、ヒロの心臓にぶっ刺さったへその緒が切れるか、繋がったままか次第ではあるけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
ゼロヒロがたどり着いた絶対唯ニの関係性を、許容できるか否かは作品全体の受容/否定に、大きく関わってくると思う。僕はここが曖昧だから、作品への判断もあやふやなのだろう。
なんか判る気もするし、認める訳にはいかない感じもある。これまでの描写がこの結論を肯定している感じもあれば、そこには繋がらない、繋がってほしくない気もする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年7月3日
どっちにしても、来週で終わりだ。僕が何を見てきて、何を見ているかも判るだろう。分からんかもしれんし、その公算が高い予感はある