からくりサーカスを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月26日
親は子を慈しみ、子は親を慕う。
世界の片隅で見つけたありきたりな幸福を、人形狩りの人形と疲れ果てた人形が抱きしめる。
そんな平穏を、自動人形は許さない。迫る刃、流れる血。待ち望んでいた”死”が迫る中、銀色の女たちの命が赤く赤く、燃え盛る。
そんな感じの回想第三段、まだまだ続くよ正二サーガ! 激闘黒賀村編である。ここやっておかないとキャラの感情見えないし、面白いしでいいんだが、遂に勝が一秒たりとも画面に出なくなったな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月26日
さておき、しろがね道は獣道、やっと捕まえた小さな幸せが、戦いに押し流されるエピソードである。
今回はギィのオリジン回でもあり、効率と冷血ばっか考えてた典型的なしろがね頭が、何故今の面白マザコン人間になったかが分かる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月26日
顔のないオリンピアが今の表情になったのは、”ママン”が彼の心に深く刻み込まれ、決定的に彼を変えてしまったからだ。
エレオノールの面倒を見ることで、アンジェリーナとフランシーヌの愛に触れることで、ギィの体を流れる銀色の血は赤く変わった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月26日
フランシーヌ人形と二人、クール系気取りのポンコツがマウント取り合うところは、頭弱くてほっこり笑える、いいシーンである。
何者でもなかった空疎を人形狩りで埋め、誰とも触れ合わない寂しさをなんでもないように繕う。その奥にある虚無は、実はフランシーヌ人形と共通だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月26日
何者かになりたい。誰かの笑顔を生み出したい。その願いに耐えきれなくなった結果、彼女は人形の女王であることをやめる。
造物主・白金の作り上げた秩序を正二に壊してもらい、人間より弱い存在になることでフランシーヌ人形は情を知った。それは同時に、かつて絶対命令権をもっていた自動人形に反逆される弱さともなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月26日
自分を縛る糸を切り裂き、願いを開放すること。ドリル人形も、ある意味糸の切れた人形かもしれない
誰かを笑わせたいのに人形の表情は強張り、なかなかうまく笑わせられない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月26日
いい道化師になりたいと切に願うのに、自身の才能と戦いの運命がそれを許してくれない姿は、ちょっと鳴海に似ている。外見と声はしろがねなんだけどねぇ…。
人生の終わりを井戸に溶かした白銀のように、フランシーヌ人形も待ち望んでいた分解を迎える。赤子を高く掲げ、精一杯の”べろべろばぁ”で笑わせて、高い高い星を望みながら砕け散る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月26日
数奇な運命の果て似、少しだけ”母”あるいは”人間”、”道化師”になれた彼女の生は、満ち足りたものだったのか?
あるいは正二と出会い子を為し、ギィという新しい子供に思いを引き継いで散ったアンジェリーナは、幸福だったのか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月26日
その回答は彼らの世代ではなく、回想が終わった後の現在、勝や鳴海やエレオノールが出す物語だ。時計の針を現代と未来まで引っ張るために、この長い回想やってんのよ!!
フランシーヌ人形にしてもアンジェリーナにしても、”母”は清く正しく美しく、人として正しい姿を保ちながら、聖女のように死んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月26日
その母親という不可侵は、からくりサーカスを貫く縦糸のようにも感じる。ギィは黒賀村でしろがねという糸から外れて、それに絡め取られたのかもしれんな…。
(藤田和日郎作品全体まで敷衍すると、キリオを母性の鎖で縛り付け良いように操っていた斗和子=白面という”悪しき母”がいるので、”母”の聖域性は結構崩れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月26日
老若男女区別なく、人は悪を為す。この物語においては、”母”は偶然間違えず、正しい人ばかりであった。そういう感じかな)
フランシーヌ人形の散りざまを見守ることで、そしてアンジェリーナに抱きしめられることで、ギィは人形も代われることを知る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月26日
どれだけ冷たい歯車に巻き込まれても、人には自由な意志と赤い熱情が満ちていることを、自分自身の変化の中で知っていく。
そのキャンバスになるのが、しろがねらしい血みどろの激闘…だけでなく、フツーに田舎で暮らし、赤ん坊の面倒をみる当たり前の日常だったのは、僕は凄く好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月26日
そういう当たり前の積み重ねだけが、開放しうるものがある。時に眩しい思い出は呪いとなり、闇の中の導きにもなりうる。
白銀・白金兄弟がプラハで過ごした黄金の日々。勝と鳴海とエレオノールが、一瞬だけ共にあった思い出。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月26日
その安らぎを取り戻そうと、人は狂い人は戦う。優しく強くなることも、世界を巻き添えに誰かを傷つけることも出来る。そんな因果の糸は、長く長く長く伸び続ける。
そんな事を思わされる、激闘の黒賀村でした。いやおもしれぇんだけども、なげーわやっぱ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年2月26日
ここまでやって、正二が上半身だけになって勝に切れ散らかしてる理由の中核にはたどり着けねぇんだもんなぁ…大河やわぁ…。
妻を失った正二を、決定的に引き裂く事件とは。回想はまだまだ続く。次回も楽しみ。