スター☆トゥインクルプリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
繰り返される、憎悪の連鎖。居場所を奪い、奪い返し、孤独な魂が空を流れていく。
その導きを読み解く、盲目の星見。かつて少女を救った出会いに、ユニがすがりつく。黒い連鎖を断ち切り、星の海へ漕ぎ出すために…。
我々はどこから来て、どこへ行けるのか。
そんな感じの、アイユニ巨大感情一つの決着編ッ! 復讐者があるべき姿へと帰還するスタプリ勝負回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
ユニはなぜ、バケニャーンの姿を選んで仇敵の懐に忍び込んだか。アイワーンにとって、ノットレイダーとはどんな場所だったのか。
様々な疑問に答える、過去保管回でもある。
共に何かを奪われ、憎悪と孤独と悲しみに囚われた二人。善と悪に騎士を分けたものがなにか、それは取り返しのつかない対立を生むのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
描写をしっかり絞って深く突き刺すことで、作品テーマとキャラの人格を刻み込む、見事なエピソードとなりました。
これを支える、青山先生の一人原画。マジすげぇ。
唐突に『科学がダメならオカルトにゃん!』とユニが言い出した時はドン引きしたが、蓋を開けるとかけがえのない出会いにもう一度すがる話であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
星読みの曖昧さ、確かな真実を見抜く盲目と、『トゥインクルイマジネーション』つう終盤の大ネタが噛み合って、なにか腑に落ちる話でもあったな。
多分トゥインクルイマジネーションは『形がなく、曖昧であること』それ自体が価値なんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
プリキュアそれぞれが、それを探し求めて頑張る道のり。その途中で出会った人、気付いた真実こそが輝きなのであり、なにか形に見えるものではダメなのだ。
胸に宿る光こそが星。あ…劇場…(思いだ死)
『BANDAI様がグッズ出して商売できるような、十二星座のアイテム集めて終わりじゃねーぜ! 俺たちが書きてぇのはもっとこー…人の生きる意味と光みてーなかんじだぜ!!』っていうと、今作マジでロックだな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
いや多分、トゥインクルイマジネーションでもグッズ出ると思うけどさ。
さてお話は、スムーズにハッケニャーンさんの元へと進む。最初戯けてたけど、後のガチ賢者っぷりを考えると子供と仲良くなるためのアイスブレイクだよな、アレ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
その姿がバケニャーンに似ていた時点で、ジジイの涙腺は早速誤作動開始ですよ。今回、涙腺爆裂するくらい泣いちゃった…(早めの告白)
ユニにとって、仇敵の懐に飛び込むのってマジで怖かったと思うのね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
その時、一番信頼できる相手の姿を借りて、その思いを引き継いで”変身”したってのが、すごく胸に迫った。
嘘で鎧を作るときでも、頼るのは出会いの奇跡。レインボー星人の変身能力は、迫害される悪しき力ではないのだ。
ハッケニャーンさんはガチ心眼の持ち主で、盲た瞳で少女たちの心を見据える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
そういう人と出会えたことで、レインボー星崩壊の苦しみを少し預け、ユニは孤独を慰めることが出来た。
立派だよ…一人放り出された子供に『判るよ…』と手を差し出せる人はさぁ!!
これは仇敵たるアイワーンも同じで、暗闇で一人膝を抱えていたところに、ガルオウガさんという光を差し出された。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
闇に生きる存在とは言え、本当に孤独でいることなど出来ない。悪には悪の救世主が必要だし、そもそも悪でい続けたい存在などどこにもいないのだ。
しかし同時に、善なる真実にちゃんと向き合うことも難しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
ハッケニャーンさんは怒りを収め、良き出会いを探して旅に出る道をユニに示した。ガルオウガさんは、アイワーンの憎悪と怒りを肯定した。
共に傷ついた少女に寄り添い、孤独を埋めている。しかし先に伸びる道は真逆である。
否…それが小さなボタンの掛け違いであり、憎むべき邪悪はあり得たかもしれない自分だったと気づくところまで、今回ユニは自分を進める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
鏡合わせの私とあなた。違うからこそ知り合いたい。星奈ひかるの生き様がユニに刺さって、それが新たな変化を生むんだよなぁ…星座じゃん。
序盤のトンチキ日常ドタバタ芝居が可愛くて好きなのだが、アレをすんごい眼で睨みつけてたアイワーンは、温もりをしればこそ怒っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
外れものたちの宿り木であろうが、世に”悪”と罵られようが、そこには確かに繋がりがあった。自分が自分として認められる充足があった。笑顔すらあった。
それを奪われた…とアイワーンの単眼は猛ってるけども、存外スルスル帰ればノットレイダー、素直に受け止めてくれそうな感じもある。人情が判る悪の組織だからなあそこ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
そこに帰ることが出来ないプライドの高さも、故郷を愛すればこそ、か。愛憎は常に裏腹の双子、癒着して離れないねぇ…。
ユニへの執着も、バケニャーンと過ごした日々がとても暖かかったからこそだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
凄まじい巨大感情を単眼に乗せて、恨みつらみの石化ビーム乱射。出てる時間帯完全に間違えてるけど、これが”プリキュア”だっ!
