少女☆歌劇 レヴュースタァライトを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
深く、もっと深く。己の心の奥底へと続く階段を降りて、わたしたちの舞台を約束して、ようやくたどり着いた二人きりの場所。この世の果て。
舞台少女の現在を背負い、シーシュポスの神話を再生産するひかりを前に、華恋は何を差し出すのか。
さぁ、幕が上がる
そんな感じの最終回である。一話まるごとレビュー、難解で複雑で抽象的な多層構造を繰り返しつつ、二人の少女、レヴューとスタァライトについて語っていく、ラストエピソード。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
”わたしたち”について現実世界を彷徨い、掘り下げた第10話をAパートとし、11話全体をBパートとする変則型二層構造か。
よりにもよって最終回に、一番ワケわかんない話が来るのがスタァライトらしい。ここまで舞台少女の輝きに引き寄せられ、ウンウンうねりつつ舞台を負った視聴者は、ある程度のリテラシーが出来ている、と信頼しての運びかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
成長したのは、少女たちだけじゃない…と思いたいね。
さて今回は、寄せ鍋カニ鍋を楽しむ居残り組(現実で待つ”わたしたち”)にも目を向けつつ、徹底的にひかりと華恋、二人の主人公であり二人のヒロインでもある存在を掘り下げるエピソードだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
運命の舞台は複数用意され、舞台装置や衣装を取り替えながら連続して展開していく。
構成としては
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
運命の舞台:その1(ひかりソロ)→運命の舞台:その2(華恋参加、側にいるだけ)→運命の舞台:その三(約束の再発見)→終章:星罪のレヴュー→アンコール:戯曲スタァライト→星摘みのレヴュー─(現実への帰還)→新解釈のスタァライト
という運びになる
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運命の舞台の尺が長く、再演回数が多いのは、ひかりが身をおいた贖罪の砂漠がどれだけ乾いていて、彼女がどれだけ辛く寂しい日々を繰り返したかを、視聴者と華恋に追体験させる意味合いが強い気がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
全裸土下座から服は着たものの、何もかも忘れ一人芝居、賽の河原を積み上げる姿は痛ましい。
レヴューのタイトルでも明瞭だが、星摘みとは星積みであり、星罪でもあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
スタァになりたい、輝きたいという自己尊厳の欲求そのものが、エゴにまみれた見にくい罪。人はそんな宿命の中で踊るしかなく、ひかりはそれを一人で背負う。三森すずこの声をしたジーザスである。
掘り返し、積み上げ、壊される繰り返し。シジフォスは二度神を欺いた罪として、必ず落ちる岩をそれでも持ち上げる苦役に縛られた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
たった一人(であり、モニタの向こうで目をギラギラされている僕ら百億人の代理でもある)キリンを満足させるため、孤独な再演は続く。
一回目、華恋は何も出来ないまま、ひかりの苦境をただ見る。観客と同じ立場にいて、痛みを共有できない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
これは第1話、あるいは第11話開始前の華恋である。何も失われず、幼い世界のまま満ち足りて、喪失の苦しみに真実共感できない、ガキっぽい主人公。
そんな存在は、可愛そうな女の子に手を差し伸べる資格がない! とばかりに、赤い星のハンマーは罪/摘みの塔を壊す。(これがほんとのモルゲンステルン)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
憧れそれ自体が、憧れに近づく行為を否定し、破壊する。皆その残酷な定めに、青春を破壊された中で生きているのだ。ピンクの砂は星の遺骸である
二度目。観客席から踏み込み、しかし思い出を再生産されない華恋は、亡霊のようにひかりに寄り添う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
至近距離で寄り添ってみると、星を摘むその腕が痛ましく赤いこと、ひかりちゃんがやっぱりとても傷ついていることを、僕らも華恋も痛感させられる。ぜってぇ許さねぇぞ…。
結局同じ筋書きが繰り返され、星積みの塔は巨大なハンマー(舞台装置、あるいはシステム)によって破壊される。華恋の透明で無力な優しさは、ひかりの手を掴めはしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
だが、ひかりは痛みの当事者として、違っているけどどっか似ている喪失の痛みを共有する。
(C)Project Revue Starlight pic.twitter.com/RVe7XCCkO4
三度目。再びお定まりの言葉を口にし、夢の遺骸を掘って大きな夢を取ろうとするひかりに、華恋は声を掛ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
『約束、忘れちゃったの?』と。
それが劇中幾度も繰り返され、道を外れそうになった二人を呼び戻し、物語を推進してきた魔法であることは、既に承知であろう。
無邪気で無関係な子供のポジションから、隣り合って透明ででもたしかにそこにいる、友人の距離へ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
再演にみえて再演ではない運命の舞台を経たことで、華恋の言葉には重さがやどり、残骸に埋もれた星は姿を変える。
繊手と花と涙と星。スタァライトそのものである。
(C)Project Revue Starlight pic.twitter.com/mPzvzXz1Kx
かくして、誰でもあり誰でもない匿名の役者から、神楽ひかりとしての身体、記憶、アイデンティティを手に入れてしまった少女は、永遠の舞台にとらわれるのをやめる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
禍々しい赤い星ではなく、あの時見た夢のスタァが、地平線から立ち上がる。第二ラウンドだッ!!
