ロード・エルメロイII世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
喰われると判っていても、過去の残照は瞳を捉え、面影が魂を縛る。
征服王の思い出を打ち破るように、飛来する赤雷。歴史に刻まれた英雄のリフレインが、超常をもって思いを試す。
最果ては、未だ遠く。
そんな感じの魔眼収集列車第二弾! 首切り殺人の謎とは別角度から、新たな謎が襲ってきたよ! というお話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
カラボーおじさんの過去視の魔眼から始まり、エルメロイと征服王、カウレスと姉、アーサー王の似姿たるグレイと、キャラが引きずられる”過去”という異界を中心に進む話であった。
優秀な魔術師はのきなみ、立派な人でなしでもある世界観に反し、今回動いたキャラクターは軒並み人情が判る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
身内の死に取り乱すオルガマリーと、彼女を”優しく”眠らせたカラボーおじさん、若さゆえの無謀ココアを差し出すグレイ、その未熟さを慈しむ二世…みな、人間合格魔術師失格である。
カラボーおじさんは制御できない過去視を切り離すため…『人間らしく』今を生きるために、列車に乗った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
超常の力を持つことは、人としての幸福を遠ざける。第5話の妖精眼を上手く使って、カラボーおじさんの苦悩に二世を近づけていく構成が良い…って思ってたら、即座に昔の男の話をコイツ…。
過去に囚われれば、今は生きれない
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
理屈としては判るし、その危うさを乗り越えようともしているけど、瞼に焼き付いた輝きが自分を突き動かす。
くるくる回した林檎は、地球儀に興味を示していた胸板の分厚い男を思い出したからか。二世の指先が、知らず愛おしさを求める。
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同時に彼は立派な教師でもあり、魔術師としては当然の政治を捨てて、オルガマリーの味方になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
かつての自分もそうだった。だから、今度は俺がキミを肯定する。
時間を飛び越えて客観視出来る足場と、そこをグラグラ揺らしながら過去に惹かれる魂が、しかめっ面の中で同居している。
先週は隔意の象徴だった飲み物は、今回グレイがオルガマリーを思い、オルガマリーも魔術師ではなく人間としてデミ・サーヴァントを見る象徴となる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
FGOでの彼女を思うと、英雄の力を望まず継承した銀髪の少女と交流するのは、結構感慨深い。Fateヴァースを活かした組み合わせhttps://t.co/u2ruFcIfNL
グレイは二世が越えられなかった(あるいは、オルガマリーのプライドを尊重して踏みこまなかった)境界線を超えて、彼女に近寄っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
オルガマリーも差し出された暖かさを喉に落として、師を心から信じる従者に、人間の香気を嗅ぐ。
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後のツンデレと合わせて、魔術世界のはみ出しものが持っている人情を見落とさない眼の良さ、ちゃんと受け止めちゃんと報いる誠実が描かれて、オルガマリーが好きになる回だったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
ライネスもそうだけど、ロリに無理させすぎじゃねぇかな魔術業界…まぁ”そういうもの”なんだが。
弟子が”人間らしい”交流を果たす中、師匠は外部と連絡を取り、蛇女と冷たい差し合いを乗り切る。テレフォンブースから引っ剥がしているのは、盗聴対策の呪符かな?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
背中合わせの冷たい距離感、そこを急に侵犯してくる蛇の歩み。化野…怖い女だ。何の魔眼かも分からんし。
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過去巻き込まれた怪事件に潜む、どす黒い陰り。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
化野が語った”共通のパトロン”が、今回の事件にも絡んでいるのか。
悪人を追いかけ、正義の裁きを下すために列車に乗った…てわけでもなさそうだ。法政課の天秤、かなり恣意的に偏るからなぁ…化野のモチベも、一つの伏せ札だねぇ。
様々な謎と思いを閉じ込めつつ、列車も時間も運命も止まりはしない。呼び出しに応じ、サーヴァントの待つ超常領域に足を踏み入れていく、師匠と弟子。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
赤い夕焼けから赤雷の暗転へ。一瞬で空気が変わるシーンの撮影がとても良かった。凄く綺麗、かつ印象的で機能的。
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長尺喋りのマジックミステリばかりでは、動きがなくて頭が疲れる。積極的にアクションシーンを盛り込んで、話に起伏を付ける構成はなかなか楽しくていい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
