まちカドまぞく を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
顕になった衝撃の真実が、魔法少女と魔族を引き裂く。
出会ってからの全てが嘘じゃないなら、もう一度始めよう。
お互いの強さと弱さが、桜の下で交錯する。
何も変わらない場所に戻るために、後悔と哀しみに追いつくためにッ!
そんな感じ…はあんまりしない、桜井監督コンテの最終回ッ! である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
擬音、演出、音声、画面の情報量。何もかもが過剰、原液の桜井汁を全身で浴びつつも、リリカルにキメるところはバッチリキメきって、いやはやいい最終回であった…。
文字を直接画面に乗せたり、それを朗読したり。トンチキを画面に溢れさせて、過剰な情報量で脳をバグらせたり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
セリフ詰め込み過ぎで早口気味になっているところからも、桜井監督の”過剰”がよく判る。
何もかもがカロリー高いッ!
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ここらへんを桃シャミが語らう中盤はしっかり抑えて、リリカルでエモい絵面でお互いの思いを交流させ、爽やかでシリアスなぶつかり合いを成立させているのが、なかなかのワザマエである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
まぁ話まとめるいいシーンですら、ギャーギャーやかましかったら終わるもんも終わらんからな…。
お話は嘘と真実の衝撃を親子がメトロン構図(ウルトラセブン”狙われた街”参照)で受け止めて、心を落ち着けたシャミ子が桃を追うところから始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
色々あったが、桃は好き。いなくなってほしくない。
シャミ子は真実を見落とさない女である。
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低身長に若作り。ヨシュアから継承したものはたくさんあるが、しっぽで(相互)所有権を主張するLOVEの強さが、一番通じ合ってる気もする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
脳髄に過剰な情報を流し込まれ、”プシュ”なってるシャミ子が可愛い。ハイテンションギャグとKAWAII描写、両方やれるのがこのアニメだッ!!
あとヨシュアの話をしておくことで、”眷属”が意味するものを把握しないまま、桃にエンゲージしてるシャミ子の危うさと純粋さが後々あぶり出しになるのも良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
いやシャミ子、眷属ってつまり『お母さんとお母さん』やぞ…。表面上は分かっていないが、本質ではキッチリ掴んでそうでもある。”覚悟”か…
さておき、シャミ子は街をさまよいつつ桃を探す。ご先祖がムシャリムシャリされてたり、犬の名前が”いぬ”だったり、サラッとケモミミ人間が街を歩いていたり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
情報量が多い!
結界がどういう街を作っているか、サラリと見せる演出は好き。
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んで、桃の過去を知るミカンに重要情報をもらって、運命の場所に急ぐ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
『ミカンの心の傷も含めた重たい話になるから、薄暗い橋の下に移動しようぜ!』という、余りに即物的な演出プランが好き。天候操作とかには逃げない。
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ここでミカンの動揺と過去も拾って、散々暴れさせてあげるのは優しいなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
話の真ん中は桃シャミの因縁とズブズブだけど、ミカンだって部外者じゃない。桜に助けられた過去と、それを知らなかったショックが当然ある。
コミカルだけど、作品がキャラの思いを、ちゃんと受け止めるシーンだ。
『謎の柑橘類に”なぞ”って描いてあるの、ほんと下らなくて最高だな…』って感じだけども、ガード下で散々感情とミニ雷雲を暴れさせて、ミカンは道を取り戻す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
そこには桃がいなきゃならんので、思い出の場所をシャミ子に伝えて後を託す。明るいシーンだから、即物的に平地に移動しようぜ!
こっからスーパー桃シャミタイムだけど、過剰なテンションがやや抑えられ、ちょっとバロックな構図が箸休め的に挿入されていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
対話のトンチキ加減は変わらんが、凄く奇矯なアングルがシリアスな流れと噛み合い、面白いテンポ。
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ガンッガンに前に出てくるシャミ子に、桃の凍りついた心も動いていく。というか、今までのトンチキな日々を親友として過ごして、過剰な強さは緩み、重荷を預ける弱さを手に入れていたのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
桃が再獲得するものを、しっかり表情に焼き付ける作画が強い
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すげートンチキをぶん回しつつも、桃がシャミ子の一挙手一投足にときめき、頑なな強さ、”魔法少女”だった過去からはみ出していく歩みを繊細に切り取れているのは流石だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
ちゃんとかわいいもんなー桃。クールでスパルタンな印象が強いからこそ、ここでズブのズブズブにされている姿がかわいい。
逆にシャミ子はあんま表情を緩めず、グイグイまぞくの本懐を押し付けていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
悪のライバル文法で表面を覆っているけど、翻訳すると『一生一緒にいてくれや』だからなぁ…三木道三かよ。
怯えず揺るがず、魔法少女を光の闇落ちに誘うシャミ子の勇姿が、なかなか頼もしい。
ずっと桃に押されてたシャミ子が、ここでまぞくの本懐をぶん回して誘惑すること。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
それがミカンやご先祖、お母さんやヨシュアや桜の後押しを受けた、みんなの一撃であること。
