ハイスコアガールを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
大野さんと描く川崎抒情歌、それを写し取ったプリクラが、日高さんの気持ちを高め、焦らせていく。打ち上がる花火、高まる気持ちは止められないまま言葉となり、ゲージ三本消費、全力の『好き』が唸りを上げ……
ピコピコ少年少女の青春絵巻、堂々の未完ッッッ!!
そんな感じの、TV放送最終回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
キリの良いところがないなら、Netflixの資本力を頼りに、キリの良いところまでContinueすればいい。
あまりの『続く!』力に愕然としつつ、しかしなるほどと納得するしかないパワーに満ちた、力強い最終話であった。
終わるところで終わらない横紙破りを飲むためには、物語の圧力で押し切るしかない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
大野さんを捕まえた後の川崎ラブコメ、置いてけぼりにされる日高さんの寂しさを追った夏の花火、どちらも抒情性で持って全力打撃を繰り出してきて、有無を言わさぬパワーが有った。ピークの作り方も良い。
前半の川崎ラブコメは、とにかく大野さんの可憐さ、可愛さが凶暴に唸りを上げ、安定感すらあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
恋をすっ飛ばして愛に行ってしまったハルオの気持ちのように、告白やら恋人やらをすっ飛ばし、疑似夫婦を演じる二人。
70'sフォークソングの、擦り切れ愛おしい質感がやりとりに宿っていた。
これは後半でも大事なところだが、大野さんが”覚悟をキメる中、”ハルオはガキのままである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
年頃の男女が一つどころに宿を取る意味を、さっぱり理解しないまま、”くにおくんの大運動会”である。ピコピコより夜の大運動会でしょうがッッ!!
下卑た絶叫はさておき、言葉を発しない大野さんの表情を追えば、彼女の胸に宿った恋情の熱さ、ハルオを求める激しく強く、エロティックですらある気持ちは、しっかり見えてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
むしろ喋らないからこそ、繊細な芝居で思いを伝える必要が出てくる、とも言えるが。
そういう大野さんの覚悟と期待を肩透かしするように、ハルオは永遠のゲームキッズとしてはしゃぎ、しかし人間にとって大事な部分は、けして間違えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
ほんと何気なく、ボソッと呟く言葉、一つの身振りが相手を心底思いやってて、魂がイケメンなんだよなぁ…アタイ、ハルオボーイのこと好きよ。
二人の思いはすれ違いつつ、しかし優しい真心は圧倒的に本物で、ハルオは大野さんに見送られながら”仕事”に出て、”家”に帰ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
可愛い可愛い嫁さんが待っているから、仕事にも気合が入ってフンガフンガ。恋愛未満の距離にいながら、二人の関係性はまさに盤石である。
そういう穏やかなスケッチは、そこに入り込むことが出来ない日高さんの哀しさを強調もするし、ハルオの鈍感さを肯定もする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
ハルオが恋にガッつかないにぶちんボーイだからこそ、大野さんが抱えた複雑な事情を前に焦らず、ただの友達、ただの少女として大野さんを受け止めきれている。
そんな感覚すら生まれる、とても穏やかな”家”のシーンであった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
相変わらずハルオのカーチャンは女神のごとく、まだ自分の足で立てない子どもたちのために夜まで起き、骨を折り、屋根を与えてくれる。ハルオのおせっかいが正しいことなのだと、ちゃんと肯定もしてくれた。
ハルオは自己肯定感が極端に薄く、だからこそ”ゲームだけでは負けない俺”にしがみついている。(んだけど、ガール二人は天才型のゲームうま子で、そういう部分でもギャップがある)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
そんな息子の脆さを、ギャグテイストでしっかり見守り、必要なタイミングで支えてくれるママンの女神力は高い。
一夜の絆の証にと、せめてプリクラを求める大野さんがいじましい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
その思い出の証拠が日高産を追い込み、さらなる激戦へと突き進んでいくのが、恋愛ドミノとしてうまい作りだ。
後半戦は徹底して、日高さんのモノローグを積み上げながら進んでいく。蚊帳の外な現状認識、それでも高鳴る胸の内。
内言を出すタイミング、役者の芝居と艶がとても良いアニメであるが、今回もそこは鋭い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
広瀬ゆうきさんのちょっと卑しくて、パワフルで、限りなく脆い演技が、日高の笑顔の中に溜まっていく。それが溢れ出した時、花火がなる。
『好き!』というどでかい花火をブチ上げ、その余韻が世界に、春鬼どういう波紋を波立たせるか。『それは続きを見てね!』というところで、今回は幕である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
日高さんの表情も細やかに作られていて、繊細な胸の内を丁寧に見せていた。今回特に、表情作画に艶と陰りがあったなぁ…凄い良かった。
ゲーム演出も冴えており、名作”ヴァンパイアハンター”の操作に任せて、キャラクターの資質を見せるところとか良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