しかし敵さん、ビミョーに偽物オーラ出してて気になるところ。ゴッドブルも邪悪なフォルムだし、雷も赤いし。
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ゼウスの末裔たる征服王は雷ゴロゴロオジサンであったが、魔眼は持ってなかったし、そもそも男性であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
奇妙に似ていて、奇妙に似ていない。イスカンダルの臣下を名乗る者たちは、暴力的に激しく衝突する。
推しが同じでも、仲良く出来るとは限らないよね…あのゴリラも罪な男だ。
強制の魔眼も撮影が良くて、”魔眼”を印象的に見せる演出が冴えるシリーズである。超常の異形がしっかりアニメ的存在感を持っているのは、マジカルミステリを堪能できて良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
青天の霹靂をやり過ごし、世界は血の色に染まる。一瞬前の夕焼けとは、明らかに違う魔の色彩。
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長い黒髪を切り、自分が傷を受けて大事な人を守る。白い柔肌に傷を受け、悩ましい埋木を漏らす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
二世のヒロイン力にびっくりだが、カウレスの生体電流ヒーリングを切なげに見つめるグレイが、ちょっと悲しい。攻撃には高い能力を持つけど、守る癒やすは苦手。アタッカーとして製造された辛さやね。
そんな不甲斐なさに溢れる涙を、オルガマリーは見て取る。他人の涙にまともにショック受ける人間が、魔術師として大成できるわけがないんだよ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
秘蔵のパナケアも優しく手渡して、ツンデレムーブでプライドを守る。お前もまた”人”…。
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ココアを差し出して、秘薬が帰ってくる。人間には当たり前の等価交換を踏み倒して、超常を出現させるのが魔術師だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
時を飛び越えたサーヴァントは、いかにして聖杯戦争の外側に召喚されたのか。その依代は、どう盗まれたのか。
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車内で、あるいは書斎で。二世を外部からバックアップする人々もまた、面白い。ルヴィアと獅子劫さんの凸凹ドライブが、疾走する列車とちょっと重なってるのは良いね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
『触媒盗難は、身内の反抗』ってのは、征服王ゆかりのサーヴァント故に結界が反応しなかった、てことなのか?
列車の殺人事件と、触媒盗難事件。重なり合いそうでズレてる二つの事件が、並走して走る今回の事件簿。なかなか情報を整理するのも大変である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
ここらへんを当事者ではないライネスの仕切で、今まで顔見世したメンバーを活かし、賑々しく処理しているのは巧い所。人数出ると、やっぱワイワイ楽しい。
Apocryphaとは別の世界線を歩いたカウレスは、思い出の中の姉を眩しそうに回想する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
それは過ぎ去ったものにとらわれる視線ではなく、過去を思い出に変えて、自分なりの未来へと歩む瞳。
”覚悟”はもう済ませている。後は進むだけだ。
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二世がたどり着かなきゃいけない場所へ、カウレスは一足先に辿り着いている、とも言えるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
しかしそれは、彼が物語の主役ではないからこその決断だ。
過去に惹かれ、未来を見据え、曖昧に思い悩む。Apocryphaで生徒が成し遂げた歩みを、今度は二世が踏破する番となる。
まぁ今は眉間にシワ寄せて、ウンウン呻いてるわけだがな!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
ほんにキミはヒロイン気質だねぇ…戦闘要員の見せ場が増えるので、良い属性だと思う。
師匠を捕らえる過去。自分を縛る過去。グレイの緑の瞳は、誰よりも信じる縁をじっと見つめ、行く末を思う。
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そんな感じの、魔術式過去との向き合い方講座でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
騎士王再来の妄執が生み出した、望まれざる超人類。グレイを縛る過去に踏み込んだ二世が、征服王との思い出に縛られている。
二人が手を取って未来に進んでいくためには、お互いを縛る過去と向き合い、腰を据えて挑む必要がある。
そういう現状を、ゲストキャラとの交錯交えて上手く書くエピソードでした。オルガマリーの可愛げがよく出て、彼女を隙きになれたのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
まー首切り事件の方は全然伸展してないけど、触媒窃盗、サーヴァント召喚という別種の事件と、どっかで繋がっているのか。来週も楽しみ。