からくりサーカスを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月18日
銀色の幸福が、静かに日々を彩る。宿る命、繋がる縁。
いつか淡雪のように、消え去ることが約束された幸せだとしても、人は泣くためではなく笑うために、哭きながら生まれてくる。
そう、信じられたなら。
そんな感じの正二過去編第二回。ギィにディーンにフランシーヌ人形(初代)と、色んな人の因業がゴッチャゴッチャしてきて、非常に複雑な情勢。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月18日
何人目かの古川登志夫登場、スーパー林原めぐみ劇場。銀髪の似通った女がどしどし出てきて、やっぱここら辺混乱するなぁ…。
話の筋立てとしては機縁が親なき子たちを一箇所に集めていく展開で、ルシールと離別したアンジェリーナ、白金に否定されたアンジェリーナ人形、実母にキャンディーしか貰えなかったギィと、みな親子関係に瑕疵がある連中ばかりが集まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月18日
後に孤独な身の上になるしろがね=エレオノールも同じか。
悲恋の繰り返しもそうなんだけども、共通した運命を背負い同じような物語を繰り返した大河の果てに、主人公たちがそういう運命を突破していくというのが、”からくりサーカス”の基本構造なのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月18日
貞義のスペアとして製造された勝も、言うまでもなく破綻した親子関係である。
今回はギィの薄暗い過去を掘り下げつつ、アンジェリーナが彼の”ママン”になるまでのお話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月18日
損なわれた親子関係は別の形で補填できるのだが、運命は幸福がそのままでの形であることを許さない。アルルカンVSオリンピアの激戦は、なかなかに象徴的だ。
既に破壊された状態が当たり前の人形たちは、過去においては完全な形だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月18日
描かれてみれば当然の因果なんだけども、ど田舎田んぼの真中で超伝奇傀儡が殴り合う絵面と合わせて、ギィVSアンジェリーナはかなり印象的だった。妊婦を殴ると、やっぱ最高にゲスっぽくなるなぁ…。
ゾナハ病の苦痛にも、母から捨てられた痛みにもなれたと、ギィはうそぶく。しかし唯一の縁であるキャンディを、母の乳を吸うかのように舐め、必殺の一撃に『聖母の抱擁』と名付ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月18日
手に入らない愛を酸っぱいと切り捨てることで、心を守ろうとするのは、先週のアンジェリーナ/ルシールの関係と同じだ
アンジェリーナを狙った『聖母の抱擁』を自分が受けることで、ギィはマザーコンプレックスを少し乗り越え、飴玉を黒賀村の子供に分け与えられるようになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月18日
そうさせてくれたアンジェリーナに、より濃厚なマザーコンプレックスを抱え込むようになる所が、なかなか皮肉であるが。
今回は母子相姦的なアモラルが微かに漂い、不思議な温もりを帯びたエピソードでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月18日
”母”であるアンジェリーナの性器を覗き込みながら、ギィは殺し壊す以外の自分の使命を思い出す。血を銀に染めても、人は命を育みうるのだ。
正二オメーも医者だったんだから、もうちょい仕事せーや。
正二もフランシーヌ人形を裸に剥いて、戦士としての能力を減衰させる。あそこは人形愛に満ちたフェティッシュなシーンで、濃厚にエロティックでとても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月18日
人は夢を模して人形を作る。その幻想が壊れた時、神を呪うか、新たな可能性に目を開くか。
フランシーヌ人形を打ち捨てた白金は、自分の中で歪んだ理想を押し付け、それが叶わぬと吐き捨てた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月18日
『真夜中のサーカスは敵』と銀の血に焼き付けられていたはずの正二は、フランシーヌ人形のあり方をまっすぐ見据え、最愛の人の側に立つことを許す。
ただの歯車に祈りを込め、はるか海の向こうの戦場に送り出した傀儡師は、時間を超えて白金の仕事ぶりを確認し、その指で撫でさする。そこに込められた技術の高さを、素直に称賛する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月18日
人形に凝集する理想像を、様々な対応で受け取る人のあり方。なかなかに面白い。
回想では新しい変化を受け入れ、イメージよりも眼の前の実像を大事にしていた正二が、どうして勝の真実を見ようとしないのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月18日
そこら辺の歪みは来週色濃く描かれるだろうけども、ギィも同じ傷で散々に歪んで、あのマザコンっぷりなんだよなぁ…アンジェリーナ、聖女にして魔性…
って思い込んで人生歪ませんのも男の勝手で、女たちはただ必死に生きて、愛する人達を守るだけなんだけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月18日
あまりに汚れなき鮮烈な生き様を”女”が体現して、そのピュアさを受け止めきれない”大人の男”が歪んでいくところに、藤田先生のコンプレックスを読み取れるかもしれんね。
さておき、人間の笑顔が分からないフランシーヌ人形は、人が哭きながら生まれてくるその歯車を起動させる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月18日
エレオノールの誕生は様々な者たちの価値観を変え、心なき暗殺者を母性崇拝の戦士に、冷たい人形を人間に焦がれる存在に変化させていく。鳴海もそんな流れに乗ってる形か。
子供も生まれ、敵も味方となり、祈りは届く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月18日
幸福が静かに過去を彩っているように見えて、現在は不和と暴力に満ちている。ならばその間を繋ぐ惨劇があるはずだ。
そこに切り込むのが次回である。色んな人の人生と命が壊されるお話、どれくらいの衝撃度で描いてくれるか。来週も楽しみ。