愛の深さが憎悪に変換されちゃう業は、アイワーンの哀しいところだ。
ユニがアイワーンのように、愛を憎悪に帰ることがなかったのはハッケニャーンさんと出会えていたからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
心に渦を巻く暗い感情を認めた上で、それを乗り越えうる希望を示す。ただ綺麗事をいうのではなく、年老いてもはや叶うことのない血の通った夢を、若人に託す。
立派だよ…あの猫耳マジ立派…。
あそこでウエメセで倫理だけ言われても、ユニは受け入れられなかったと思う。何しろ故国まるごと石化、死体かっぱいで研究資金だからなッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
しかしハッケニャーンさんはユニの自主性を尊重し、依頼者に星を見てもらう。キミに見えている世界を、僕が読み解く。”詩”じゃん…。
ユニは『星は見えない』と答える。だが『星はない』とは言わない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
ハッケニャーンさんはそこから『今は、星が見えない』と読み解いて、希望の光を探す旅へと少女を導く。
必ず、星はある。出会うことも出来る。キミが仲間の縁をたどって、ここに辿り着けたように。
そういう未来への信頼を、神託の形でユニに託したことで、ユニは悪に身を染めつつ、決定的な一線を越えることがなかった。憎悪それ自体の機械となって、誰かから取り返しのつかないものを奪うことはなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
それは小さな幸運であり、それを無駄にしなかったユニの強さだった。
ノットレイダーは悲しいかな、そういう強さをアイワーンに与えることが出来なかった。アイワーンも、故郷の暖かさ、確かに刻まれた愛の思い出を信じ切る強さを持ちきれなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
それを愚かと笑うことは簡単だろう。しかし、スタプリはそういう視座には立たない。その弱さも、星の諸相なのだ。
奪い、奪われ、憎み、憎まれる。愛すればこそ生まれる漆黒の鎖が、ロボットバトルで大暴れ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
アイワーンはともかく、ユニは視野狭窄してもしょうがない立場にいると思う。平和に暮らしてたらクソ単眼が素朴な連中だまくらかして、あっという間に星石化。嘘ついてでも、復讐を遂げたいと思うだろう。
しかしその悲しみに囚われ続ければ、ずっと同じことの繰り返しだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
いつか大切なものを取り返すための嘘だったとしても、仇との間に心が通っていた。自分を居場所だと思ってくれる人が、陰りの中に確かにいた。
ユニがその光を大事にしていなくても、アイワーンにとってバケニャーンは特別だったのだ。
レインボーの惨劇を思い出させる、石化ビームの大乱舞。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
これを前にトラウマ爆裂したユニの脚が竦んじゃうのが、僕は嘘がなくて好きだ。そらー竦む。家族皆殺しだよ?