あ、安全席から自分だけ日陰で、オアシスに身を浸してボケーッと見てるキリンへの苛立ちは、既に限界点であります。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
オメー何、少女の自分星水に浸して踏み付けてんだ!! ぶっ飛ばすぞ!! という気分だが、キリンと同じく傍観者の僕は、舞台に介入できない。
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かくして開く奈落の扉、一寸先の闇の中、実は足元にはどでかい地獄が口を開けていたことを、華恋はようやく気づく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
空に輝き、人を誘っていたはずの虚栄の冠が、その虚しさと共に地に落ちていく。全ては虚しく、儚いものだというニヒリズムに、ひかりが沈んでいく。
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もはや少女を誘う青い光はないが、それでも華恋はふたたび飛び込む。第1話では幼さゆえの蛮勇、足元が見えないほどの熱狂が導いた飛翔は、今回は確かな確信と決意、痛ましき理不尽への怒りで羽ばたいている。https://t.co/OicUueoSbB
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
現実がどれだけ暗くても。絶望と諦めがいたるところで口を開けていても。それでも、あなたの闇に飛び込みたいと思えたから、華恋は飛んだのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
ひかりを喪って初めて知った、ひかりの痛み。その実感と共感…優しさと強さがが新たな舞台へと繋がるのだ。
その真っ黒な愛の色が僕にはあまりに眩しくて、すこし再生を止めてしまったわけだが…人生のいたるところに開いてる落とし穴に、ズッポリは待って抜け出せない人(達)にとって、この恐れのない跳躍は憧れと恐怖を、同時に呼び覚ますだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
星に目を焼かれた少女も、同じものを見たのかもしれない。
しかし舞台少女とこの作品は、当たり前に世界を満たしている不条理と破滅を視界に収めつつ、膝を屈しない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
きらめきはいつでも、あなたの中に。幾度破れたとしても、夢は蘇り、あなたの過去があなたを再生産する。
その不屈、不死性にエールを送りつつ、ひかりと華恋、二人のレヴューが踊る。
華恋が携帯電話を世界のセンターに置いたように、ひかりちゃんはティアラを配置する。なんの価値もない虚栄の光だと自分で言ったのに、それがとても大事なものだと抱きしめるかのように、もう一度星を摘む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
それはもう、それがなんの価値もないという言葉を、既に裏切っている仕草だ。
約束だから、赤い星を追いかけた。ギラギラと輝いて魅力的だったから、自分も輝きたかった。人を破滅に導く魔の光は、しかし自分を前に進まえ、高みへと上げていく導きのシリウスでもあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
その憧れを捨てきれないから、走ってきた自分と、共に走った仲間たちを大事に思うから。
ひかりちゃんはティアラを、再度かぶるのだろう。ポジションゼロ、世界のセンターに置くのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
そのギラついたエゴイズムが、僕にはとても優しくみえて、やっぱりひかりちゃんのことが好きになる。この子が幸せにならなかったら、俺ぜってぇ許さねぇからなあ…。
闇の中、舞台装置を駆動させないシンプルで力強い殺陣が進行し、”Caliculus Bright”を最大限活用したひかりが、華恋の星を砕く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
定められたオーディションの結末、刻まれる勝者と敗者。ワイヤーアクションバリバリなひかりちゃん、マジカッコイイ。
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勝敗が決し、分割されていく塔。真っ二つに割れるポジション・ゼロ。堕ちていく星の光の中で、華恋は既存のシステムを超えた新たな結末を再生産する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
星を砕かれたから負けじゃない。地面に落ちたら終わりじゃない。ルールは自分で決め、世界を塗り替えるほどの熱い野望を
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エンゲージの約束として華恋に贈り、ひかりが世界の真ん中に据えるほど大事にしていたおもちゃの王冠が、幼い日の熱い衝動が、華恋自身を、ひかりの夢を、世界のルールを再生産していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
それは変身ではなく、変貌でもなく、過去に繋がる現在だけが未来へと脱皮しうる、連続性への信仰だ。