よわよわ人間がワイワイガヤガヤ、日常を走って手に入れたものが良く見えるグイグイだと思う。
あまりの勢いに(そして既にズブズブなので)『眷属もいいかな…』と揺らいだ桃であったが、ストロングな魔法少女マインドを思い出し…というか、『まぞくと魔法少女』でい続けることが守ってくれる関係に立ち返って、誘惑を跳ね除ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
ちょっと”トムとジェリー”的だよね、まぞくと魔法少女。
眷属になっていたら、魔法少女としての桃は弱くなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
ご先祖が隠していた罠は、既に発動している。
桃はシャミ子と出会うことで過剰な強さを盗まれ、シャミ子は桃の強さを吸って生来の呪いを乗り越えつつある。
それは哀しいことでは、当然無い。弱くなれる誰かに出会えることは、とても幸福だ。
結界の外では当たり前の、人を殴りつける強さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
桜ヶ丘はそれが”当たり前”でいないよう、桜の祈りで守られた町だ。
そういう場所では、戦うための強さを削って、人としての弱さを思い出しても良いのだ。
あるいは、付け狙われる弱さを乗り越えて、誰かと対等に並ぶ強さを手に入れても良い。
片手ダンプのパワーに気圧されて始まった物語が、見習いまぞく精一杯の誘惑で終わるのは、幸福な相互侵犯のお話としてとてもいいと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
宿命のライバルが、河原でポッキンアイスを一緒に食べる。そういう降伏があってもいいのだ。良い空の色だなぁ…
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『完全にズブのズブズブじゃん!』と、外側から見ていると思うわけだが、シャミ子は『魔法少女と戦う、強いまぞく』というガワにこだわる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
そうやって続いていく日常は、平和で幸福だ。そのロールにこだわることで、弱かった自分を乗り越えていく。
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そんなシャミ子の強がりが、僕は愛おしい。素直にマブだと認めないことで、シャミ子は倒れ込みそうな自分を支えて、堂々世界を走れる喜びを噛み締めているのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
しかしその実態はピンクでハートマークの甘やかさであり、桃はそのトキメキに身を預けようとして、決定的にすれ違う。
多魔川沿いの爽やかな対峙で、物語はひとまずの幕である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
あんだけヒーヒー言ってた体力鍛錬を、シャミ子はすっかり自分のものにした。
強く向き合うことしか出来なかった桃は、オシャレをして友達と手を繋ぐことを覚えた。
そういう全12話であったと思う。いいアニメだった…。
というわけでまちカドまぞく、無事終了であります。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
いやー、面白かった、素晴らしかったッッッ!!!
ポップで可愛らしいデザイン、トンチキながらいい雰囲気の日常、切れ味鋭いダイアログ。
在り来たりの量産型きららと思わせておいて、独自の武器が山ほどある、知性的な物語でした。
さりげない描写がパズルのように繋がって、シリアスな真相がしっかり腑に落ちる構成の見事さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
無条件に与えられる『優しい世界』ではなく、皆が『優しくなろうとする世界』を犠牲込みでしっかり描いて、意志と変化の尊さをしっかり描いたこと。
ファンシーな味付けに負けず、骨の太い作品でした。
そういう巧さだけでなく、桃シャミ感情のズブズブっぷり、可愛らしさが火力高くて、みんなを好きになれるアニメでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
運命に出会って、心が動く。そういう話である以上、変化していく少女たちの感情と関係がちゃんと描かれてるのはマジ大事だよなぁ…そこ、キッチリやりきってました。
アニメはスタッフの”味”を全面に出して、毎回バラエティ豊かな演出を楽しませてもらいました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
特に古豪勢のパワーが半端なくて、なおかつそれぞれ違う面白さ、笑いの作り方を多彩に味わうことが出来たのは、予想外の面白さでした。方向性としては戦コレやスペダンだよなぁ…。
桜井監督のオーバーテンションが原作の魅力としっかり噛み合い、明るく元気で、しかししっとりと暗さを見つめる視線もあって、色んな面白さをギュッと詰めたアニメになりました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
原作未読だが、かなり幸福なアニメ化だったのではないかと推察する。いやー、面白かった。
桃がクール顔を維持したまま、ドンドンかわいいまぞくにズブのズブズブになっていく流れは最高でした。クール顔の女が天然にズブのズブズブになってくお話、ホント好き。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
でもそれが、強い桃が与える一方通行で終わらず、弱いシャミ子が奪う…そのことが桃の救いにもなる相互性がとても良かった。
宿命のバトルはあくまで作品の外側に置かれているんだけども、桃の強さを奪って”人間”に戻していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
シャミ子の”弱い強さ”を描くことで、強さの定義を靭やかに問うていたのは凄く良かったと思います。
ゆるふわ日常系だけが可能な、バトル価値観へのプロテストというか。
そういうシリアスな切り口が浮かない賢さと、ワーワー騒がしいハイテンションな面白さを同居させて、しっかり自作の”味”に変えていたこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
真面目で重たい側面が、急に降って湧いた感じにならないように、にぎやかな日々にしっかり影を刻んでおく周到さ。
とてもバランスが良く、そうなるようにしっかり意識を張り巡らせていたアニメでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月26日
チャーミングなキャラクター、精妙なドラマ、シュールでパワフルな笑い。強い部分がたくさんあった。
彼女たちの物語をもっと見たい気持ちもありますが、今はありがとうとお疲れ様を。楽しかったです!