戦姫絶唱シンフォギアXVを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月11日
青ひげの城を覆うのは、思いがけない空模様。惨劇の赤、降誕の金。
楔を打ち込まれ揺れつつも、奏者たちは誰かを守るために闘い続ける。その弱さと強さが敵の核心をえぐる時、思わぬ過去が顔を出す。ヌァザの銀腕に秘められた因縁は、運命をどこに運ぶのか。
そんな感じの中盤戦、ジリジリした攻防が続く第6話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月11日
意味のわからぬ歌を、それでも読もうとする努力。混乱を広げ、願いを掴み取ろうとするあがき。ノーブルレッドとSONGの因縁が絡み合い、マリアが今回踏み込む物語が見えてくるエピソードとなった。
やっぱXVは最終章としての意識が強く、各キャラクターのクエストをしっかり果たし切ることを大事にしているように思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月11日
同時に話を盛り上げるためにピンチを生やして、過去の成長がなかったことになったり、混迷の中で足踏みしたりということは、極力避けているとも。
未来さんを的にかけられた響が、それでも責務を果たそうと背筋を伸ばしているのも。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月11日
そんな奮戦をクリスちゃんが見落としていないのも。
色々迷って傷ついて、それでも生きることを諦めなかった彼女たちの歩みを、しっかり追う意識の現れだと思う。
翼さんはグラッグラで超かっこ悪いけども、話がスウィングするには”乱”もまた必要で。XVの奏者でそこ担当するのが彼女、ということなのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月11日
そうなるのも仕方ない、一度きりの鬼札をしっかり再演して乱してきてるしね。無印第一話の殺戮再演は、視聴者にもショックがデカい。揺れるのにも納得だ。
そこをダメ押しするミラアルクのカレイドスコープであり、訃堂の洗脳スイッチオン！ である。ハハハ、対魔忍みてーな展開と衣装だな！
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月11日
”家”の因習全てを煮こごりにしたような、訃堂のジジイと向き合うのは翼さん最後のクエストなので、今は散々揺らされる必要がある。にしてもカッコ悪い…。
翼株が回収不能なところまで落ちる前に、防人の意地で謀略を蹴り飛ばす展開が見たいところである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月11日
マリアのカノピ力がかなり高くて、しっかりフォローしてくれたのはありがたい。泣いては強がり、強がっては泣く永久機関だった少女は、もういないッ！ いても困るッ！
そんなマリアとヴァネッサの間に、アガートラームとセレナを絡めた因縁が生まれていたのは面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月11日
過去生やすにしてもいい使い方で、両方元実験体、境遇は似ている鏡合わせが活きる。
忘却された過去の歌に、一体何が潜むのか。なかなか面白いミステリだ。
サブタイトルの”ゼノグラシア”は異言とも言われる現象で、無意識のうちに発せられる見知らぬ言葉のことだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月11日
どこかで聞いたリンゴの唄は、早すぎるマテリアライズにどう絡むのか。アガートラームと名付けられた聖遺物の正体は。バネッサは何を知るのか。
異言を紐解く必要が、マリアに出てきた。
ここで弱さを克服するストーリーを与えても『イヤそれ散々やったじゃん。クリスちゃん二の舞じゃん』となるわけで、輪郭だけあったマリアの過去を彫り込み、秘められたものを探しに行く物語を最後の活躍に選んだのは、正着だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月11日
展開の必要性とキャラの株は、バランストルの難しいよなぁ…。
マリアも実験体の生を一度間違えて、生き延びて防人となった。現在進行系で間違え続けるヴァネッサとは鏡合わせであるが、二人を何が分けるのだろうか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月11日
一つには、害する闘いと守る戦いの差がある。
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クリスチャンもマリアも、人命というお荷物をあえて背負い、暴力を止める闘いに挑んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月11日
それはかつてヴァネッサと同じ、害する闘いを背負った後悔が滲む決断でもある。間違えて、まだやり直すチャンスがあって、今ここにいる。
そういう道を、ノーブルレッドが歩めるか。何しろ七万人だからなぁ…