舞台が続くこと。生きて、出会って、別れること。笑い合い、傷つき、百億の感情を焼べて命が脈動し続けること。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
その不可思議に強い信頼をおけばこそ、それは”再生産”なのだ。夢は何度も生まれ変わる。しかしそれは、過去の夢と確かに繋がっているのだ。
掟破りのアンコールにキリンも俺も大興奮だが、華恋はここにいたり、舞台を完全に我が物にし始める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
かつて天堂真矢に圧倒されたときのように、あるいはそれ以上にハチャメチャに世界を規定し、その中心で自分のためのステージを作り、踊る。世界の真ん中に、私がいる確信https://t.co/1jHSEnqeTW
強者であり、勝者であり、トップスタァであるメンタリティを我が物にした証明として、とんでもない舞台装置が大暴れする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
約 束 タ ワ ー ブ リ ッ ジ
頭おかしいんじゃないの?(褒め言葉)
華恋の想いを形にした、狂気の渡らせ橋である。なんという説得力…。
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ひかりが倫敦での敗北をトラウマとし、青いタワーブリッジを背景にすべてを失ったことを考えると、それとにていて全く違うバロックな約束タワーブリッジは、そういう心の傷を華恋味に癒やし倒す、ある種のケア・オブジェだとも言えよう。https://t.co/HUZiUjyc0c
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
この橋を渡って、華恋はひかりの孤独に踏み入り、お互いのすべてを奪い奪われる(つまりそれは、与え与えられるということだ)関係へと、”わたしたち(あるいはわたしとあなた)”を再生産させていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
それはつまり、思い出タワーの時代に閉ざされた、ひかりの幼さを開放することでもある。
まひるちゃんのように、ずっとお側にいたわけではないひかりの中で、華恋と自分はどこか、約束タワーの幼い子供のままだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
決定的に自分たちを決めてしまった運命の瞬間は、強烈であるがゆえに枷としても機能する。https://t.co/LSIKMcjrQV
脆く、弱く、だからこそ赤い星を求めた。幼い日の無垢なる時代は、ひかりが華恋と自分の成長を、傷を受けても立ち上がれる強さから、目を背けさせてしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
綺麗な思い出の赤いタワーは、少女を閉じ込める悲劇の塔でもあることが、最終段階で暴露されていく。
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だからこそ、そこに思い出をダイレクトにぶっ刺して橋をかけ、ぶっ壊して、素裸の自分を、傷だらけになってもちゃんと立てる華恋を見せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
純那ちゃんを倒して、真矢様に負けて、まひるちゃんと分かり合って、ばななを切り捨てて。いろんな戦いを経て大きくなった華恋を、堂々と突き立てる。
ここで過去を完全否定されてしまったら、ひかりちゃんもその想いを受け入れにくかったと思う。しかし、割れた心に掛かる橋は、他でもない思い出タワーなのだ。それしか、二人に掛かる橋はないのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
『約束、覚えてる?』
携帯で、口頭で、あるいは巨大な塔で。幾度も確かめた問いかけが胸に滑り込む。
今までイマジナールな空間で行われていた”アタシ再生産”を、真っ赤な電飾でギラギラ実体化させつつ、華恋は最後の戦いに挑む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
そこは星の残骸が埋葬された砂漠の上、天より高い塔のはて。別れたはずの世界の中心は、赤と青が混ざりあった色彩に再生されている。
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ひかり輝く華の舞台で、二人はシンプルに交錯する。自分がすべてを奪い、全てを与える”特別なあなた”だと証明するためには、本気でぶつかる必要があった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
戦いは奪うだけでなく、そこから生まれ直すためのゼロポイントを与えてもくれる。
これまでのオーディションを肯定する一刀が吠える。
死闘の、あるいは口づけの距離でひかりが交錯し、自分星が空を舞う。それがどちらのものであったか明言しないが、『二人が勝者として、敗者として並び立つ』結末を考えると、ひかりちゃんの星が飛んで一勝一敗、かなぁ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
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つうか青いジャケット飛んでるからひかりちゃんじゃん。(節穴暴露)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
