ハッピーシュガーライフを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
さよなら、さよなら、幸せだった日々。
こんにちわ、こんにちわ、砂糖のように甘い絶望。
運命の歯車は狂い、噛み合い、炎の塔で全てが決着する。
加速する狂気、堕落する天使、狂い咲く人間の証明。
あなたの空っぽの瓶は、ちゃんと愛で埋まったかな?
そんな感じの、ハッピーシュガーライフ最終章。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
前回からの圧縮加速はそのままに、どうしようもなく狂っていく運命あり、物理的にボーボー燃える地獄絵図あり、最後のピースが壊れてハマる快楽あり、苦い後味のラストストロークあり、なかなかいい感じに終わった。…いい感じ?
逃亡大成功で終わるとは思っていなかったが、しおちゃんが幼女の仮面を脱ぎ捨て、自分の意志で”家”を蹴り飛ばしさとちゃんを選ぶことで、殺人者も大満足大勝利…と思わせておいて、『二人は永遠に幸せに暮らしました』の悪趣味な戯画な終わり方は、苦味と甘味が同居してて、とってもグッドでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
指輪を取りに戻らなければ、あのハウス名作劇場みたいなハッピーハネムーン&結婚式も、現実のものとなった…のかな?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
さとちゃん自尊感情が弱いからか、どっか雑でツメが甘いんだよな…他者への想像力がぶっ壊れてるから、しょうがないんだけども。
犯罪者やるにも他人への愛情が大事かぁ…世知辛い
さとちゃんがホントに他人どうでもいいぶっ壊れマシーンなら、しょーこちゃんの死体処理でグダグダ胸を傷ませて、何よりも大事なはずの指輪をうっかり忘れることもなかっただろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
そういう意味では、しょーこちゃんは結構大事にされていたし、信じた正義が最後に復讐した形でもある。
そういう”マトモ”さへの希求をどっかで疼かせつつ、さとちゃんはマトモにはなりきれなかったし、飛び降りつつ最後に手に入れた正しい形の愛は、決定的にしおちゃんを壊してしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
巧く生きようとして生きれない、人生ヘタッピ人間の地獄喜劇としては、最後にぎっちりいい塩梅で意味詰めてきたな。
さとちゃんが囚われてしまった”マトモ”さを、オバサンはビニール袋に詰めた銭金で蹴り飛ばす。先週の運転の荒さと合わせて、人間の規格外であることを見せる良い演出だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
愛、暴力、セックス、金銭。倫理や常識と一緒に世に出回る”大事な物”を、オバサンは噛み砕き雑に扱う。
そのアギトに食い散らかされた三ツ星くんは、しおちゃんを求める薄汚い策略を逆手に取られて、誰にも助けられないまま取り残される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
因果応報と言えばそのとおり、可哀想なのも事実。女が男を強姦する行為も、十分人間をぶっ壊す最悪の暴力だと二回描いたのは、この作品でかなり大事な要素だと思う。
キチガイ見本市と化した悪夢のマンションで、オバサンは迷いなく火を付け、炎は誘蛾灯のように踊る。少しは他の住人の迷惑を…って警句が刺さるくらいなら、深海魚みたいな目はしていないッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
あさひくんも狂気の渦に飲まれて、さぁ最終決戦だ!
唸るバット、吠える愛情、塗り重ねられるエゴイズム!
