八月のシンデレラナインを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月19日
シンデレラナイン VS 経済! 不良少女 VS 家庭環境! ロボット人間 VS 表情筋!
様々な激闘を内包し、野球同好会の部昇格闘争が唸る。
白球は頑なな思春期を貫くのか。不器用な少女たちの青春は、どこに行き着くのか。答えは笑顔だけが知っている。
というわけで、ハチナイくんの秘められた物語背筋(ストーリーマッスル)が躍動する、九十九&倉敷Wパイセン加入エピである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月19日
ホントねー、先々週あたりから『こいつ…結構”やる”ッ…!』と思わされるストーリーがブンブン唸っていて、非常に困る。アニナイくんを好きになってしまう…。(困らない)
相変わらず作画面、スケジュール面はしんどさが見えるものの、力の入れどころをしっかり見極めたり、ローコストでも刺さる演出を工夫したり、『どうにかいいアニメにしよう、仮想世界に生きる少女の青春をオレたちにうぶっ刺そう!』という野望を感じ、非常に良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月19日
身の丈を知りつつ諦めない。大事。
お話は営繕問題が浮上しナインVS経済…というのはあくまで導入。天性の甘えん坊顔をした野崎が倉敷パイセンと接触し、昇格の査察に九十九先輩が顔を見せることとなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月19日
シナリオヒロインが話に入るために、導入部分を手早くやるのは大事。銭が必要な理由の生っぽさが、結構好き。営繕大変よね…。
天性のピッチングセンスを備えた倉敷パイセンは、投球に手応えを感じ、よちよち歩きの同好会もピッチャー倉敷を必要とする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月19日
倉敷先輩の”才”を見せるピッチングシーンは、崩さずしっかり描いたのはとても良かった。そこに彼女の欠損が埋まる理由、部活に居続けるモチベーションがあるからだ。
それは頭で考えた理念ではなく、非常に具体的でフィジカルなものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月19日
中指にしっかりボールが乗っかって、ボールが走った瞬間の手応え。思うどおりコースを制御して、ミットが鳴り響いた時の快楽。
そういう生身の実感こそが、不良少女を野球に引き寄せる。ここにいたいと思わせる。
これは作画が頑張らないと伝わらないポイントで、今回の投球、しっかり伝わった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月19日
体重移動、フォーム、腕の抜き。
どれを見ても特別な”才”がパイセンにあって、だからこそ野球部が彼女の居場所なのだということが、フィジカルでわかった。とても大事なことだ。
ツンツン不良少女がどんどん後輩に絆されていって、『野球、おもしれぇな』と思うようになる様子は、見てて心がホッコリする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月19日
僕もチョロ蔵なので、宇喜多くんにちょっと優しくするシーンがあるだけで、パイセンの好感度は上がってしまう。相当毒抜きされてんだろうな…。
冒頭営繕シーンの生っぽさがよく効いて、倉敷パイセンが言葉にはせずとも野球部に繋がりを感じ、情を預ける様子にも体温がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月19日
形は様々だろうが、学校や部だけが持ちうる奇妙な温度。関係ない、必要ないと強がっていても、多感な青年なら思わず求めてしまう居場所と交流。
そういうものがハチナイ野球部描写にはあって、それがあるから僕はこのアニメ好きである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月19日
かくして成功体験と受認経験のWパンチで脳髄を揺さぶられたところで、家庭環境がグラグラと少女を揺さぶる。ノイズを活用した演出が、少女の壁を上手く見せていた。
ここでもう一つの突破口になるのが、ロボット人間九十九である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月19日
ギャンブラー阿佐田(”坊や哲”かこのネーミング)を翻訳装置に使いつつ、生徒会からの死角として送り込まれた万能少女。
何かが欠損して、だからこそ何かが過剰な倉敷に対し、九十九は何もかもがフラットだ。
運動も勉強も適度にできる。でも心は動かない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月19日
笑顔が苦手な彼女はしかし、笑顔の居場所を見つけつつある倉敷、それを生み出した”野球”に引かれる。