オッパイミサイルにホバーにコレダーにマシンガン。ヴァネッサの一人スパロボっぷりはスゲェが、機械の体が直接、人間性を損なうわけではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月11日
自分の夢のために、誰かを犠牲にして顧みない心象。心の形が、怪物を形作るのだ。
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XVは結構ゴア方面に踏み込み、それを活用している印象を受ける。キャラが立ちすぎたモブを『オメーがいると話が乗っ取られんだよ！』とばかりに始末するミラアルクは、緑の火に照らされた怪物そのものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月11日
しかしそれは、やはり身体の特別性が呼び込む必然ではない。
体が人の領域を超えれば、皆怪物になってしまうというのであれば。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月11日
只人の身でエルフナインを守ろうとした未来さんも、彼女を見失ってなお正しくあり続けようとする響も、また怪物である。
だが（少なくとも今は）、二人は怪物ではない。怪物から人を守る立場にいる。
それは一期・二期の元敵役も同じで、自分の痛みを世界に押し付けようとした過去を背負いつつ、今は背中に他人を庇って闘い続けている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月11日
怪物と人間を隔てる線はどこなのか。血みどろノーブルレッドの闘いは、それを描く輪郭として機能している。
こういうクレバーな見立てと、あまりに面白すぎるセリフ郡と、脈絡のないパロディが共存するのがシンフォギアって感じでもあるが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月11日
車に乗って『世界の果て』だから、あのケツドアップウテナのパロディなんだよな…”微笑みの爆弾”といい、マジで脈絡がなくて凄い。クレイジーか。
あと現代忍法・車分身な…ホントフリなく真顔でボケて来るので、シンフォギアの笑いは受け取るのにカロリーかかる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月11日
笑っている間にすんごいシリアスな残酷が押し寄せたりするので、振幅に体がついてこない時がたまーにある。面白いけども。
緒方さんの活躍で訃堂とノーブルレッドの繋がりは証明できた。マリアとヴァネッサの因縁合わせて、状況が止まらず転がっている感じがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月11日
一方チフォージュ・シャトー跡地に囚われた未来さんとエルフナインの明日は、未だ伏せ札である。血溜まりの正体で15分引っ張る展開は、ちょっとドキドキした。
XVゴア度上がってるし、殺す時マジで容赦なく殺すアニメでもあるので、判っていても安心はできんのよね…緊張感があって良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月11日
一先ず未来さんは頭骨に穴も開けられず、死にもせずで囚われヒロインである。エルフナインちゃんがいろいろ考えて、状況打破しようとしてるのはグッド。
三期と四期の合わせ技で、一体どんな門を開けようとしているのか。訃堂主導の政治闘争からが、スケールのデカいお馴染みオカルトへ闘いがシフトしつつある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月11日
ここら辺のスケールアップ制御も、XVは上手くやってる印象。ノーブルレッド→訃堂→カストディアンと、三段構造なのが良いのかな？
色々波乱を含みつつ、状況は転がる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月11日
自分の過去と繋がる”敵”に、マリアはどう立ち向かうか。
己を惑わす万華鏡を、防人はどう断ち切るか。
残酷に断ち割られた恋人たちは、巨大過ぎる運命をどう御していくのか。
キャラクターの抱えた課題が、加熱する闘いの中で問われていく。
それが誰かを犠牲に幸福を求める身勝手と、誰かを背負って守る気負いとの、ヒロイックな闘いであると今回しっかり見せたのは、とても良いと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月11日
やっぱ人命救助は、基本にして最大のヒロイズムだよなぁ…重荷を背負って戦うのをためらわないから、奏者はヒーローなわけだ。
同時に彼女たちはどうしようもなく人間でもあって、痛みや迷いが足を止めもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月11日
それを乗り越えてこその英雄であるが、さて、加速する混迷は人倫をどう照らすか。なかなか面白い。
異言なる歌とともに目覚めた黄金は、物語をどこに連れて行くのか。来週も楽しみ。