空中制御が難しいフォボスを使いこなし、的確に攻めを繋ぐ日高さん。跳ね刃を絡めた陰湿な固め、ガー不な鬼首捻りで押し切るハルオのプレイング。二人の才能の差が出た画面だった
ボタン同時押しを考えずにこなせる日高さんと、いちいち色々考えないといけないハルオ。何気ない差なんだが、その”出来ない”という実感がハルオを傷つけ、ゲームに夢中にさせ、子供のままでいさせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
そこでしか勝てないんだから、ゲームの国からは出ない。恋とかセックスとかは知らない。
大野さんの覚悟を受け取らない鈍さ、日高さんの告白に踏み込めない弱さは、ハルオが無敵の自分を守るための、必死の防衛戦でもあるわけだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
それを卑怯というには、このアニメの”ゲーム”の描き方は優しすぎるし、大事にしすぎている。そこは劣等生のシェルターであり、本物の友達を作る場所でもある。
それでも時間は進み、少女は大人になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
手を出してくれなくても好きだから、プリクラを撮った。
勝てないと判っていても止まらないから、言葉を叩きつけた。
そんな少女たちの成熟もまた、真摯に、大事に描かれている。だから、すれ違いすら愛おしく、熱く見えるのだろう。
ゲームとかラブコメとか、表面に出るものをすごく大事にしてる作品であるが、一番柔らかな視線を向けられているのは”思春期”それ自体な気もする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
既に過ぎ去ってしまったもの。間違えてしまった時代。愛おしく、懐かしく、しかし少しの後悔を混ぜて思い返される、帰らじの黄金期。
伸びていく身長と、心の身の丈が凄くアンバランスで、だからこそ爆発的なパワーが出せた時代。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
そこを必死に、自分なりに泳ぐ不器用な子どもたちに、どこか自分を重ねつつ、仮想世界を生きる一人のキャラクターとして、尊厳ある物語を走りきらせる。
そういう決意と覚悟が生きているからこそ、ゲームキッズの三角関係は激しくうねり、僕らの心をとらえる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
その想いが、優しさが、鈍感な残忍さが、本当のことだと思える。
そういうラブコメ、そういうノスタルジー、そういうアニメは、やっぱ良いもんだな、と思う。
そこら辺を補強するべく、美術がすげー良いのもこのアニメの強さだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
提供バッグにも使われてた、朝焼けの京浜工業地帯。巨大なオブジェクトが、自意識の目覚めを暗喩する心の景色。恋の花火が彩る夜空。
全体的に、風景の詩情が強く胸に迫った
©押切蓮介/SQUARE ENIX・ハイスコアガール製作委員会 pic.twitter.com/o4d4gKgebX
大野さんの家出をトリガーに、一気に恋のドミノ、青春の連鎖爆裂が発生し、日高さんは己の思いを言葉にした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
ここで『続く!』である。テメー! って言いたくなるけども、あまりに面白すぎて、素直に続編待ちますハイありがとうございます、ってなった。
一つの区切りなので思い返すと、誠実なアニメだったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
”ゲーム”という題材に恥がないよう、ハイクオリティな取り込みと同期を工夫し、”現実以上に現実的”なファンタジーとして、懐かしい名作を蘇らせた。
そのクオリティが、進化するゲーム体験にのめり込む子どもたちの熱量を伝える。
3Dモデルの表情と芝居も大切に仕上げられ、恋に踊る胸の高鳴り、コメディシーンの切れ味良い笑いを生み出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
何よりも、劣等感と窮屈さ、それをぶっ壊してくれるゲームの特別さ、出会いと思いやりの暖かさを逃さず、ドラマの中に閉じ込めてくれた。
派手でキャッチーな部分もしっかり作ってたけども、骨組みとなる恋情、ノスタルジー、人間に必要な優しさの描写が、非常に太かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
人が涙にくれている時、優しい男は何をしなきゃならないのか。それを裏切らないからこそ、ハルオは好感の持てるラブコメ主人公なのだ。
恋のサスペンスを維持するため、ラブコメの主役は鈍感にならざるを得ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
それをスクールカースト最下位の劣等感と絡め、”ゲーム”の圧倒的特別さで支えて、ガムシャラで真っ直ぐな魅力の一つに仕立てられたのは、このお話の大きな強みだろう。『しょーがねぇなハルオは』って、見てて思うのだ。
ハルオが気持ちの良いやつなので、彼が好きになるゲーム、彼を好きになる女の子たちも、また魅力的に見えてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
『主人公のキャラクターが、物語を動かす最大のエンジン』という鉄則を、しっかり活かしたアニメだったと思う。やっぱ俺、ラブコメはボーイが可愛いお話が良いね。
日高さん渾身の告白を受けて、ハルオはどう立ち回るのか。かつて回避された格ゲー天才女・第三次世界大戦は勃発するのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
様々な期待を秘め、しかし今は一度の幕である。3月が待ちきれねぇぜ!!
とまれ、非常に面白いアニメでした。お疲れ様、ありがとうございました!