結局あさひくんはバットを奮って、さとちゃんを殴り飛ばす。クソ親父が奮った暴力を、体に刻み込まれたとおりに再演する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
それは自分と子供を苛んだ男を、”母”がぶっ殺して守ろうとした狂い方と、さとちゃんがしおちゃんを愛するために選んだ殺人の重なり方に、少し似ている。
どっちにダイスを転がしても、虐待の連鎖とエゴのどん詰まりに行き着くしかない狂った街。警察は事態が致命的に終わった後、おっとり刀で駆けつけて話の形を取りまとめる以外、全く機能していない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
そういう話であるし、そういう街だからこそそういう話になっている、とも言える。
どっちにしても”家”の外には出れない。海外に高跳びしてのキャフフはお花畑の夢で、クソ以下の暴力が永劫の中で輪廻する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
最終局面でも、自分の都合のいい部分しか見ないあさひくんのエゴイズムが全力全開なの、凄く良かった。
悪いやつを倒す暴力は、親父と違ういい暴力。愛する人の暴力は、善い愛。
そういう色眼鏡を外せない人、外さない人達が踊りに踊った結果、マンションはボーボー燃えて人間はバンバンぶっ壊れた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
冷静な”いい人”もまた、自分勝手な正義を信じすぎてぶん回し、足元取られて転んだ結果、さとちゃんにぶっ殺されたわけだが。
どこにも出口はない。貫いて終わったのは良かった。
感情と理性がぶつかったら、必ず感情が勝つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
この作品のルールであり、神戸家の血筋でもあるロジックに、しおちゃんも従順で。”母”の押し付けがましい愛と罪、それを信じてバットを振るう兄貴を、”家”を、しおちゃんは否定し、さとちゃんの手を取る。他人と作る愛の方を信じる。
そういう意味では、作品を支配する”家”の圧力から、唯一出れたキャラでもある。最上階からの死のダイブは、狭い空間の中で暴力と性が渦を巻く地獄からの卒業儀礼でもあったのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
けしてマトモではないけども、それがしおちゃんとさとちゃんの真実だったんだから、まぁしょうがねぇ。
”マトモ”なしょーこちゃんと共鳴できる、あさひくんのマトモな感性。あの狂気の塔から脱出して、人間の心を保てたのは彼一人だけど、だからこそしおちゃんは”家族”の手を取らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
あさひくんが背負った(そしてバットでぶっ壊した)マトモさは、しおちゃんを救いはしない。なんとも報われない終わり
既にぶっ壊れたおばさんは獄中でもハッピーだろうし、太陽くんはぶっ壊れて幸福…なわけないか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
『このままじゃ狂っちゃう!』というSOSを無視して、妹を再略奪しに行く辺り、やっぱあさひくんもそこまでマトモではないんだろうな。そういう人は、真っ先に死ぬわけでな。
自分の命を犠牲に、しおちゃんの命をつないだ最後の美談。それは飛び降り死体を超至近距離で見せる、最悪のアビューズとも取れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
綺麗は汚い、汚いは綺麗。壊れた太陽くんが繰り返すマザーグースのように、何が幸福で何が地獄か、誰が勝って負けたかの判断は、視聴者に委ねられる。
それでいいんじゃないかなぁ、と思う。もともと規範の是非を超えた話であり、同時にそういう人生の辺境に押しやられても是非を気にしてしまう半端者の話でもあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
その結末にスッキリ答えが出ず、しかし物語はちゃんと終わっているのは、結構いいエンディングだと思う。死ぬ人死んだしね。
終わってみると、ポップなデザインを甘い糖衣として活かし、中に詰まったグジュグジュの毒を際立たせる、いいアニメだったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
ろくでもない連中がドンドン地獄を呼び込んでいく、負のカタルシスもあったし、それを安易に肯定はしない”マトモ”さへの視座も、しっかり掴んでいた。
ダイレクトなゴア描写に巧くクッションをかけて、ふわっと柔らかい雰囲気を維持していた演出プランも良かったし、それでより一層エグさが際立つ運びもいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
綺麗なようで汚れまみれで、泥の中から咲く蓮の美麗さもあって、なかなか甘くて苦い、血みどろおとぎ話としていい感じでした。
スーパーサイコを主人公に据えつつ、”家”から出れない子供の身の丈、どん詰まり感を大事に破滅に導いていったのも、さとちゃんを捉える”おばさん”の怪物性を大事に描いたのも良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
派手に描いている狂気を、どっか冷めた目で突き放している感じは、作品にバランスを与えていたと思う。
”マトモ”さに染まりきれず、しかし決別も出来ず。アンバランスな物語の結末もまた、”善しとも悪しとも言い切れない、綺麗で後味の悪いところに収めていて、とても良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
まー人死んでるしな。正しさだけが勝ち残る終わりでもシックリ来なかっただろうし、自作をよく見た良い終わりだった。
マトモに生きたくて、しかし絶対にそうは出来なくて、それでも歪んだ形なりに愛とか充足とか安心とか庇護とか、社会生物としての根源的な欲求を満たそうとする、愚かで浅ましい人間。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
その足掻きをエンタメとして捏ねくり回しつつ、妙な冷静さと真面目さと愛情で、どっか背筋が伸びている。
悪趣味エンタとしてなかなかいいバランスで、最後まで走りきったお話だと思います。原作追い越しちゃってからはかなり圧縮だったけど、それが独自のテンポを産んでました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月29日
地獄に堕ちた天使達は、果たして今”幸せ”なのか。その余韻を転がしながら、今はありがとうとお疲れ様を。いいアニメでした。