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約束と孤独、闘争と決意の果てにたどり着いた、世界の頂点。一人しか立てず、赤い星の光で身を焼かれるはずのその場所に、少女たちは穏やかに伏す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
繋いだ約束は、今も胸の中で赤く、青く、脈を打つ。センターゼロは、やはり紫。もう、孤独な血の色をしていない。
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かくして孤独に落ち込んだひかりちゃんを取り戻すべく、死人を生者に変えるべく明快に挑んだオルフェウスの戦いは、大勝利と終わった。ありがとう、レヴュースタァライト…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
死地に赴いた二人が帰ってこれたのは、やはりもう一つの約束、『みんなで舞台を』のおかげだと思う。
最終二話の戦い、あるいは不思議なオーディションそのものをどう受け取るかは、諸説あるだろう。確定した答えはないだろうが、心理的葛藤を幻想的に描写したものとも取れるし、現実に不思議なことが置きていたとも受け止めれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
そこは、規定しなくてもいいし、規定してはいけない部分な気もする。
ロンドン留学で挫折したひかりちゃんが、華恋と再開し、”みんな”の一人になり、もう一度去ることで華恋が彼女の孤独を学び、今度こそ真実心の奥底に触れることが出来た。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
そんな普遍的で、現実的な筋立てをレヴューに重ねることも、当然できる。がそれが現実であるというだけで、真実を独占は出来ない
幻想と現実は重なり合って存在し、その境界線は曖昧で、相互に影響し合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
幻の中で受け取ったエールが、圧倒的に本当の心をつかむ助けになる瞬間が。
あるいは人の真実を描く幻想を書き切るために、圧倒的な現実と向き合うべき瞬間が。
かならずあるのだ。
複雑怪奇でぶっ飛んでいて、だからこそ面白かったレヴューの数々は、だからこそ面白く、僕らの心に残る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
なにか形ある決断を、この幻像が後押しするかもしれない。ただ楽しかっただけかもしれない。その両方に、強く大きな意味があるだろう。
ファンタジーを力強くファンタジーとしても、このアニメはとても良かったと思う。一体レヴューとはなんだったのか。答えを明言しないからこそ、豊かに広がる可能性もある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
その曖昧な美しさを喉で転がせる体験は、やっぱり豊かだしありがたいことなのだ。
さて、現実サイドの居残り組は『寄せ鍋』を作る。みんなで(KUSOAMA香子すら!)包丁を握り、材料を集め、暖かく美味しく食べる食事で、二人の少女の帰還を待つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
それは楽しい日常の風景だが、少しのきな臭さも漂う。
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人参のお花を茶碗蒸しの底に沈め、『みんな』を待つななは、もはや再演を必要としない。傷ついても立ち直れる仲間の強さを、身にしみて学んだからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
そういう成長を見せつつ、ひかりと華恋に備えられるのは露骨に陰膳である。
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トップステージで、厳しい夢に向き合い続ける舞台少女は、二人が帰還しない可能性、一緒にお鍋を食べれない未来も、視野に入れていたように思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
挫折し去っていったあの二人のように、夢破れ心砕けて地に落ちることも、忘れてはいないからこそ。それでも、信じる心の形として鍋を添えたのではないか
甘い夢、幼い憧れを大事にしつつも、無慈悲な現実を見て、それでも夢を語り続ける。このアニメ自体のスタンスが、のんきなお鍋パーティーにはしっかり宿っていたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
ほんと最後の見せ場とばかり、カプが”圧”だしてきたな。香子お前…。
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少女たちの想いは杞憂と終わり(あるいはそういう、現実と夢のバランスを取れる仲間がいたからこそ)、二人は現実に帰還する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
第100回公演は独自の解釈を加え、大胆にアレンジされた”スタァライト”となった。やっぱクソ舞台だよね!!
