イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

19/08/17 スクリームハイスクール『霧中の悪夢』

土曜日はシェンツ先生のGMで、FEARのホラー新作、スクリームハイスクールを遊びましたよ。

シナリオタイトル:霧中の悪夢 システム:スクリームハイスクール GM:シェンツさん

ソエジマさん:志渡萌:17歳男性:ギーク/シャイ 展望なし、夢なし。現実諦めたふりでニヒリズムにも徹せない、典型的な半煮え男子。濃い口揃いのオカルト研を相手に戸惑い気味。
田中くん:増留竜虎:17歳女性:アスリート/ジョックス 豊かな身の丈に想像力溢れる乙女心を乗せた、霊長類最強の女子高生。自慢のパワーで解決できない恐怖を前に、だんだんと壊れ始める。
浅間忍さん:三鷹雄大:16歳男性:アーティスト/イノセント パナマ事件の闇に踏み込んだ結果謀殺された父の影響を受け、いっちょかみ系YouTuberをやっている根暗男子。
コバヤシ:”子熊王子”アルトゥール・ド・キャメロット:21歳男性:セレブリティ/ナード 高校生には見えない外見と無垢さで人気の、学園の王子様。その正体は異世界を追放されたガチ王子であり、呪いで成長が止まっている。見た目に似合わぬ、シビアな状況対応力を持つ。

こんなメンバーが何故かキラキラキャンプに行って、スラッシャームービーに巻き込まれるシナリオを遊びました。戦闘を最終解決手段に持ってこず、恐怖を克服する勇気をクライマックスに用意してある構造が、非常に新鮮でしたね。ホラーっぽかった。
ミドルで情報を集めていくと、クライマックスの克服が容易になっていく作りも、『知ることは恐怖を乗り越えやすくする』というホラーの常道を巧くシステム化していて、雰囲気がありました。
恐怖を前に呪いに触れていくと、どんどん日常から離れていく。深みにハマっていく感じも巧く数字化されていて、自然と胡乱なロールが映えてくるのは面白かった。なんだかんだ、増減する数字をゲーム内源実に反映させてしまうゲーマーのサガを、上手に活かしてる印象です。

戦闘を主眼に置かないためルールが軽くなって、サクサククライマックスが進むのも面白かったです。なんだかんだ、TRPGにおけるカタルシスの王道は殴り合いなわけで、ルールもほとんどがそこに裂かれる。
しかし殴り合いじゃ対応できない不条理存在をメイン的に置くことで、克服のドラマに位相をずらし、ルールの力点も変えることで独自のプレイフィールが生まれていました。おそらくクトゥルフ経由の初心者がメインタゲなシステムだと思うのですが、ガッチンガッチンの経験者がやっても、なかなか独自の面白さがあります。
情報収集の演出・判定方法をPCの得手に投げてファジーに演出していく作りは、ミドルフェイズの可塑性と自由度を、ゲーム構造を壊さないままに実装していて興味深かったです。やっぱ今は、ある程度のフリーハンド感がシステムトレンドなんだろうなぁ……。

僕は超人時空に腰まで浸かったFEARチルドレンとして、トンチキライフパスを悪用して異界のプリンスをプレイ。出発点は超人でも、負ける所でしっかり常人らしく負けることを心がけて、シナリオには協力的だった……はず。
崩壊する前の日常シーンが結構好きで、濃口の連中がそれでも肩寄せ集めて、なんか悪くない感じで日々を謳歌したことが、のちの惨劇の火力を上げていました。『どーにもなんねぇ!』という無力感が、情報収集を重ねるごとにだんだん『やれる!』という実感に変わり、惨劇が襲いかかってきて『やっぱ無理!』となる振り幅は面白かった。
実質的にゲームクリアに関わるパラメーターがCP一本で、これがかなり変動するため、クライマックスのバランスを取るのは大変そうでした。が、エネミーデータとしても克服値一本なので、現場での改修は結構楽そう。ここら辺のバランス取りの軽さも、殴り合いをクライマックスに置かなかったことによる発明っぽいなぁ。

というわけで新システム、楽しく遊ばせていただきました。ホラーに必要な無力感をストレスにせず、楽しくパニックになれる良いシステムです。何かに魅入られ、怪物になってしまう物語のエンジンとしてかなりの汎用性があるので、ホラーに限らずシナリオバリエーションは色々作れそう。呪障表で色々遊ぶのも、シナリオ書いてて面白そうなポイントですな。
今後もモリっと遊びたくなる、良いシステムとシナリオでした。他PLとシステムを手探りしつつ、ロールを重ねていくのも新鮮で楽しかった。良いセッションでした。同卓していただいた方、ありがとうございました。