からかい上手の高木さん2を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
カルスト台地に恋が吠えるッ!
待ちに待った一大イベント、夏の林間学校。思いが星となって煌めく夜。
卑しさを炸裂させる真野ちゃん、恋の予感に震える北条さん、いつもどおりの三人娘。
そして”場”の強さを見逃さず、一気に寄る高木さん。
青春…勝負だッ!!
そんな感じの気合注入、どっしり構えて一本勝負の高木さんである。いつもはショートエピソードを繋いだり離したりの構成だが、今回は『林間学校』一本で、しっかりまとめ上げた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
連続性ある形式を活かし、触れ合う心と少しのすれ違い、たっぷりのときめきを勝負の作画と演出で、しっかり魅せてきた。
今回は全領域でクオリティが高く、勝負回に相応しい質の高さがググッと迫ってきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
もともと美術が良いアニメなんだけども、特別な場所の特別な美しさを丁寧に切り取って、作品に僕らを導く入り口にしてくれた。
©2019 山本崇一朗・小学館/からかい上手の高木さん2製作委員会 pic.twitter.com/I100Lyn2TG
爽やかなカルスト高原、美しい星空。普段のレトロな街とはちょっと違う景色の中で、ちょっと違う視野の広さ、起伏に飛んだ展開が転がっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
スペシャルなムードが一本繋ぎの形式としっかり噛み合って、非常に見応えのあるエピソードとなった。
とは言うものの、冒頭にかなりデカい”外し”があって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
『西片の無邪気な笑顔キャワイイな~』と頬を緩ませていたら、まさかの元高木要素。
輝く時代がアルバムの中に閉じ込められる未来を見せることで、時間的遠近感が生まれる妙手である
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今は突っついては照れて、付かず離れずの甘酸っぱい距離感に翻弄されている西片も、立派な体育教師となり、高木さんを娶る未来が待っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
そんな”元高木”の視線を冒頭に置くことで、ここから展開される青春がただ輝くだけではない、ノスタルジーの陰りを帯びてくる。凄く良いな、と思った。
立体感は時間的奥行きだけでなく、クラスメートを豊かに切り取る”横”の目線でも確保される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
まー冒頭から、真野ちゃんが卑しい卑しい。カレピと二人きりになりたいオーラモリモリで、高原の爽やかな空気もじっとり湿るってもんである。
高木さんも相当なもんだけど、巧く偽装しとるからな…。
他にも浜口くんと北条さんの淡い接触を切り取ったり、木村・高雄の男子コンビがいい味出してたり、三人娘の友情にクローズアップしたり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
一本繋ぎという特別な形式が、普段はあんま尺をもらえない仲間の顔を、丁寧に捕まえてくれる。
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恋にキャッキャする子供たちも可愛らしいけど、木村・高雄のノッペリ冴えない中学生活と、そこに少しの潤いを与えるイベントの特別さが見えたのが、僕は凄く良かった。あの二人好きなんよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
『油断大敵だぞ』と、西片の”アド”を正確に把握した発言が、クラスで二人がどう見られてるか、よく教える。
二期になってからは、一話に一回の清涼剤として必ず出番がある三人娘。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
おバカで気楽な距離感は林間学校でも崩れず、でもなんか特別な感じもある。ユカリちゃんが友情の涙を、玉ねぎに照れ隠しする展開がくすぐったくて良かった。
しかしてやはり本命は高木さんと西片であり、ベタ足のキラキラ演出もバリバリ唸る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
”12歳。〜ちっちゃなムネのトキメキ〜”かよってくらい、ど真ん中のロマンス演出。少し古臭い王道を、堂々走り切るのはこのアニメの強みである。
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今回のエピソードは一本繋ぎ形式を巧みに利用して、普段は見せられない関係性の起伏を活写している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
雨宿りの小屋で、いつものように高木さんが余裕顔(に卑しさと必死さを隠し、グイグイ攻め)で追い込み、西片が焦る。
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濡髪が視界の隅で踊り、上着を脱ぐ。その仕草を切り取る作画の細やかさが、気恥ずかしさを乗り越えて奪われる西片の視線をグイ、と視聴者に魅せてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
西片が見ている『特別な高木さん』を、特別な作画、焦らない演出と芝居が強い質感で届けてくれて、作品を堪能できるエピソードとなった。
すんごいキラキラビカビカの、二人だけのクローゼット。ちょっとコケティッシュで、でも熱い迸りに身を委ねるには幼すぎて、その純情が愛おしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
二人の”今”がギュッと濃縮された雨宿りから、日が沈んで夜。炎の踊りは、少し寂しい。
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いつもどおりのダイレクトな挑発(身を交わして罠にはまるもよし、真っ向勝負で思いが伝わるもよしな王手飛車取り)を、西片はあいも変わらず浅はかに受ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