しかしその時、盲目でプリキュアでもない一人の占い師が、毅然と暴力の前に立つ。は、ハッケニャーンさん…。
単眼通り越して盲目なのに、彼の瞳はアイワーンの真実も見抜いてしまう。ユニ自身が気付けるように、信託の言葉で真実への導きも出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
高い星を見つめていれば、確かに咲いた花を取りこぼす。レインボー星復活の大義のために、一人の少女を騙したのは、正しかったのか。通い合う何かはなかったのか。
星読みの示唆をしっかり受け取って、ユニは星ではなく花を摘む。目の前で泣いている子供が、自分の合わせ鏡であることを認める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
例え自分の居場所を奪われても。思い出を殺されたとしても。それでも、涙を流すものを前に許す。受け入れる。
つ、強い…猫耳の背中がデカく見える…。
暴力の象徴たる石化ビームを、最初は怯え、留め、暴力の矛先を蹴り飛ばして変えて、最後は受け入れる所が、凄く象徴的で良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
力が災厄にならないように、同じ力で止める。それも大事な正義なんだけども、理想を言えば暴力の生まれる源泉…胸の中の苦しみを理解して、受け入れて止めきりたい。
そういうデカい綺麗事が、アクションの中で息づいていたのがとても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
スタプリは悪の中の善性、暴力の中にある一部の理を、かなり冷静に見ていると思う。正義たるプリキュアが、暴力を行使する矛盾も。自作への批評性が常に息づいてるのは、とても好きなポイントだ。
あとユニの魂を込めた謝罪が『ゴメンにゃん』なのも。レインボー星人は猫なので、シリアスになればなるほど猫語尾なんだよなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
キャラ付けってものを深く考えた結果、かなり独特の表現になったなぁ、と思う。言葉尻だけならギャグかもだけど、これ以上の『ゴメンにゃん』ないで、マジで。
ユニは許すことにした。謝ることにした。正当性だけを考えれば、『お前がお前が』と視野を狭窄させても仕方がないところだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
しかしそうやって瞳を閉じていては、星も花も見逃してしまう。出会って、変わっていける可能性を信じられるから、ユニは己を抑えて、アイワーンの涙を見ることにしたのだ。
マジで立派である。『大人になった』などという、年齢従属的な表現をこれには使いたくない。その言葉の真実な意味で、『人間が出来た』のであろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
アイワーンを許すことで、正義を執行するために選び取られたブルーキャットの、バケニャーンの”悪”もまた、許された感じはある。
五人必殺の浄化技は、アイワーンの人格を変えない。優しさに怯える迷い猫のように、差し出された手を跳ね除けて、彼女は去っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
それでいい。なにか形のあるもので一気に変わる道を、キュアコスモ加入の時にこの物語は拒んでいる。人は迷いながら、ゆっくりと星に近づいていくのだ。
優しさと正しさをすぐには飲み込めないアイワーンが、ハッケニャーンさんを苦手と感じていたユニと響き合ってて、凄く好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
自分を見抜かれてしまう存在を、素直に受け入れるのは難しい。でもそんな人と出逢えばこそ、迷いの中に導きを見つけることも出来る。
今回急に出てきた(が、ユニの人格を動かすには十分な)ハッケニャーンさんとの出会いだけじゃなく、今まで僕らが見守ってきたプリキュアとの歩み全てが、ユニの決断を下支えしてるところも最高だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
出会えたことに、意味はあった。すれ違うぶつかっても、ゆっくりと近づけた。
そういう経験が自分の中にあればこそ、『アイワーンもいつかは…』と、ゆっくり待てるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
経験と出会い、それに基づく実感は人を育てる。
『子供である、大人になる』ということが、本当はどういうことなのか。スタプリはありものの答えではなく、自分なり非常に強く考え抜き、表現している。
かくして光と闇の感情螺旋に、一つの決着が付いた。ありがとうハッケニャーン…星読みの賢者…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
ぶっちゃけユニとアイワーンの愛憎って相当落とし所難しかったと思うが、ドンピシャのキャラとドラマを用意して、感情に嘘なく、倫理に恥じなく、非常に良いところに落としたと思う。見事だ。
眩しすぎる光に目を焼かれてた、先週のカッパードさんといい。ノットレイダーはすっかり”人間”である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
『アイツラも救われなきゃ”プリキュア”嘘だろ!』って感じだけども、悪人正機の導きを引き寄せる奇跡を、フワッとしたトゥインクルイマジネーションは果たしうるのか。
その輪郭が見える回でした。
そんな流れを受けて、次回はえれなさん VS テンジョウ先生。マージか、マッチアップ相手それかー。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
人間のカルマが流れ着く暗黒の宿り木に、天狗はなぜ身を寄せたのか。過去が語られるかは解かんねぇけども、えれなを呼び水にテンジョウさんのキャラが見れると嬉しいな。来週も楽しみ。スタプリ強い。
つーか今回ユニが『大人になった』ことで、仇敵への憎悪、故郷復活の責務に縛られない『子供になれる』道が開かれたのが、俺は一番嬉しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
誰かを導き受け入れ許す大人になるためには、子供の純朴さに向き合う必要があるわけよ。イマジネーション殺してニヒル気取れば、即アダルトじゃないわけよ。
あとハッケニャーンさんっていう信頼できるロールモデルを真似ることで、人倫ギリギリの崖っぷちで踏みとどまれた事実を開示して、『こうなりたい、と思える誰かと出会イマジネーションの力』を見せた所。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年10月27日
為りたいと思える、尊敬と信頼を預けられる”人”に出会うことが、星の道行きなんだよなぁ…。