自分には夢や輝きがわからない。でも、魂の奥底からそういうものに飛び込んで、笑顔でいる人達は素敵だと思う。
そんな、ロボットの感傷。
それはなかなかうまく形にならない。ツンツン不良娘が、自分の感情をうまく言葉に出来ず、他人の言葉に耳をふさぐのと同じだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月19日
でも、確かにそこにある。それも倉敷と同じだ。だから、家庭環境が揺らいで”野球”出来なくなりそうになると、ひどく荒れる。
幸福を知ったからこそ、失うのは怖い。
倉敷が不安なのは、世界のすべてをノイズ扱いしてしまう頑なさが理由(の一つ)だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月19日
もう少し心を開いて、拒絶よりも受容、後退よりも前進を選び取れれば。
でもそんな素直さがあれば、青春なんてやってない。どうにもならない心が揺れに揺れて、夕焼けの屋上が受け止めてくれる。
クッソ遠景で大胆に引くカメラワークにはちょっと笑ったが、ベタ足ながら良いシチュエーションで、九十九は倉敷を勇気づける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月19日
それは倉敷の変化であり、彼女の輝きに惹かれた九十九の変化でもある。表情筋の扱いが苦手な少女は、ロボットのまま自分が見た九十九、九十九に反射した自分を言葉にする。
そんな九十九の歩み寄りを受けて、頑なだった倉敷の心も拓けていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月19日
キミには、笑顔でいて欲しい。
赤心からの訴えは、ノイズにはならない。夕焼けにすっと染み込んだ気持ちが、二人を”野球”に引き寄せ、戻していく。
『不器用人間二人組、青春、やっていきます』って感じだ。すげー良い。
掛橋先生が倉敷ママンに、学校での彼女を静かに語るシーンが僕は好きで。顧問が、教師が為すべきことを穏やかに果たしている安心感が、エピソードの土台を支えてくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月19日
隣りにいた同僚教師も、思い込みを叩きつけるでなく生徒の言葉を引き出そうとしてて、しかし倉敷には届かない。
そんなノイズ描写を効果的に使えばこそ、屋上での九十九の言葉が染み入る様子も、印象的にキマる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月19日
色んな人の色んな思い、色んな言葉が野球部に集って、それぞれの居場所になっていく。
これを積み上げると、”試合”が面白くもなる。やっぱ”心”がないとな。
倉敷パイセンのツンツンの鎧、そこに”野球”が染み入っていく様子をじわりと見せて、同好会の温かみを高める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月19日
それを揺らがせる家庭描写、ど真ん中思春期を描いてから、同じように不器用な九十九が一歩を踏み出し、気持ちを共有する様子を見せる。
硬軟取り混ぜ、ストライクを狙う組み立てが良かった。
不良少女とピッチャーマウンド。ロボット人間と部活動。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月19日
すげーベタな取り合わせだし、話の運びもまたベタなんだが、”動”の倉敷と”静”の九十九を同時に動かし、それぞれを縛る頑なさを”野球(と友情)”が崩していく様子を描くことで、体重と体温が乗ったエピソードに仕上がっていました。
ハチナイくんが強いパンチを打てること、不定形の青春女々感情を様々な角度から描けることを実地で証明してくれて、グイグイと俺を引き込む中、来週は放送休止である。マージーかーッ!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月19日
いろいろ苦しそうなのは透けて見えるが、いいアニメだし好きになってきているので、走りきって欲しい所だ。
ホント形を整え、ひとしきりの定形を走って自由を手に入れた後のアニナイくんは”無敵”で、ここ二話で切り取られた感情の瑞々しさ、生まれる関係の重力と熱量は、オリジナルなパワーが有る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月19日
ありものをテキトーに流すのではなく、この舞台とドラマとキャラでしかやれないことを掘り下げる気合を感じる
『一回休み』でこの勢いを殺すのではなく、むしろしっかり休んでタメて爆裂させるような展開を、僕としては期待したい。相当このアニメ好きになってるな…やっぱチャーミングなアニメが好きだな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月19日
凸凹な青春を共有する仲間を二人、迎い入れた野球部。どんな夕焼けが見れるか、次回も楽しみ。