思いが伝わるフォークダンス。手を繋ぎたいけど、繋がってしまうのは怖い。何か決定的な場所に踏み込むのを、躊躇う季節のカウントダウン。
それはするりと両手を離れて、二人の勝負は未成立に終わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
『両思いになれなかったね』という挑発を、下向きでショボショボ受け流す西片に、高木さんは強がりの表情、いつもどおりの自分を頑張って演じて、傷ついていないふりをする。
ムードが下向きに沈降するのは、後でバク上げする余裕があるから。一本繋ぎの利点を生かしたサゲだが、ここで陰りを描いたことで高木さんの弱さ、脆さがよく見えた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
西片目線では無敵無謬の賢い女の子で、”上”に居続ける存在だけども。
彼女もまたただの子供で、必死に青春を走っている。
揺れず負けず譲らず、西片に勝ち続ける”上”で安定してしまっているのは、高木さんにとってちょっと寂しいことかもな、と。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
炎に照らされた表情の硬さ、感情をこらえている仮面の分厚さを見ると少し思う。
勝ち続けなければ、からかいというゲームは続けられない。西片と繋がれない。
だから高木さんは、後出しでルールを書き換え、心理的動揺を誘って西片に勝ち続ける。”上”に居続ける自分を維持する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
それが照れ屋の少年と繋がる最短ルートではあるのだけども、同時に照れ屋の少女の素顔を覆い隠してもいて。損な強がりが、また少女の輝きを強めてもいて。
一見シンプルな定形を繰り返しているようで、二人の関係はかなり複雑であるし、”今”しか維持できない儚い距離感でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
いろんな努力や強がり、怯えや期待が入り混じって、からかい勝負は成立しているのだ。それはいつか思い出になり、アルバムにしまわれていく。
繋げなかった手を思い、炎の仲の陰りが照り返して、西片はそぞろ歩く。満天の星空の下、奇跡のように会えた少女。ロマンティック過多で、この段階で死にそう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
なのにこの子ら、岩屋のゼロ距離戦闘に迷わず突入するわけで。殺す気か…
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高木さんが星にかけた願いは、出会った瞬間に叶っている。さり気なく(見えるよう、凄く頑張って震えを殺して)伸ばした手で、”上”へとシャイボーイを引っ張り上げ、同じ目線の場所にみっしり埋まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
すれ違ったフォークダンスでは果たせなかった、望ましい距離感。永遠に続く夢。
気合の入った表情作画が、西片とともに在る高木さんの喜びをしっかり伝えてきて素晴らしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
シャイな赤面に隠されている(まぁバレバレだが。そこが良いのだが)西片の行為も、二人だけの距離で素直に見える。
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西片の視線は真っ直ぐ下に向いているので、まるで少女のように頑是なく微笑む高木さんの表情を、見ることはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
弱さを顕にしないことで、この岩屋から出たあともからかい勝負は続く。”上”を高木さんが取って、西片がぴょんぴょん飛びつく基本構図は維持だ。
でもそんなことしなくても、二人の思いはフラットに繋がっている。少年が少女の気配にドキドキするように、少女も少年の体温に胸を高鳴らせている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
お互いそれに気づかないふりで、少しだけ挑発してみたりもして。まだまだゲームは続く
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岩屋の逢引に込められた体温、呼気、心音が本当に見事で、凄い実在感があった。クオリティを正しく使って、キャラの”今”を劣化なく理解らせる、見事な演出だったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
マッッッジで酸っぱい。俺達が欲しかったけど、絶対に手に入らなかった青春が今、個々にある!!! って感じ。
シャイボーイは、永遠の愛を誓う牽牛にはなれない。高木さんだって、待ち続ける織女じゃない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
でも、追いついて手を伸ばして、星を掴んで欲しい。
余りにハイコンテクストな謎掛けは、そんな高木さんの夢が乗ってて、とてもキラキラだった。
恐ろしいことに”叶う”んだよなぁ…未来は”西片さん”だもん
というわけで、特別な形式と特別なクオリティを最大限活かし、『俺達、こういう話をやってるんだぜ!』と堂々挨拶するエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
スタンダードと変化球、使えるべき全部動員して、非常に”強い”お話をしっかり仕上げてきました。非常に面白かったし、素晴らしかった。
メインカップルの弾む恋、甘酸っぱい青春が太い軸なんだけども、それを取り巻く個別の思春期もまた、いろんな形で輝いていて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
林間学校という特別な箱を、そんな世界の広さを見せるショウケースとして最大活用するエピソードでもありました。俺、みんな好きだなぁこの子ら。
照れて、切なくて、愛しくて。様々な感情を詰め込んだまま、二人の心と距離は揺れて途切れず、少しずつ変化していく。からかい勝負は、繊細に震えながら続いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月18日
そんな作品のテンポを見事に歌い上げる、良いエピソードでした。いやー素晴らしかった、来週も楽しみ。