少し乱雑さ(混乱する幼児期、無邪気さ)を取り戻した華恋の机には、ひかりちゃんを死地から取り戻した記念の写真。『い』で口が固まってるから、「かにー」って言ってんだな…可愛いな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
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再演と変奏を繰り返し、挫折と絶望、再起と成長を積み重ねながら、舞台少女の舞台は続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
キリンがこっち向きながらメタメタに語っていたように、2次元のアニメの次には、2.5次元の舞台#2がやってくる。あそこ、コンテンツホルダーの熱がみえて凄く好き。
それでも、アニメをメディアに語りきられたこの物語には幕が下り、また幕があがることで終わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
舞台少女の戦闘服をまとって、またどこかで戦端が開く。いつでも光る星、ポジションゼロの色は、やはり青と赤の混じり合った曖昧な紫である。
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というわけで、スタァライトが終わった。終わってないが、まぁ終わったのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
まず、ありがとうとしか言えねぇ…スタッフワークとネタのトンチキ差で期待しながら見たんだが、こっちの想像を500%でぶっ飛んでくる、素晴らしいアニメを届けてくれた。ありがとう、本当にありがとう…。
良いところが山のようにありすぎて、どこが良いって褒めたら良いか解んねぇけども、まずキャラが良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
主役だけを立てるわけでも、魅力的な群像に埋没するでもなく、それぞれお野心と尊厳、強さと優しさを持った一少女として、九人(と裏方)を描ききってくれた。
特別な相手に流れ込む特濃の感情を、分厚く色濃く大事にしつつ、それだけでは終わらない友情の横幅、風通しの良さもまた、爽やかに維持する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
”わたしたち”だからこそできることと、”わたしとあなた”だからこそできること、療法をしっかり捉えたアイデンティティ像は、青春物語として強かった。
普遍的でありふれた感情を扱いつつも、美麗な美術と鮮明な演出、色彩にキャラや心情を乗せきるパレットの使い方は、それをありきたりに埋没はさせなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
ケレン溢れるレヴュー、圧倒的な歌の力も合わせて、力強く特別で、当たり前な青春が全速力で疾走していた。
各話数描いたものが響き合い、様々な奥行きを作っていく構成の妙味も、また素晴らしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
人と人との繋がり、過去と現在の唱和、秘されていたサスペンスが開放される瞬間のショック。様々な劇作のアーツを使いこなし、楽しませ、心を踊らさせてくれた。
現実(舞台)と仮想(アニメ)の尼僧構造という特性を最大限に活かし、幻想にいかなる勝ちがあるのか、ファンタジーとして朗々と歌いきってくれたのも、ファンタジーを愛するものとして感謝の限りだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
第11話の”舞台少女心得 幕間”は、凄く個人的なエールとして胸に突き刺さり、もう抜けないだろう。
愛のセンスが上品かつパワフルで、楽しいシーンがちゃんと笑えたこと。女の子を書く筆がビシッバシで、記号をうまくつ書い、あるいは裏切って新鮮な可愛さを届けてくれたこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
濃厚な女と女の関係性、感情の嵐を毎回届けてくれたこと。
最高に良かった。色んな部分が楽しく、面白かった。
東京タワーをレガリアと据えたことで、ある種の都市論になっていたのも、個人的には面白かった。舞台論、メディア論、メタ物語論としてみても、色々光るものが様々埋もれている、豊かで楽しいアニメだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
そういう知恵を全面に出さず、ポップにやりきったのが一番すごいかもしれない。
現実の苦さ、青春の蹉跌を象徴的に、しっかり見据えつつ、そこで諦めない前向きな姿勢が、最後まで貫かれていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
みな自分の誇りを胸に、あるいは仲間の支えを素直に受け入れ、自分星を求めて前に進んでいく、可愛く頼もしい、誇らしい舞台少女の物語だった。
最高だった。
今後ソシャゲに舞台に再アニメ化にと、色々ぷらんはすすんでいくとおもいます。そちらに期待しつつも、やはり今は大団円にありがとう、を。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月28日
本当に面白かった。優れた青春譚であり、演劇物語であり、幻想譚であり、面白いアニメだった。
お疲れ様、ありがとう。このアニメ好きになって良かったです!